• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

専門家に聞く 縄跳び指導のコツ

2019/5/19

7重跳びのギネス世界記録保持者として縄跳びの世界で有名な森口明利さん。京都大学工学部から大学院に進み、企業に就職するも退職して縄跳びのプロに転身したという異色の経歴の持ち主です。8重跳びの成功が次の目標とのことですが、学校等から依頼を受けて、子どもたちに縄跳びの指導も行っています。そんな森口さんに、実際の縄跳び指導について伺いました。

森口明利さんメイン
「自分の能力をフルに発揮できるところが縄跳びの魅力です」

今まで体験したことのない動きや技を体験してもらう

――学校などで縄跳びの指導をされていますが、どのような指導をされているのでしょうか。

「まず、準備運動として縄を使った遊びをします。例えば、『郵便屋さん』という遊びは、縄を回転させないで前後に振って跳びます。大繩の郵便屋さんを一人で行うイメージです。他には、半分に折った縄を足元で地面に水平に回して跳び越えるという遊びもします。通常は縦に回す縄跳びをあえて横方向に回してもらうことで、今まであまりしたことのない体の動かし方や縄の使い方を体験してもらうことがねらいです。

次は、決めポーズを選んでもらいます。有名なのは、『エックス』(下写真参照)ですね。他には、『足でエックス』や、縄を片方の足のつま先で止め、両手を広げる『V字止め』などを紹介します。見ただけでできる子が必ずいますから、できる子が周りの子に教える時間をつくります。いろいろな決めポーズの中から自分の好きな決めポーズを選んでもらい、前跳びからポーズを決める練習をします」

「エックス」ポーズ
「エックス」で決めポーズ

「それから、縄跳びの基本であるグリップの持ち方と縄の長さの話をします。グリップをグーで握る子が結構多いんです。その持ち方では縄に力が伝わりにくいので、親指と人差し指の力を使えるように、親指を立ててグリップをもつことを教えます。この持ち方はバドミントンと同じ持ち方です。また、縄が長すぎる子もよく見かけます。これは、2重跳びをするときのつまずきになります。縄の中央に足をかけてピンと伸ばしたとき、縄の端が自分の脇より短くなるように、縄の長さを調節します」

高学年に人気の技は2人跳びや多人数跳び

――高学年には、どんな技が人気ですか。

「いろいろな技を見せますが、人気なのは2重跳び、2人跳びなどですね」

――2重跳びのコツを教えてください。

「コツは3つです。跳び方、リズムの取り方、縄の回し方です。2重跳びでつまずくのは、跳んだときの姿勢が、くの字になることです。これでは連続して跳びにくくなりますから、真上に跳ぶようにします。リズムの取り方では、垂直に跳んだときに両ももを上げ、跳んでいる間にももを手で2回叩く練習をすることで、ももを叩くリズムで2重跳びをする感覚をつかませます。そして、そのリズムで縄を回せるようにします。片手で半分に折った縄をもち、1、2、3回前回しをして4回目で2回、回します。片手でできれば両手でも2回、回すことができるようになります」

――2人跳びとは、どんな技ですか。

「1本の縄で2人が跳ぶ、または2本の縄で2人が跳ぶ技です。2人跳びにもさまざまな技があり、学校の先生と私が組んで見本を見せると、子どもたちはやりたがりますね。最初はペアを組んで跳びますが、特に高学年の女子は8人から10人といった多人数で円形になって跳ぼうとすることもあります。高学年の子にはとても盛り上がります」

2人跳び
「2人跳び」の見本を見せています

――縄跳びの指導で、特に心がけていることは、何でしょうか。

「縄跳びは楽しい、ということを知ってもらいたいというのが一番です。あれをしなさい、これをしなさいと言うのではなく、子どもに主体的になってほしい。そこで、なるべく子どもに選択肢を与え、自分で考え、工夫する場にしたいと考えています」

