小4国語「ごんぎつね」メリハリ授業で授業時数のスリム化

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大幅に削られた授業時数の中でも、国語と算数については、特に慎重に指導をしたいもの。二学期の授業内容の精選や組み方を工夫して、子供たちの「積み残しゼロ」をめざしましょう。ここでは小四国語について、メリハリある授業のポイントをご紹介します。

執筆/秋田県公立小学校教諭・益子一江

【小四国語】組合せの工夫で時数をスリム化|メリハリ授業のヒントのイメージ画像
写真AC

授業時数のスリム化を図る3つの方法

国語はそもそも学習指導要領が2学年のまとまりになっており、示された指導事項を繰り返し指導していくので、教科書にある指導事項配列表や時数配列表を見ながら、軽重をつけていくことが可能な教科だと思います。

では、どのように軽重をつけていくかですが、まず授業時数のスリム化を図るためには三つの方法があると考えています。

方法1 他教科との関連を図る

一つ目は他教科等との関連を図ることです。例えば二学期には、「クラスみんなで決めるには」という単元があります。ここでは話合いのしかたなどを学ぶわけですが、他教科等でも話合いを行うことは常にあるはずです。

そこで国語で学習したことを活用し話し合って、決めていくことで、どちらも予定よりも短い時間で確かな定着が図れると思います。

あるいは「世界にほこる和紙」の単元は、社会科で地域の伝統工芸の学習と関連付ければ、効果的であるとともに、時間も圧縮が図れます。

ちなみに国語は10月頃に学習し、社会科は12月に学習する予定になっていますが、単元を組み替え、時期を合わせて学習すれば、国語だけでなく社会科の学習もスリム化が図れると思います。

方法2 自習学習の時間を活用する

二つ目は朝の会の時間や家庭での自主学習の時間を活用する方法です。四年後半の単元には、短歌や俳句、慣用句など、短い時間で学習するものがあります。これらは授業で予定よりもコンパクトに扱った後、朝の会や家庭学習と連動させるわけです。

例えば朝の会では歌う場面がありますが、今年はそれも難しくなっています。そこで国語の学習後、朝の会の歌を短歌や俳句の暗唱に置き換えるといった方法が考えられます。

同様に慣用句も授業の中で触れた後、自学で調べてみたり、朝の会のスピーチで慣用句の紹介に置き換えたりすることが可能でしょう。

あるいは「漢字の広場」は9月以降4回出てきますが、そこは知識・技能の部分ですので、自主学習で行って、先生がしっかり確認をして評価していけばよいと思います。

方法3 単元を組み合わせる

三つ目は単元を組み合わせて一緒に行うことです。四年生の二学期以降の単元に、「感動を言葉に」という自分で詩をつくる単元と、「自分だけの詩集を作ろう」という詩を集める単元があります。

教科書ではまず詩をつくり、その後に好きな詩を集めて詩集を作ることになっています。それを合体させ、まず先に多様な詩に触れ、その後でみんなで詩をつくり、クラス全体の詩集を作るとスリム化が図れます。

大切なのは、学習指導要領の指導事項を指導するために、教科書教材をどのように活用すれば効果的かを考えることだと思います。そうすることで、多様な時間のスリム化の方法を見いだすことができると思います。

「ごんぎつね」は時間をかけて取り組みたい教材

そのように時間のスリム化を図る一方で、友達と関わることで学習が深まる部分については、時間をかけて授業を行いたいものです。

なかでも四年生では、「ごんぎつね」はしっかり時間をかけて取り組みたい教材です。この作品はごんと兵十の関係やすれ違いが生み出す結末に、それぞれ違った感想をもつと思います。

なぜそれに至ったのか、叙述を根拠に話し合う活動を設定することで、一人ひとりの感じ方の違いがあることに気付く力を育成するのに適切な作品だと思います。

そのための単元構成ですが、まず大まかな物語の全体像を捉えるために全体を通して読みます。そこで大体の物語像を捉えた後、「ごんや兵十の気持ちの変化に関わることで、こんなことを話し合いたい」ということを子供たちに出させます。

「ごんや兵十の気持ちの変化に関わることで、こんなことを話し合いたい」ということを子供たちに出させます。

そうすると例えば、「なぜ、ごんは『引き合わないなあ』と思ったのか」といった場面の読みに関わることや、「ごんと兵十の心は通じ合ったのか」といった、全体の読みに関わることがたくさん出てきます。

その疑問は各場面の読みの中で解決できる疑問か、全体を読んだうえで解決できる疑問か、分類していきます。そして場面に関わることはグループで、全体に関わるものはクラスみんなで解決する課題としていくのです。

その後は課題について読んで解決を図る時間が続いていくわけですが、そのような授業を提案すると、「場面ごとの気持ちの変化を読まなくても大丈夫?」と思われる先生もいます。

しかし疑問に対しての考えの根拠は、場面におけるごんや兵十の気持ちだったり、叙述を関連付けたりしたものになるため、十分に指導事項を押さえた学習になるのです。さらにそこで、いろんな友達の考えに出合います。

例えば、同じような読み取りをしているのに着目する叙述が違っていたり、着目する叙述が同じでも、違う読み取りをしていたりすることがあります。そのような一人ひとりの読みの違いに気付くとともに、より深く読んでいくことができるのです。

こうした授業を重点的に行いたいと思っているわけですが、実はこのような単元構成は、場面ごとに読むような、従来の読み方と比べると、スリム化が図れる可能性が出てきます。

教科書通りなら12時間扱いですが、もしかしたら12時間かからず、ここでも時間的な余裕が生まれるかもしれません。もしそのときに時間的余裕があるならば、より多くの疑問を全体の対話の俎上に載せて、みんなで意見を出し合いながら、しっかり読みを深めていけばよいと思います。

「メリハリ授業のポイント」関連記事 → 小4算数「思考・表現の時間を多くとる」メリハリ授業のポイント

取材・文/矢ノ浦勝之

『教育技術 小三小四』2020年9月号より

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