黒板の使い方を子供たちに教えよう!【動画】

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神奈川県公立学校 教頭

鈴木夏來

黒板の使い方を教わったことがありますか? 意外と気がつかれていない黒板の基礎基本があるのです。そして黒板は先生だけでなく子供も使うもの。学級の子供たちにも使い方を指導しましょう! 初登場の鈴木夏來(なつる)先生が、子供たちに黒板の使い方を教える方法をシェアします。

1. 黒板の引き出しの使い方

黒板の下の方に引き出しが2つありますよね。おそらく左側になると思いますが、片方の引き出しの上(粉受け)に穴が空いています。

穴が1つあいている

まず、子供たちを黒板の前に集めて「この穴、なぁに?」と聞いてみましょう。答えはチョークの「粉入れ」です。

掃除の時間に日直さんがミニほうきなどで粉を集めて穴の中に収めて捨てます。

左側の引き出しは「粉入れ」、右側は「チョーク入れ」なのですが、実は、子供はここを混同しやすいのです!

子供は穴があるとそこに物を入れたくなります。小さいチョークなどをホイサホイサと入れたり、コロコロ転がして「ホールインワン!」とゴルフのように入れたくなるものです。私もやりました(笑)!

でも、まだ使える長いチョークも粉入れに入れてしまうと粉まみれになって困ってしまいます。

なので、長くても短くても「チョークはチョーク入れに」ということを子供たちに伝えましょう!

私の学級では、子供たちにわかるように引き出しに「こな」「チョーク」と書いてあります。

「こな」「チョーク」と書いておく

2. チョークの使い方

黒板の相棒、チョーク。
子供にも使わせるのであれば、その使い方を教える必要があります。使い方を知らないうちにチョークを渡してしまうと、ボキボキ折れてしまったり、粉まみれになったり大騒ぎになってしまいます!

私は教えるときに付箋(ふせん)を使います。1人に1枚ずつ付箋を渡し、細長く縦に半分に折ります。そうすると、チョークと同じくらいの長さ・太さになりますので、これを使って子供たちと一緒に持ち方の練習をします。

チョークと同じくらいの長さ・太さになる

チョークを使って黒板に書くときにもっとも大切なのは、見ている子供たちにチョークの先が見えていることだと私は考えています。

たとえば、料理番組なら、包丁で材料を切っている手元を見たいですよね? もし、切っているところが見えずに、切り終わった材料だけを見せられて「このように切ります」と言われてもわかりにくいでしょう。それと同じことです。

鉛筆の場合は持ち手の部分が長いのでよく見えますが、チョークは短いので鉛筆持ちがでず、手元が見えません。持ち方に決まりはありませんが、黒板に触れているチョークの先が見えるように持って書くことがとても大事です。

黒板に触れている先が見えるように書く!

書いているときに背中で隠れて手元が見えない場合は、「見えません」と近くの人が声をかけるようにします。すると、見えていないことに気づき、「カメラ目線」のように見ている人の視線を意識できるようになります。

このことを心がけていくと、自然と見られている意識が芽生え、プレゼンテーション力が上がっていきます。

「背中を見せないで書く」という、かっこいいコトができるようになりますので、みなさんの学級でもぜひやってみてください!

見られている意識が芽生えプレゼン力がアップ!

いかがでしたか? 黒板やチョークの使い方をきちんと教えることで、子供たちの「プレゼン力」まで養えるとは素晴らしいですね! みなさんの学級でも積極的に黒板を活用してみませんか?


鈴木夏來

鈴木夏來(すずき・なつる)
1974 年生まれ。神奈川県立総合教育センター指導主事。モジュール学習やカード・カルタによる自主学習、ICT教育、ユニバーサルデザインなどを得意分野とする。趣味はオリジナル教材の開発。著書に『安心と安全を創る 教室インフラ』(中村堂)、『子どもの表現力を引き出す「想像画」指導のコツ』(ナツメ社) がある。

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