小5社会「自動車工業のさかんな地域」指導アイデア
執筆/埼玉県公立小学校教諭・鈴木祐介
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登
目次
目標
我が国の工業生産について、自動車製造の工程、工場相互の協力関係、優れた技術などに着目して調べ、工業生産に関わる人々は消費者の需要や社会の変化に対応し、より良い製品を生産するよう様々な工夫や努力をして、工業生産を支えていることを理解するとともに、これからの工業の発展について、自分の考えをまとめようとしている。
学習の流れ(8時間扱い)
問題をつくる(2時間)
〇 自動車について調べ、話し合う。
〇 写真やグラフからわかったことを基に、話し合う。
〈学習問題〉
自動車づくりに関わる人々は、どのようにして性能の高い自動車をたくさんつくっているのだろう。
追究する(4時間)
○ 自動車の製造工程について調べる。
○ 工場同士の協力について調べる。
○ 様々な自動車の種類や機能について調べる。
〇 新技術の開発方法について調べる。
まとめる(2時間)
〇 自動車の製造方法や、性能を高める工夫や努力についてまとめる。
○ 消費者と生産者それぞれの立場から、これからの工業の発展について自分の考えをまとめる。
導入の工夫
日本には様々な自動車メーカーがあり、性能の高さから世界から注目されています。なぜ日本の車が世界で売れているのか、なぜ自動車同士の交通事故で死亡者が減っているのか等、各種資料を用い、関係付けながら、優れた自動車づくりの工夫や努力に目が向くようにしていきます。
1時間目
身の回りにある自動車について調べ、自分が知っている自動車のメーカーや車種などについて話し合う。また、日本の自動車メーカーが世界から注目され、世界有数の販売台数を誇っていることを知る。
2時間目
資料や既習を生かして学習問題をつくり、予想し、調べる計画を立てる。
これは、スピードが同じくらい出ていた自動車同士の正面衝突事故の写真です。それぞれ別の事故の写真です。写真を見て、何か気付くことはありませんか?
どちらの車も、つぶれてしまっているね。
でも、左の車の方が大きくつぶれているよ。
右の車には、エアバッグが見えます。
実は、左は1986 年製、右は2004 年製です。左の車の運転手は、骨折などの大けがを負ったんだけど、右の車の運転手は、軽い打撲で済んだんだよ。
新しくつくられた車の方が、事故に強いのかな?
グラフと関連させて、考えてみよう。
約10年間で、死者数が半分になっているね。
別のグラフを見ると、燃費もどんどん上がっているよ。
ハイブリッドカーなどの、エコカーも開発されたね。
どうやって、自動車の性能を高めているんだろう?
前の時間に生産台数が世界有数だと知ったよ。どうやって、たくさんつくっているのだろう。
問題をつくる
イラスト/横井智美、栗原清
『教育技術 小五小六』2019年9月号より