小3・4外国語活動「思考・判断・表現」をどう見取るか

外国語授業のアクティビティの中で、どのように思考・判断が行われているのでしょうか? 小学校外国語科検定教科書の編集委員でもある神奈川県公立小学校の長沼久美子先生に解説していただきます。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・長沼久美子

目次
Q1 好きな色を1つ選んで、その色の文字について尋ね合う活動では、どのような思考・判断・表現を見取ることができますか。
(『Let’s try2』)P.25 アクティビティ2)
A.質問に答えようとする中で、また、質問者が質問をしようとする中で、思考判断しています。
この活動は、いわゆる「好きな色当てあそび」です。
私の好きな色は、なーんだ?
それって(その色を文字で書くと)bがある?
といったようにやりとりをしていく活動です。
相手が好きだと思われる色を当てるために予想する中で、子どもは、自然とアルファベットを目で追い、声に出して名称読みをします。
また、「Do you have~?」のフレーズを必然的に何度も使うため、短時間で学習要素が盛りだくさんの充実した活動ができます。
例えば、
(相手の)好きな色は何だろう?
と頭の中で考え、
もしかしてblueかな
と予想し、質問します。
この時、その色のつづりを頭でイメージしたり、教科書で確認したり、それを発話して質問しようとします。そして、
質問するには、Do you have~?を使うんだ
と考え、気を付けながら発話します。
このように、様々な思考・判断をしています。
問題を出している子も、自分の好きな色のスペルを頭の中に描いて、質問を受けることになります。その時も思考判断を必要とします。
考えて止まっている時間も聞いてから黙っている時間も、その子どもにとっては大事な思考・判断の時間です。
このような活動を通して、子どもは、英語の言葉がアルファベットの組み合わせでできていることに気づき、アルファベットの音を意識するようになります。
もし、答えにたどりつかなくて気を落としている子どもがいたら、どこで分からなくてやり取りが止まってしまったのかを聞いてあげるなどの支援をしてみてください。自分の分からないポイントが見えてくることで、もう一度、思考が働きます。
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