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ぬまっち流の実践を自分のクラスでも成功させるには?|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

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沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」
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国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭

沼田晶弘

「ダンシング掃除」「勝手に観光大使」など、斬新でユニークな授業が新聞やテレビでも取り上げられ、講演やイベント企画も精力的にこなす「ぬまっち」こと沼田晶弘先生。今回は、「ぬまっち流の実践を自分の学級に取り入れたいが、うまくいくかどうか自信がない。成功のポイントは?」という先生の質問に答えていただきました。

沼田晶弘先生
沼田先生に実際に相談をしている気持ちでお読みください。
沼田晶弘先生 撮影/下重修

他の人の実践を真似をしても、うまくいかない理由

ボクは講演なんかでもよく伝えていることなんだけど、ボクのやり方をそっくりそのまま自分の学校に持ち込んだら、失敗する確率は相当高いよ。

失敗の原因は、僕の実践を、アレンジなしで実践してしまうから。

ボクは著書や講演会の中で、ボクの実践を紹介しているけれど、それは、あくまでボクとボクのクラスの子供たちのストーリーであって、学校の環境も、子供たちもそれぞれ違うでしょう?

例えば、新しい実践を容易にできる環境が構築できていない学校も多いはず。

ボクの学校は、国立の実験校として、教育理論の実験的研究をしたり、先駆的な教育スタイルを模索してきた歴史がある。だから、ボクがいろいろな実践を試すことができるのは、勤めている学校のスタイルに救われている部分もある。

学校環境だけでなく、地域の環境も違うだろうし、子供たちの現状も保護者のタイプもさまざまだよね。

だから、ボクの実践を、環境や状況に合わせてアレンジすることが大事なんだ。

自分がいる環境や、向き合う相手にしか
通用しないことがある

日本で人気のレストランも、店舗の味をそのまま海外に持っていっても失敗することが多いよね。それぞれの国や地域にはその土地独特の文化が必ずある。だから、店舗の味のエッセンスを生かしながら、地域に合うような味にアレンジするほうが当然成功率が高くなるよね。ボクは講演で全国を回っているけれど、講演する地域によって話し方や話すこともアレンジしているよ。

例えば、関西以南では、参加者もゲラゲラ笑ったり、突っ込みもあるし、「本当に楽しかった!」と直接言ってくれることも多いけれど、北に行くと、やっぱりお客さんのリアクションが薄くなる特徴がある。

北の地方の参加者はあまり笑ったりしないし、反応が薄く感じてしまうから、最初ボクは焦って空回りをすることも多かった。

でも、アンケートが熱いんだよね。

講演後にアンケートを読んで「なんだ~。だったらもっと安心して講演できたのに」って思ったりしたけれど、リアクションが薄いのは、奥ゆかしいだけなんだって気付いた。その特徴が分かってからは、講演するとき、「北の方はいつもリアクションが薄くて、アンケートが熱いんですよ。ただ不安になっちゃうから笑ってくださいね」とかいってその場を温めてみたりしたわけ。

それでも、その時は笑ってくれるけれど、その後はやっぱりあまり笑わない(笑)。

やっぱりその土地の特徴ってあるし、そもそもその土地の人は自分たちの特徴を自覚しているんだよね。だからそう簡単には変わらないわけだよね。

だからこそ、アレンジすることが大事なんだ。

自分がいる環境や、自分が向き合う相手にしか通用しないことがあるのだから、状況や相手に合わせて、自分が変わるしかないよね。

成功のポイント1 
環境や子供に合わせて「状況アレンジ」

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