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子どものやる気を引き出す! 授業開始1時間目の即効アイディア・国語

2019/4/10

授業スタートの1時間目は、さまざまな工夫を図り、子どもの学習意欲をアップさせたいもの。国語では、上手に音読ができることや詩を暗唱できるようになることで、子どもに自信をつけさせるアイディアを紹介します。

【小三・小四共通】簡単な詩を音読して、自信をもたせる

国語の授業初日は、配付したての教科書を開き、例えば、扉(1ページ目)にある詩を音読させましょう。その場に立って読み、読み終えたら座るルールを設定したり、スピードを上げて3回連続で読ませたり、学習の中で変化をつけることで、子どもたちは飽きることなく楽しみながら詩を読み、自信をつけることができます。音読の次は暗唱させるのもよいでしょう。「うまく読めた」「詩を覚えることができた」という成功体験を通じ、その後の授業への意欲を高めていきます。

詩を絵で表現し、国語の勉強をイメージさせる

この文を絵にできるかな?
イラスト/畠山きょうこ

音読や暗唱の後は、その詩の一部分を指定して「ここの部分を絵で描いてみよう」と、ノートに絵を描かせましょう。どのように描くかは指定せず、子どもたちが思ったままに表現できるようにしましょう。その絵は、隣の人どうしや班ごとに見せ合い、お互いの絵が、詩の一節の通りになっているかを確認します。そして、なぜ表現できていると思うのか、なぜ表現できていないと思うのかを説明させましょう。先生も教室中を見て回り、アドバイスしましょう。子どもによって、表現する視点や絵の上手さはそれぞれ違いますが、詩をきちんと表現できている場合には、その点をしっかりほめることが重要です。この活動を通して、「国語では、文章を読み取って、頭の中でイメージし、理解する勉強をしていく」というメッセージが伝わります。描いた絵には題名をつけさせ、詩の作者を教科書の中から探させるなどの課題を出すと、新しい学年の教科書にも慣れて、抵抗なく新学年の勉強に入ることができます。

有名な詩文を使って暗唱にチャレンジ!

教科書に載っている有名な詩を、全員で何回か声をそろえて音読します。ある程度覚えたら、文の下のほうからだんだん隠す部分を増やし、最終的に全文を見ずに詩を暗唱できるようになることが目標です。小三・小四の国語の教科書には、谷川俊太郎さんや金子みすゞさん、まど・みちおさんなど、誰もが知っている詩人の優れた作品が載っています。授業はじめの前に、教科書の中から効果的な詩を選んでおくとよいでしょう。パソコンが得意な先生は、パソコンのスクリーンシェード機能を使い、黒板に詩を映して音読させるのもよいでしょう。他にも、教科書で詩を読ませて、その詩をノートに視写して覚えさせる方法も効果的です。

詩の暗唱を宿題にして、子どもの自信につなげる

保護者の前で暗唱を披露
イラスト/畠山きょうこ

詩を暗唱できるようになったら、それを宿題にしてもよいでしょう。目的は、保護者の前で有名な詩の暗唱を披露して「詩を覚えたよ!」と自慢させることです。達成感から子どもの自信につながり、保護者に学習成果をアピールする機会にもなります。授業1日目は、何より子どもの背後に「心配している保護者」がいると思って授業に臨みましょう。初日の授業で、少しでも学びの成果を見せることができれば、保護者も安心し、その後の信頼につながります。

かるたを使って俳句やその作者を覚えよう

有名な俳句を使ったかるた「俳句カルタ・ルビン」を使って、楽しく俳句やその作者、季語などを覚えるのもよいでしょう。PDFファイルをダウンロードしたらカラー印刷をし、罫線に沿って切れば完成。かるたは手ではたくので、できれば厚手の紙に印刷するとよいでしょう。かるたは1セット約80枚、グループ分のセット数を用意しましょう。取り札には、読み札をそのまま使用します。

俳句カルタ・ルビン
俳句カルタ・ルビン

「俳句カルタ・ルビン」の手順
1.班などグループに分かれて、つなげた机にかるたを広げる
2.読み手が俳句を読み上げる
3.読み上げられた俳句と同じ札を見つけたら、「はい!」と元気に言って札を取る
4.早く札を取った子どもがその札を得ることができ、札が多い人が勝ち

最初は、先生が全体の読み手をして見本を見せましょう。読み札は、作者名→俳句の順で読みます。このかるたの背景には、作者の肖像画イメージが描かれ、作者によって色が違うので、慣れてくると、作者名が読み上げられた時点で、ある程度、札を絞ることができるしくみです。また、俳句の季語には、春はピンク、夏はブルー、秋は赤茶(下地に黄色)、冬は白といったように季節ごとに色が分かれています。読み手が作者に加えて「春」「秋」など季語の季節を読み上げるとヒントになり、かるたのテンポがアップします。また、ここで採用している俳句には、小学校・中学校・高校の教科書から頻出するものが使用されているので、中学・高校入試にも生かせるでしょう。

