小6国語「狂言 柿山伏」指導アイデア

教材名:「狂言 柿山伏」 光村図書

指導事項:伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項ア (ア)

執筆/千葉大学教育学部附属小学校教諭・青木大和
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、千葉大学教育学部附属小学校副校長・大木圭

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

日本の文化・伝統に対して関心をもち、音読を通して狂言の面白さを表現する力を育むことを目指します。「柿山伏」は、主人公「山伏」が柿を盗もうとするところを、柿の持ち主「柿主」に見つかり、猿や鳶などのまねをさせられ、自分の罪を覆い隠そうとする姿を面白おかしく描いている作品です。

日本の伝統文化である狂言というものを、「柿山伏」の物語を通して理解することで、物語や伝統芸能の面白さ、昔の人々の生き方を気付かせていくことができます。

②言語活動とその特徴

本単元で取り組む言語活動は、音読劇をすることです。音読劇とは、教材「柿山伏」の音読を通して、狂言独特の調子のよいリズムを実感し、登場人物のせりふややりとりの面白さを想像しながら読む活動です。

狂言は、独特なリズムや言い回しが随所に見られ、音読の難易度としては高く、その特徴をしっかりと確認する必要があります。また、「劇」にすることで、ただ文字を追っていくだけではなく、登場人物の心情や言葉の意味を理解して、演じる必要があります。

そのため、子供は主体的に言葉の意味を調べたり、発音やリズムの特徴を読み取ったりすることができるでしょう。これらの活動を通して、狂言に関心をもち、古典に積極的に触れていくことが期待できます。

単元の展開(5時間扱い)

主な学習活動

第一次(1・2時)

①学習の見通しをもつ。
・「柿山伏」の朗読CDを聞き、感想を交流する。
・「狂言を楽しみ、音読しよう」という学習課題を設定し、学習計画を立てる。

②「伝えられてきたもの」を読む。
・様々な伝統文化についての知識を得る。
→アイデア1

【学習課題】「柿山伏」の音読劇をしよう

第二次(3・4時)

③「柿山伏」と「『柿山伏』について」を読む。
→アイデア2
・狂言独特の表現と「柿山伏」の話の筋を理解する。
・狂言の面白さについて考える。

④グループに分かれ、「柿山伏」の音読練習をする。

第三次(5時)

⑤音読発表をし、感想を交流する。
→アイデア3

アイデア1 様々な伝統芸能の種類と、その内容のすみ分けをする

日本の伝統芸能とはいってもその種類は様々で、子供にはそれぞれの伝統芸能がどういった種類であり、どう違うのかを理解させることが大切です。単元の導入で写真を提示し、クイズ形式で行うと親しみやすくなります。

イラスト/畠山きょうこ 横井智美

『教育技術 小五小六』2019年11月号より

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