小5国語「きいて、きいて、きいてみよう」指導アイデア

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教材名
「きいて、きいて、きいてみよう」光村図書

指導事項
〔知識及び技能〕(2)イ
〔思考力、判断力、表現力等〕A(1)エ  言語活動例 イ

執筆/熊本大学教育学部附属小学校教諭・溝上剛道
編集委員/文部科学省教科調査官・大塚健太郎、茨城大学教育学部附属中学校副校長・菊池英慈

小5国語「きいて、きいて、きいてみよう」指導アイデア

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

話し手の目的や自分が聞こうとする意図に応じて、話の内容を捉え、話し手の考えと比較しながら、自分の考えをまとめる力を育成します。

教科書の『たいせつ』に示されているように、聞き手は話の要点をまとめたり内容を確認したりしながら尋ねること、話し手は聞き手の質問から、相手は何を知りたいのかを考えて話すこと、記録者は話の中心を考えながらまとめることを意識して、「きくこと」について考えていきます。

②言語活動とその特徴

四月は、多くの学級で自己紹介をしたり、自己紹介カードを書いたりして、「好きな○○」などについて互いに知り合う機会があるかと思います。しかし、それらは「広く浅く」という傾向が強いでしょう。そこで、互いのことをもっと知り合うために「友達にインタビューをしてその人の人柄を引き出し、それを紹介し合う」という言語活動を設定します。

ただし、単にその言語活動を提示するだけでは、今求められる「主体的な学び」、具体的に言えば「粘り強い取組の中で、自らの学習を調整しようとする」学びは生まれません。そのような学びの実現には、「どんな紹介にしたいか」「何のためにインタビューや紹介の活動をするのか」など、活動のイメージや目的を具体的にしておくことが不可欠です。

例えば「みんなが知らない魅力を引き出そう」「その友達ともっと話してみたくなるような紹介をしよう」などの思いを共有しておくと、「この尋ね方ではまだみんなをあっと言わせるような一面を引き出せない。どう工夫すればいいかな。」などのように、自らの学習状況を振り返り、「きくこと」について試行錯誤するような学びにつながっていきます。

インタビューしたことを基に友達の魅力を伝え合う活動については、例えば朝のショートスピーチとして位置付けることもできます。その後に紹介された友達との「雑談タイム」を設けると、「その友達ともっと話してみたくなる紹介にしたい」という思いにつなげることができるでしょう。

単元の展開(6時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

◎学習の見通しをもち、学習計画を立てる。

【学習課題】
目的や意図とつなげて インタビューの話し方を工夫し、聞き合ったことを基に友達のみりょくを伝え合おう。

第二次(2~5時)

◎話題を絞り、質問と予想される答えを話し合う。

◎インタビュー活動に取り組む。
→アイデア1、2

  • 聞き手と記録者で練習しながら、質問の仕方を見直す。
  • よりよい質問の仕方について話し合う。
  • 実際にインタビューをする。

◎インタビューの内容を報告し合い、気付いたことを伝える。

第三次(6時)

◎教科書の『たいせつ』を視点として「きくこと」についての相互評価を行い、単元の学習を振り返る。
→アイデア3

朝自習等

◎インタビューの記録を基に、友達のみりょくを伝え合う。

アイデア1 学習課題を視点に「納得度」を振り返り、次への見通しをもつ

主体的な学び

上述した「『きくこと』について試行錯誤するような学び」を生み出していくためには、共通の「めあて」と「まとめ」だけではなく、自分のインタビューの練習や実際のインタビューの状況について振り返り、その振り返りを基に一人一人が自分なりのめあてをもつことが必要です。

しかし、ただ「振り返りを書きましょう」と指示をするだけでは、次への見通しにつながる振り返りにはなりません。

そこで、単元の学習課題を視点に自分自身の「納得度」での振り返りを行います。具体的には「友達の魅力を伝え合う」という目的に向けて、「魅力を引き出す」意図をもったインタビューができたかを数値で自己評価し、その理由を記述しいていくことで、「ここをよりよくしたい」、「次はこんな工夫をしてみよう」などの見通しにつなげていきます。

振り返りの記述例

振り返りの記述例

アイデア2 「うまくいかなかったこと」の解決策を話し合う

対話的な学び

アイデア1で述べた「学習課題を視点にした振り返り」に取り組んでいくと、「うまくいかない」、「どうすればいいだろう」などの困りごとが浮かび上がってきます。そこで、各グループの中で生じた困りごとを全体で取り上げ、どうすれば解決できるかについて話し合わせていくと、必要感を伴った「対話的な学び」につながっていくでしょう。

その際、タブレット端末等を活用して各グループの練習や実際のインタビューの様子を撮影しておき、映像を基に困りごとを共有すると、聞き手や話し手の具体的な言葉に立ち止まりながら話し合うことができます。その中で、話し手の反応に合わせて臨機応変に質問の順番を変えたり、反応を基に新たな質問を付け加えたりするようなインタビューの仕方を共有していきます。

「新たに生まれた質問」をしたいけど、どうすればできるかな。

まずは「〜なんですね」などの言葉で相手の話を受けとめるといいと思う。

私は、一つのことがわかったら、そこから「なぜ」を聞くようにしています。

「例えばどんな〜ですか」と尋ねると、より詳しい答えを引き出せました。

アイデア3 実際のインタビューの言葉を基に『たいせつ』を具体化する

深い学び

アイデア①②を繰り返す中で、一人一人の子供はそれぞれ言葉による見方・考え方を働かせています。

さらに「自分がどの言葉の意味や働き、使い方等に着目し、どのようにインタビューの言葉を吟味していったか」についての自覚を高めていくことで、深い学びの実現へとつなげていくことができます。

そのために、教科書の『たいせつ』を視点として、学習課題の達成に有効だった質問や受け答えの仕方などを振り返っていきます。それぞれの立場の『たいせつ』に沿ってグループで相互評価を行い、それを全体で紹介し合う中で、実際のインタビューに用いた言葉を価値づけ、『たいせつ』を具体化していきます。

子供の言葉で作る掲示物の例

子供の言葉で作る掲示物の例

イラスト/横井智美

『教育技術 小五小六』2021年4/5月号より

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