小6体育「陸上運動(ハードル走)」指導のポイント

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執筆/福岡県公立小学校主幹教諭・篠田勝美、福岡県公立小学校主幹教諭・平田大輔
編集委員/国立教育政策研究所教育課程調査官・塩見英樹、福岡県公立小学校校長・三原達也、福岡県公立小学校教頭・森田元一郎

陸上運動(ハードル走)

授業づくりのポイント

高学年のハードル走では、インターバルの距離やハードルの台数などのルールを決めて競走したり、自己の記録の伸びや目標とする記録の達成を目指したりしながら、ハードルをリズミカルに走り越えることができるようにすることをねらいとしています。また、ハードル走を楽しく行うために、自己の課題を見付け、その解決のための活動を工夫するとともに、約束を守り仲間と助け合って運動をしたり、勝敗を受け入れたりできるようにすることが大切です。

ハードルへの恐怖心がある子供には、コーンやゴムなどを用いた簡易的なハードルを使用するなどの配慮をするとよいでしょう。

●新型コロナウイルス感染症対策として、子供に授業前後の手洗いを徹底するように指導しましょう。そして、活動中は地域の感染レベルに応じて、適切な身体的距離を確保するようにしましょう。

単元計画

単元計画

課題別やグループに分かれて練習するときは、教師は常に全体を見渡せる位置に立つことを心掛けましょう。後ろにも気を配るようにし、安全に活動できるように配慮します。

自己の課題を適切に把握できていない子供には教師が声をかけてアドバイスしましょう。こういう時こそ教師の出番です。

楽しもう ~いろいろなコースで走ってみよう~

学習1では、まず自己の課題を見付け、課題に応じた練習方法を提示して選択できるようにしたり、3 歩のリズムで走るための自己に合ったインターバルの距離を選択できるように場の設定をしたりします。(インターバルを3歩で走り越えることが難しい子供には、5歩でもよいと伝えましょう。5歩の場合のリズムは「トン・いち・に・いち・に・さーん」です)。

オリエンテーションでは、ハードル走の目標や学習の進め方を確認し、実際に40mハードル走に挑戦します。50m走の記録を基に目標を設定することで、子供の課題解決への意欲を高めるようにします。また、この時に踏切り足を決めるようにしましょう。2時目以降は、自己の課題を見付けて、課題に応じた場や方法を選んで練習していきます。

学習1 自己の課題を見付け、課題に応じた場や方法を選んで練習しよう

オリエンテーション

<試しの場>

  • ハードル4台(高さ40cm ~ 52cm 程度)
  • インターバル(6.5m、6m、 5.5m)
  • 3歩のリズムで走れるインターバルを選ぶ
試しの場

踏切足が決まったら…

踏切

課題
第1ハードルを決めた足で踏み切っているか

課題の見付け方
第1ハードルの横に立って、いつも決まった足で踏み切っているかを振り上げ足の印を見て確認します。同時に、遠くから踏み切っているかを確認します。

解決に向けた練習方法や場
【スタートダッシュ】
スタートから全力で走り、第1ハードルを走り越します。「決めた足で踏み切ること」や「スピードにのってハードルを走り越すこと」をねらいます。

踏切
・第1ハードルまで全力で走る
・踏切り位置の目安になる目印を置く

バランス

課題
体のバランスをとりながら真っ直ぐ走れているか

課題の見付け方
走る人を正面から見て、振り上げ足がまっすぐ出ているか、振り上げ足の裏が見えるか、コースの中央をまっすぐに走っているか確認します。

解決に向けた練習方法や場
【1歩ハードル走】
「トン・いち・に・さーん」の、「いち・に」を除いて、「トン・さーん」のリズムで4台程度のハードルを走り越します。振り上げ足をまっすぐに上げ、ハードルやコースの真ん中をまっすぐに走ることを目指します。

バランス
・ハードル間は2m程度

リズム

課題
インターバルを「トン・いち・に・さーん」のリズムでリズミカルに3歩で走れているか

課題の見付け方
コースの横に立ち、インターバルをリズミカルに3歩で走っているか見ます。「トン・いち・に・さーん」と口ずさみなら確認します。

解決に向けた練習方法や場
【小型ハードル走(高さ30㎝程度)】
レーン上に輪を置き、足が輪に入るようにして走ります。走る際には、「トン・いち・に・さーん」と声を出しながら、インターバルのリズムを意識します。輪が足に引っかかって転倒することがないように注意しましょう。

リズム
・輪を4つ置いてもよい

課題が複数見られる子供は、踏切り→バランス→リズムの順に解決を目指すようにするとよいです。

もっと楽しもう ~グループで教え合って、得点をアップさせよう~

単元後半では、4 人程度のグループをつくって得点の合計で競う「グループ対抗40mハードル走」を行います。記録を測定する前に、見合いや教え合いの時間を確保することで、みんなで得点をアップしようとする意識も高まります。かかわり思考ツールの「ポイントチェック表」を活用したり、タブレットなどで動きを撮影して映像を見ながら教え合いをしたりすると効果的です。

学習2 グループで教え合って得点アップに挑戦しよう

グループで教え合って得点アップに挑戦する

グループで教え合って得点アップに挑戦する

見るポイントや方向、立ち位置などを示し、グループ内で分担しておくことで、より効果的に見合い、教え合うことができます。走る子供は、走る前に自分の課題は何なのかを、見合う仲間に事前に伝えることが大切です。

ハードルを置く場所にインターバルごとに色を変えて印を付けておくと、子供が素早くハードルを置き換えることができます。

ポイントチェック表

グループでの見合い・教え合いの流れの例

  1. グループ全員で、走る人が希望するインターバルにハードルを並べる。
  2. 走る人が自分の課題を知らせ、見る人たちが位置につく。
  3. 実際に走り、ポイントチェック表を用いてみんなでアドバイスする。
  4. アドバイスを基にもう一度走ってみる。
  5. 3・4を数回繰り返し、次の人と交代する(役割をローテーションして、見合い・教え合いをする)。

グループ対抗40mハードル走をする

50m走の記録と40mハードル走の記録との差を得点化し、他のグループと競走して楽しみます。

【50m走の記録と比較して得点化する例】

50 m走の記録と比較して得点化する例
※4人グループの場合→4人の得点の合計で競う(人数が合わない場合は平均点で競う)。
※グループは技能差に考慮するとともに、話合いが活発になるようなグループを編成するとよいです。

かかわり思考ツール
<ポイントチェック表>
ハードル走のポイントを図とともに示した学習カードです。見合い・教え合いの場面では、この表に記録し、その内容を基にアドバイスをします。

イラスト/たなかあさこ

『教育技術 小五小六』2021年4/5月号より

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