上級生から下級生への読み聞かせにおすすめの絵本紹介
雨の多い時期は、外で遊べずに教室内で過ごす時間も増えてくることでしょう。雨の日は、下級生の子に読み聞かせをするのもお勧めです。
執筆/福岡県公立小学校教諭・下川美佳
目次
下級生のためなら頑張れる!
上級生にもなると、読書への意欲は見事に二極化しています。「本なんて大嫌い!」という声もちらほら聞こえてきます。
そこで、「下級生のために読み聞かせをしてあげよう」と使命感を持たせることで絵本に触れる機会を与えてみましょう。下級生から「すごい! ありがとう」といった声をもらうことで、自尊心を高めたり、上級生としての自覚を持ったりすることもできます。
この2つの目的で「お話宅配便」の取組はおすすめです。
ただ、お話が長すぎたり、難しすぎたりすると、下級生の子供たちは最後まで聞くことができず、上級生の読書意欲も下がってしまいます。
上級生には、まず教師が絵本を読み聞かせしてから、下級生に読むように勧めてあげましょう。上級生でも、下級生向けの絵本を十分楽しめます。
お話宅配便の流れ
担任が上級生に読み聞かせをする。
上級生がそれぞれ1、2冊絵本を選ぶ。
★本選びのポイント★
①10分以内に読める本
②内容が単純なお話
③シリーズ本
④季節や学習に合った本
⑤上級生自身が低学年のときにおもしろいと思った本
下級生のクラスに、みんなで絵本を持って行く。(「お話宅配便」などのネーミングの工夫を!)
ペアの子の席に行き読み聞かせをする。
早く読み終わったら、他の読み終わった上級生と交代!(1冊をいろいろな子に読めるので負担が少ない)
「お話宅配便」は、下級生の担任と時間(朝タイムや雨の日の昼休みなど)を決めて行うと効果的です。月に1度でも十分楽しめ、ペアを変えれば、同じ本で何度でも実施可能です。
下級生への読み聞かせにおすすめの絵本
『ともだちや』
内田麟太郎/作
降矢なな/絵
偕成社
『つんつくせんせいといたずらぶんぶん』
たかどのほうこ/作・絵
フレーベル館
『もったいないばあさんのてんごくとじごくのはなし』
真珠まりこ/作・絵
講談社
イラスト/種田瑞子
『教育技術 小五小六』2020年6月号より