小6社会「世界の課題と日本の役割」指導アイデア

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執筆/東京都公立小学校主任教諭・生沼夏郎
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登、東京都公立小学校校長・杉渕尚

小6社会「世界の課題と日本の役割」指導アイデア

目標

グローバル化する世界と日本の役割について、地球規模で発生している課題の解決に向けた連携・協力などに着目して、各種の資料で調べ、国際社会において我が国が果たしている役割を考え、表現することを通して、国際連合の一員として重要な役割を果たしたり、諸外国の発展のために援助や協力を行ったりしていることを理解できるようにするとともに、これからの我が国が国際社会で果たすべき役割を考えようとする態度を養う。

学習の流れ(8時間扱い)

問題をつくる(2時間)

○ 国際社会の課題を知り、学習問題を設定する。

〈学習問題〉
課題を解決するために、世界の国々や日本は、どのような役割を果たしているのだろう。

下矢印

追究する(4時間)

○ 国際連合・ユニセフの取組を調べる。
○ 日本のODA について調べる。
○ 日本の国際協力の取組を調べる。

下矢印

まとめる(2時間)

○ 調べたことを基に、学習問題に対する考えをまとめる。
○ これからの日本の国際協力について考える。

導入の工夫

様々な世界の課題を知ることで、解決すべきことが多くあることを理解し、解決に向けた取組に関心をもてるようにします。

問題をつくる(1・2/8時間)

様々な世界の課題を知り、学習問題を立てます。

今、世界で起こっていることについて、写真を見て考えましょう。

世界各地で起こっている課題

安心して住める家、場所がない人々がいるなんて、知らなかった。

きれいな水がなければ、健康な暮らしはできない。

食料が足りなく、栄養不足になってしまう子がいるなんて。何とかしなくてはならないね。

どこで、このようなことが起こっているのだろう。

世界のどこで問題が起きているか確認する

貧困や難民の問題が起こっている国や地域は、東南アジアやアフリカに多いみたいだね。

これらの課題を解決するために、誰がどのようなことをしているのでしょう。

ユニセフが募金を集めて支援をしている。学校でも募金活動をしていたよ。

国際連合があるのは、世界の国々のためではないかな。

他の国を支援している日本の活動を、テレビで見たことがあるよ。

学習問題
課題を解決するために、世界の国々や日本は、どのような役割を果たしているのだろう。

まとめる(8/8時間)

学習したことを基に、日本はこれからの世界平和に向けて、どのようなことを大切にして国際協力をしていくとよいかを考えます。

多角的に考える

安全な水を確保するための国際協力の取組について概要を知り、これからの国際協力について大切にすることを多角的に考えます。

日本は、これからどのようなことを大切にして国際協力をしていけばよいか、資料を見て考えましょう。

【事例1:ODA による大規模な灌漑施設(ウガンダ)】

農業に使える水がないために、作物を育てることができない地域。農業ができるように貯水池を造り、農業用水を効率的に使用できるようにした。

ODA による大規模な灌漑施設

【事例2:地方での給水改善計画(ナイジェリア)】

以前にもODA によって井戸掘りの支援を受けた地域。しかし、井戸掘り機が使えなくなったため放置されていたが、安全な水を確保するために再支援が始められた。

地方での給水改善計画

農業ができるようになれば食料を確保できるし、仕事も生まれるから、灌漑のような大規模な施設を造るのは、現地の人のためになるね。

普段の生活に使える安全な水がないと困るから、井戸を掘る支援は必要だね。教えてあげるのも、大切にしたいことだね。

ODAのような大規模な支援も身近な井戸を掘る支援も、どちらの支援も大切だね。その地域に合わせた支援が大切だね。

単元づくりのポイント

学習指導要領の内容の取扱いでは、「我が国が国際社会において果たすべき役割などを多角的に選択・判断できるよう」に配慮することが示されています。

多角的に考えられるようにするためには、問題をつくる段階で様々な課題があることを知り、追究を進める中で、様々な立場での国際協力があることを理解し、まとめる段階で水を確保する具体的な事例を比較することで、日本が国際社会の中で重要な役割を果たしているとともに、国際協力に取り組む意味を考えられるようにすることが大切です。


イラスト/横井智美、栗原清

『教育技術 小五小六』2020年3月号より

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