「作家の時間」5回目のレッスン ~比喩表現を使おう~
連載|ayaya先生のすてきやん通信
書く活動をワークショップ形式で取り組む学習法「作家の時間」。5回目のレッスンでは、比喩表現について学びます。Instagramでは1万人超えのフォロワーに支持され、多くの女性教師のロールモデルにもなっている樋口綾香先生オススメの実践です!
執筆/大阪府公立小学校教諭・樋口綾香
■「作家の時間」はじめてみませんか
■「作家の時間」を面白くする二つの工夫
■「作家の時間」はじめてのレッスン ~魅力的な人物を考える~
■「作家の時間」2回目のレッスン ~中心人物の悩みや課題と事件をつなげよう~
■「作家の時間」3回目のレッスン ~事件の解決を考えよう~
■「作家の時間」4回目のレッスン ~物語の冒頭を工夫しよう~
目次
レッスン⑤「ひゆ表現を使おう」
前回、書いた文章を吟味するための「物語の冒頭を工夫しよう」というレッスンを紹介しました。今回も、物語の情景が読み手に広がるように表現を工夫するレッスンです。
国語の教科書では、低学年や中学年で「様子を表す言葉」について学習します。物語を読むとき、「様子を表す言葉に着目して読む」ということが大切にされますが、文章を書くときに「様子を表す言葉」を使っている子供たちはどれほどいるでしょうか。論理的な文章を書くときでさえ、「様子を表す言葉」は、読み手の想像力を刺激し、難しい内容も理解しやすくします。
「様子を表す言葉」といっても、その種類には広がりがあります。擬態語や擬声語、形容詞や形容動詞、そして今回のレッスンで扱う比喩表現も含まれます。
比喩表現は子供たちにとって、とても身近です。これまで読んできた絵本にも、低学年で学習する物語文にも、比喩表現はたくさん使われています。そのため、比喩の意味を簡単に説明したあと、例文を示して、意味や使い方を理解していくという構成のレッスンにしました。
比喩表現の3種類を伝える
はじめに、比喩表現には、「直喩」「暗喩」「擬人法」の3種類があることを伝えます。
「直喩」について学習
今回は、「直喩」について学習します。暗喩は高学年で学習するので、低学年では詳しい説明はしていません。
直喩とは、「まるで〜のようだ。」のように、直接何かに例えていることがはっきりわかる表現のことです。
「にじ色のゼリーのようなくらげ」のように、「スイミー」にはたくさんの比喩表現が使われています。「スイミー」だけでなく、「教科書から比喩表現を探してみよう」とすると、多くの言葉に触れ、語彙や語句を豊かにすることにもつながります。是非やってみてください。
物を例えるだけでなく、気持ちを例えることもできます。
作文の中などで使いやすい表現なので、「悲しい」の他にも、「嬉しい」「楽しい」「悔しい」「怖い」などの心情で考えてみると、すぐに生かそうとする子が増えます。
最後にまとめ
最後に、「比喩表現を使う技」をまとめました。
レッスンが終わった後は、「ひたすら書く時間」になります。
次回は、子供たちが書きたくなる原稿用紙についてお伝えします!
樋口 綾香
ひぐち・あやか。Instagramでは、ayaya_tとして、♯折り紙で学級づくり、♯構造的板書、♯国語で学級経営などを発信。著書に、『3年目教師 勝負の国語授業づくり』(明治図書)ほか。編著・共著多数。
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