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小学国語「構造的板書」の工夫とコツ(動物の体と気候/なまえつけてよ)

2019/5/23

スッキリした分かりやすい構成で、子どもたちに伝わりやすい板書の書き方を指南する本シリーズ。 構造的板書を長年研究している樋口綾香先生(大阪府公立小学校教諭)に、チョークとふきだしの効果的な使い方を教えていただきました。

樋口綾香先生
樋口綾香先生 撮影/水本克美(桑島写真スタジオ)

国語スキル1:色チョークを使い分ける

色チョークとは、基本の白色チョーク以外のチョークのことを指します。白色チョークだけでも板書はできます。それなのに、色チョークを使うのはなぜなのでしょうか。色チョークにはよさがあるからです。

まず第一に、大事なことが一目で分かることです。黒板に文字や資料などの情報があふれていると、内容を理解しづらい子もいます。色チョークを使うことで、その都度大切なことを言葉だけでなく視覚的にも確認でき、さらに一時間の学習が終わったときに、重要なところが目に飛び込んでくる板書にできます。
第二に、子供の発言による学習の深まりやみんなで押さえておきたい言葉に価値づけができることです。「○色チョークは深まった意見だよ」と伝えておくと、子供たちは学習の深まりを実感してより主体的に学ぼうとします。

「動物の体と気候」の板書例
「動物の体と気候」の板書例
(クリックすると別ウィンドウで大きくなります)

「動物の体と気候」(東京書籍 五年上)

白色のチョークで、題名、筆者、めあてを書きます。めあてにある「問い」や「構成」は、説明文を学習する上で重要な用語になります。そのため、色チョークで

問 い
構 成

と文字のまわりを囲むようにします。

子供に、「問いを探してみよう」と投げかけると、すぐには見つからないという言葉が返ってきます。この返答も板書すると、
「問いがすぐに見つからないこともあるんだ。そんなときにはこう考えたらいい」
と、子供に考える道筋を与えてあげることができます。その後は、
「題名をヒントにしていいよ」
「話題はどんなことが書かれているかな」
とヒントを与え、ペアで相談したり、全体で意見を出し合いながら協働的に考えさせます。そこから考えた問いは、深まった考えとして色チョークで囲むようにしましょう。

問いを基に筆者の論じ方を調べて、序論・本論・結論に分けさせます。筆者の一番伝えたいことはどこに書いてあるか確認し、説明文が尾括型であることを確認します。

尾 括 型

も色チョークで囲み、全員で意味を押さえます。

国語スキル2:ふきだし

ふきだしは、自分が思ったことを自由に書いたり、登場人物になりきって考えたり、写真や挿絵から読み取れることを書いたりと、いろいろな使い方ができます。ノートに書く際に、文字の量に合わせてふきだしの大きさを変えられることは、書くことが苦手だと思っている子にとってとてもよい機能です。「たくさん書かないといけない」という義務感から解放され、書くことへの抵抗感を少なくして、学習に臨むことができるでしょう。
ふきだしの形を工夫すると、分かりやすい板書にすることができます。

ふきだし画像
使いやすいふきだし

左のふきだしの形は、漫画やアニメでも馴染みがあり、想像しているように見えることから、登場人物の気持ちや子供のつぶやきを書くときにぴったりです。
右のふきだしは、読み取ったことや分かったことを書くときに使いましょう。

「なまえつけてよ」(光村図書 五年上)

「なまえつけてよ」の板書例

「なまえ つけてよ」の板書例(クリックすると別ウィンドウで大きくなります)

この物語文教材には、中心人物である春花の気持ちが大きく揺れ動くところが3箇所あります。

① 牧場のおばさんに、「名前、つけてよ」と頼まれたとき
② 子馬が他の人にもらわれることになり、名前をつけられなくなったとき
③ 勇太に紙で折った小さな馬をもらい、そこに「なまえつけてよ」という字を見つけたとき

①は、初めに春花が、勇太のことをどう思っていたかと比べ、②は③と比べます。
気持ちを比べるときは、まず、ノートにふきだしを使って書かせます。一人一人のふきだしは小さいかもしれませんが、全体で意見を出し合えば、大きなふきだしに春花の気持ちをたくさん書けるようになります。

登場人物になりきったり、本文中から気持ちにつながる叙述を見つけて具体的な気持ちを考えることは子供たちにとって難しいことではありません。しかし、黒板に多くの言葉があふれると、何が大切かぼやけてしまうため、具体的な表現から抽象的な表現に変え、それらを色チョークで書いて、囲みます。


『小五教育技術』2018年5月号より

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