ギネス証明書を持つ森口明利さん

森口明利さん(7重跳びギネス世界記録保持者)

1989年、福井県生まれ。京都大学工学部および京都大学大学院エネルギー科学研究科卒業後、一般企業に就職。2018年に退職して、2019年から縄跳びのプロ活動を開始する。主な記録に、2012年、世界大会3重跳び3位。2014年、6重跳び連続回数ギネス世界記録達成。2015年、世界大会3重跳び2位。2016年、5重跳びギネス世界記録達成。2017年、7重跳びギネス世界記録達成などがある。

取材・文/高瀬康志

『教育技術 小五小六』2019年5月号より

★小学館『みんなの教育技術』Webサイトでは小学校の先生に役立つ情報を毎日発信中★ぜひお気に入り登録して最新記事をチェックしてください!
↓↓↓
『みんなの教育技術』トップへ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

関連する記事

授業記事一覧

心も体もポカポカに!寒い時期の体育「準備運動」の工夫2つ

体育の準備体操は、子どもの心と体をウォーミングアップする重要な活動。少し寒くなってきたこの時期、体育の学習のはじめに「今日の体育は楽しそうだな」「早くやってみた…

2019/12/16

クラス全員がわかる国語の授業をしていますか?
小学1年国語:話す聞く読む書く「4つの格差」を正す授業の工夫

小学校就学前の学習量には個人差があるものの、学校で「教えられていない子」が、「できない子」になるのはおかしいですよね。いますでに格差があるとしたら、どう是正して…

2019/12/14

音楽体育|ミニゲームで授業の空気を変える!

ちょっとしたゲームを取り入れれば、ダレてきた授業の雰囲気を一気に払拭できます! 音楽と体育の授業で使える楽しいミニゲームの紹介です。

小学5年6年「道徳科の授業レポート」スペシャル授業動画【教育技術小五小六1月号購入者特典PR】

道徳、5年教材『新聞投書記事「まっすぐな少年は大リーグに」』の授業実践と、6年教材『日本一短い「家族」への手紙』の授業実践の動画です。導入から終末までの授業の組…

小六算数 「つまり」や「だったら」が生まれる授業
小六算数 「つまり」や「だったら」が生まれる授業とは

凄腕実践者・前田正秀先生が、「子供自身のリフレクション」により深い学びが生まれる条件について考察。さらに、算数の授業実践例の中で、実際に機能させるための様々な工…

2019/12/12

小学6年算数『量の単位(2)』教科指導のヒントとアイデア

量の単位について、1㎡と1㎤の実際の大きさを見せるなどの実感を伴った活動を導入として、単に暗記するのではなく、それぞれの接頭語は十進法を基につくられていることや…

2019/12/11

小学6年算数『量の単位(1)』教科指導のヒントとアイデア

「1か月に使う水の量」を表す単位であるkLの読み方を予想する活動を通して、これまでに学習した量の単位の仕組みを統合的に捉え、基本単位前につく「k(キロ)」などの…

2019/12/10

外国語アクティビティで使える「15分でできる英語ゲーム」2種

小学校五年生の外国語アクティビティのアイディア。ここでは、繰り返し英語表現を使えるように、身近な食べ物や形を用いたり、コミュニケーションを楽しめるようにすごろく…

【小六国語】リフレクションを促す6ステップとそれを学びのルーティンにする工夫
小学6年国語『海の命』生徒の深い学びを促す工夫と仕掛け

凄腕実践者・松山康成先生が、「子供自身のリフレクション」により深い学びが生まれる条件について考察。さらに、6年国語『海の命』の授業実践例の中で、実際に機能させる…

2019/12/9

4年体育 キャッチソフトバレーボール

四年生の体育でのネット型ゲームの紹介です。ネット型ゲームは、ネットで区切られたコートの中で攻防を組み立て、得点を競い合う楽しさや喜びを味わうことのできる運動です…

2019/12/8

もっと見る