小5理科「電流がつくる磁力」指導アイデア

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執筆/大阪府公立小学校教頭・津山晋太郎
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、大阪府公立小学校校長・細川克寿

小5理科「電流がつくる磁力」指導アイデア
イラストAC

単元のねらい

電流の大きさや向き、コイルの巻き数などに着目して、これらの条件を制御しながら、電流がつくる磁力を調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に予想や仮説を基に、解決の方法を発想する力や主体的に問題解決しようとする態度を育成する。

単元の流れ(三次 総時数 8時間)

一次 電磁石のはたらき(2時間)

① クリップなど用い、どのような条件下で、電磁石のどこに鉄が引き付けられるかについて考える。
② 気付いたこと、調べてみたいことを整理する。

電流が流れるとクリップが引き付けられたけれど、何回試しても、5個くらいしか付かなかったな。

もっとたくさんクリップを引き付けるようにしたいなあ。どうすればよいのかな?

両端に引き付けられたけれど、磁石と同じように、S極・N極はあるのかな?

コイル・電磁石のしくみについて知り、3年生で学習した磁石との違いについて、様々な活動を通して気付けるようにし、それらの中から疑問が生み出されるようにすることで、主体的な学習へとつなげるようにしましょう。

③ 電磁石のはたらきについて学ぶ。

二次 電磁石の極(3時間)

① 方位磁針を用いたり、水に浮かべたりして予想を確かめる。

三次 電磁石の強さが変わる条件(3時間)

① 何度やっても少量しか引き付けられなかった導入の経験から、さらに強い電磁石をつくる方法を考える。
② ①で考えた予想を基に、乾電池を増やしたり、コイルの巻き数を増やしたりして調べる。

本単元は「エネルギー」を柱とした領域に位置付けられており、子供が、主として「量的・関係的」といった見方を働かせて自然事象を追究することが重要です。さらに条件を制御するという考え方を働かせながら問題解決を行うことで、資質・能力の育成につなげていきましょう。

単元の終わりに期待される振り返り

電磁石を利用したものには、どのようなものがあるのだろう。調べてみよう!

モーター
コイルに電流を流して力を生み出し、軸が回転するようにしたものだって。いろいろなものに使われているね。

モーター

リニアモーターカー
車両と線路の両方に組み込まれた電磁石の力で、車両が浮くみたいだ! それほど大きな力にもなるんだね。

活動アイディア
~資質・能力の育成を目指して~

電流がつくる磁力について、電流の大きさやコイルの巻き数などに着目して、それらの条件を制御しながら調べる活動を通して、電磁石の強さは、電流の大きさや導線の巻き数によって変わることを捉えます。また、それらを追究する中で、電流がつくる磁力の強さに関係する条件についての予想や仮説を基に、解決の方法を発想し表現するといった資質・能力を育成しましょう。

授業の展開例

自然事象への関わり(三次①の終わりの場面)

もっとたくさんクリップを付けたいなあ。どこを工夫すれば電磁石は強くなるのかな。

問題
強い電磁石をつくるにはどうすればよいのだろうか。

予想

コイルの巻き数を増やせば、電磁石も強くなるのではないかなあ。

巻き数を増やして調べるなら、電池の数や導線の長さはどうすればいいかな?

付いたクリップの数に差が出たときに、それがコイルの巻き数によるものだとわかるように、電池の数や導線の長さは同じにしておかないといけないね。

指導のポイント

主体的・対話的な関係解決

子供に電磁石の力を強め、さらに多くのクリップを引き付けさせたいと思わせるよう、導入での活動が重要になってきます。ここで、コイルの巻き数と電流の大きさ(電池の数:直列の場合)に考えが及ぶよう、一次において、永久磁石と電磁石の違いを明確にしていく必要があります。

解決方法の立案

他の条件をそろえて、巻き数を変えて実験し、クリップを何個引き付けるか比べてみよう!

実験の様子

コイルの巻き数と電流の大きさを調べる実験

結果

コイルの巻き数と電流の大きさを調べる実験(結果)

科学的な問題解決
定量的に結論を出す必要はないので、巻き数を子供が決め、様々な巻き数で実験を行い、より多くのデータから考察できるようにしていきましょう。
また、より正確なデータをとるために、3回ほど実験を行い、考察にはその平均値を用いて考えさせましょう。

考察

これらの結果から、多少増えたり減ったりしているけれど、巻き数と電磁石の強さには関係があると言えそうだ。

結論

コイルの巻き数を多くすると、電磁石が鉄を引き付ける強さは強くなる。

量的・関係的な見方を働かせる指導のポイント!

本実験では、巻き数を50回・100回・150回・200回と増やすと、それに伴って電磁石が鉄を引き付ける強さが変化するのかを調べます。定量的に結果の分析や考察を行いますが、大切にしたいのはどのくらい強くなるのかではなく、2つの数には相関関係があり、巻き数を増やせば電磁石の磁力も強くなるという定性的な結論です。しかし一方で、工場で使われるような強い磁力にするには、どのくらい巻けばよいのだろうという発展にもつながるよう、この定量的な結果も大切にしたいですね。


イラスト/横井智美

『教育技術 小五小六』2020年2月号より

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