「俳句カルタ・ルビン」に慣れてきたら独自のルールをつくってもOK

松尾芭蕉のかるた
イラスト/畠山きょうこ

新学期スタートの授業でクラスメイトと一緒にゲームをすることで、学級づくりにもなります。「俳句カルタ・ルビン」のルールに慣れたら、子どもに読み手を任せたり、独自のルールをつくるのも楽しいでしょう。「松尾芭蕉。季語なし」と読み上げただけで、その俳句を取ることができる子ども出てくるでしょう。

【小四】触った感覚だけを頼りに点字で自分の名前を描く

点字の学習
点字の学習 イラスト/畠山きょうこ

四年生で習う点字について、学習方法を提案します。まず、教科書の点字表があるページを開き、どういう順番で点字が配置されているかを覚えさせます。その後、「自分の名前の点字の配置を、鉛筆で描いてみましょう」と子どもたちに呼びかけます。点字が見えないように教科書を閉じ、点字を手で触ります。指先の感覚と先ほど覚えた配置のみを頼りに、鉛筆で、自分の名前の点字の配置を描かせましょう。この体験の目標は、「正しく」描くことではなく、実際に使われている方法で点字に触れ、文字を読み取って自分で描いてみることです。普段使わない点字の学習により、子どもたちに「四年生では、これまでに習ったこととは違うことを学習するのか」と興味をもたせることができれば◎。その後の国語の学習に対する意欲につなげたいところです。

授業1時間目・指導の留意点

「はじめの3日間」だけですべてが決まるわけではない

“スムーズに授業を進めていくには、はじめの3日間が重要”だというたとえ、“黄金の3日間”という言葉を知っている先生は多いかもしれません。特に初任者の先生は、研修などで時間を割かれ、授業ができないこともあり、焦ることも多いでしょう。しかし、たった3日で、その後1年間の授業の明暗が決まるわけではありません。最初の授業で、これからどんなことを学んでいくのかをしっかり子どもたちに伝えることができれば、授業を軌道に乗せることができるのです。

ユニット学習で、1時間の集中力を維持する

子どもの集中力は最初に上がり、15分ほどでピークを迎えて低下していきます。 そこで、45分の授業時間を15分ずつの3分割にし、ユニットごとに学習内容を変えることで、子どもの集中力が維持されやすくなります 。例えば、国語なら前半は漢字や音読、中盤は教科書の学習、後半に本時のまとめにします。時間を分けることで、集中力が高い状態を繰り返すことができます。

赤ペンよりグレーのペンを使いましょう

授業や宿題で、子どもの書いたものに丸つけをするとき、間違った解答に対して赤ペンで訂正するのは避けましょう。赤ペンで×をつけたり、大きく直しを入れたりすると、子どもが傷ついたり、その直しを見た保護者からの不信感につながることがあります。訂正をする際には、 正しい答えを上からなぞって書くことができるグレーのペンを推奨します。丸つけの仕方も、子どものモチベーションを左右する重要な要素なのです。

授業開始1時間目にも、必ず教科書とノートを使う

子どもたちの中には、学校でその日に学習したことを、自宅で家族に話す子もいれば、うまく伝えられない子もいます。子どもから情報を得られない保護者は、教科書やノートを見て、どんな授業を受けたのかを知ろうとします。そのため、授業で学習したことは教科書やノートに書き、記録を残すようにさせましょう。特に初任者は、あらゆる部分が評価の対象になります。プリントやワークシートを使って授業をした場合も、必ずノートに貼らせましょう。それは本人が復習をする際にもノートだけを見ればいいので効率的です。また、授業の最後は、本時の感想をノートに書かせ、まとめるのもよいでしょう。授業でどんなことを学んだか、そしてどう思ったかがノートに書いてあれば、保護者も授業の様子を確認して安心することができます。

授業の感想を書いてみよう
イラスト/畠山きょうこ

教えていただいたのは

鈴木夏來先生
1974 年生まれ。公立小学校教諭、三浦市教育委員会教育研究所指導主事、学校教育課主幹(指導主事)を経て、現職。モジュール学習やカード・カルタによる自主学習、ICT教育、ユニバーサルデザインなどを得意分野とする。趣味は、オリジナル教材の開発。著書に『安心と安全指導のコツ』(ナツメ社) がある。

取材・文/浅海里奈・加藤隆太郎(カラビナ)

『教育技術 小三小四』2019年4月号より

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