保護者からのクレームに上手に対応する5つのポイント【動画】

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東京都公立小学校教諭

佐々木陽子

学級担任にとって悩ましい「保護者からのクレーム」ですが、基本的な対応策を心得ておけば安心です!教育技術本誌でもおなじみの佐々木陽子先生が、保護者からのクレームに上手く対応するために知っておきたい5つのポイントをお伝えします。

1 保護者の話を受け止める

保護者からクレームがきたときの上手な対応の仕方について、ここでは、5つのポイントに絞って、シェアしていきます。

それでは一つめ。

「保護者の話をきちんと受け止める」ということ。

頷きながら、メモを取りながら、聞く

メモを取りつつ、頷きながら、しっかり聞いてあげましょう。

保護者は、心の中に積もり積もったものをついに爆発させて、担任のところにやってくる場合が多いものです。

先生もつられて感情的にならないようにして、まずは、

どこにクレームがあるのかを詳しく聞く!

一つひとつ詳しく、どんな不満があるのかを詳しく聞きます。

2 保護者に謝罪をする

2つめのポイントは、「謝罪をする」ということ。

何について謝罪をするかというと、

嫌な思いをさせてしまったこと
不信感を抱かせてしまったことについて謝罪する

「嫌な思いをさせてしまったこと」、「不信感を抱かせてしまったこと」について、謝罪をするのです。

保護者会や学級通信で学級の様子を伝えたり、多少のトラブルがあったときにも 連絡帳などを使って対応したりしておけば、未然に防げたかもしれませんよね…。

とにかく、

申し訳ないという気持ちをしっかりと伝える!

「申し訳ない」という気持ちをきちんと伝えることが大切です。

3 事実を確認する

3つめは、「事実確認」。

学級内で、そのクレームに関する事実確認をします。

保護者からクレームを受けた当日は、しっかり話を聞き、謝罪をして、「次の日確認します」として、一旦終了となります。

次の日、学級で、

学級内で、クレームについての事実を確認する

実際にはどうなのか? ということを、

当該児童以外の子からも事情を聞いて、客観的に事実を判断

当事者以外の子からも事情を聞き、しっかりと調査をします。

×犯人探し
×圧力をかける
◎本当かどうかの事実確認

犯人探し、圧力をかけるといったことではありません。

当事者の子どもの言うことが事実なのかどうかの「確認」です。

4 「事実」と「方針」を伝える

4つめは、「対応策も含めて、事実の報告」をするということです。

子どもからは、事実と異なる話が出てくるでしょう。

自分を守りたいので、保護者には自分にとっていいことしか言わないことも多いのです。

まずは保護者に、

まず、確認した事実を伝える

周囲のクラスメイトに聞き取りを行って、しっかりと事実確認をしたことを報告します。

ここで大切なのが!

ただ、事実を淡々と述べるだけではなく、

担任として今後こうしていくという方針を伝える

「担任として今後どうしていくのか」という方針を。しっかりと伝えるということです。

例えば、二人の友達同士のトラブルの場合、子ども同士で話し合ってもギクシャクしてどうしようもない、といった場合がありますね。そんなときは、

例えば「距離をおいて、お互い違うグループで遊ばせます」

「違うグループで遊ばせます。様子を見て、大丈夫そうになったら、一緒に遊ばせるようにします」

「席が近いので、離して様子を見ます」

「席を離して、しばらく様子を見ます」

このように、

今後の対応策も含めて伝える!

今後の具体的な対応策を含めて、事実報告するようにしましょう。

5 アフターフォローをする

最後、5つめは、

「今後も、積極的に保護者とコミュニケーションを取る」です。

トラブルが収束したら一件落着、で終わりにしてしまいがちなのですが…

それではいけません!

保護者の方とは、

積極的に情報交換

積極的に情報交換をしてください。

特に、

クレームがあった保護者は不安になりやすい

このような保護者は、とても敏感です。子どものことが心配で仕方ないのですね。

学校公開や地域の行事などの機会があれば担任の方から声をかけて、子どものいいところをほめてるなどしてあげてください。

トラブルのことばかりを話すのではなくて、

日々の学習の様子や子どもの良いところを伝える

その子の日々の様子を伝えるのです。

そうすれば、

「見てくれてるんだな…。支えてくれてるんだな」と、担任の思いが伝わります。

すると保護者は、

視野を広くして
物事を見てくれるようになる!

視野を広くして、物事を見てくれるようになります。

ぜひ、

意識して声掛けをする!

意識して、声掛けをするようにしましょう。

「保護者のクレーム対応」について、5つのポイントに絞って流れを説明してきました。

そして何より、一番大切なのは、

悩みを抱えこまない

一人で悩みを抱えこまないことです。

周囲の先生方や管理職に相談して、対応の仕方や解決策を練るようにしましょうね。


担任が子どものためを思う気持ちが伝われば必ず、こわばった保護者の気持ちもほぐれてくるはずです。


佐々木陽子先生プロフィール写真
佐々木陽子先生

小学校教諭。著書に『クラスがまとまる!小学1年生学級づくりのコツ』(ナツメ社)、『子どもの心をガッチリつかむ!とっておきの教室トーク&学級経営ネタ60』(明治図書出版)ほか。一児の母。

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