小2国語「たんぽぽのちえ」指導アイデア
教材名:「たんぽぽのちえ」(光村図書 二年上)
指導事項:C読むこと ア
言語活動:ウ
執筆/千葉大学教育学部附属小学校教諭・青木大和
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、千葉大学教育学部附属小学校副校長・大木圭
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
時間の順序を表す言葉や理由付けを表す言葉に着目して、内容を正しく読み取る力を育むことをめざします。
「たんぽぽのちえ」は、身近であるたんぽぽの成長の様子を説明した文章です。多くの人が目にしたことのあるたんぽぽには、どのような謎があるのかを知り、順序を追って解明することで、新たに発見することができる教材です。
②言語活動とその特徴
本単元で子供は、「春の植物すごろくづくり」という言語活動に取り組みます。「春の植物すごろく」とは、たんぽぽをはじめとする春の植物の成長を順序で表し、すごろくにしたものです。
あまり知られていない身の回りの植物の様子について、新しく入ってきた一年生に楽しみながら知ってもらえるようにすごろく形式にすることで、植物の成長の様子を伝えます。
単元の導入時、子供には、教材文と出合わせる前に、春に見る植物を想起させます。その植物がどのようにして花を開かせるようになったのか、冬の間はどんな様子だったのかについて話し合います。
そのうえで、教材文「たんぽぽのちえ」と出合わせることで、期待感と共に読み進めることができます。さらに、教師があらかじめ作成したすごろくの枠に、たんぽぽの成長の順にあてはめることで、順序に気を付けて読むことができます。
さらに、たんぽぽ以外の春の植物の成長などについて、読書活動につなげてオリジナルの「春の植物すごろく」を作成し、一年生に伝えにいきます。
単元の展開(9時間扱い)
主な学習活動
第一次(1時)
◎学習の見通しをもつ
・教師の範読を聞き、「じゅんじょに気を付けて読もう」という学習課題を設定し、学習の進め方を確認する。
→アイデア1
【学習課題】春の植物すごろくをつくろう
第二次(2~5時)
◎たんぽぽのちえですごろくをつくる
・たんぽぽが、いつ、どんなちえを働かせているのかを捉える。
・いくつのちえが書かれているのかを確かめながら音読する。
・挿絵と時を表す言葉を結び付けながら、たんぽぽが変わっていく順序に気を付けて読む。
・たんぽぽのちえとそのわけを、文末表現の違いに注意しながら整理し、すごろくにまとめる。
→アイデア2
第三次(6~9時)
◎オリジナルのすごろくをつくる
・春の植物の成長の様子や変化の様子を図鑑や科学的なことが書かれた本から読み取り、オリジナルのすごろくをつくる。
→アイデア3
アイデア1 二種類の写真を提示する
教材文との出合わせ方には、読みたくなるような期待感や必要感をもたせる必要があります。例えば、本教材の場合は、「たんぽぽ」が主役ですので、様子の異なるタンポポの写真を二枚提示して比べさせることから始めてみましょう。
▼タンポポの写真1
先週見付けた花だけど、みんな知っていますか。
たんぽぽだよ! 私も見た!
▼タンポポの写真2
でも、この前見たらこうなっていました。
枯れちゃったんじゃない。
子供は、自身の生活経験を想起しながら、さまざまな予想を立てることでしょう。十分にたんぽぽについて想起させた後に、続けてもう一枚の写真を見せます。
▼タンポポの写真3
今朝見たら、こんな様子になっていました。
あれ! 復活してる。
なんか白い綿が付いてない?
イラスト/川野郁代 横井智美
『教育技術 小一小二』2020年4/5月号より