学習指導案の書き方:簡略化フォーマットで教師の苦痛を軽減!


冒頭のアンケートの通り、指導案を書くのがつらい、という先生も多いのではないでしょうか。
多くの学校で「指導案」に苦しむ教師たちを見てきたという多賀一郎先生が、現代の事情に合ったカタチの新しい指導案のフォーマットを提案してくれました。
執筆/追手門学院小学校講師・多賀一郎
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目次
OJTが成り立たなくてもできることを考える
今、学校現場では時間がありません。教師には余裕がありません。いくつかの現場では、研究授業の学習指導案を書くことそのものが億劫になっているようです。
もちろん意欲的に指導案に取り組み、それが楽しくてやりがいとなっている教師もいます。学習指導案の教材観、児童観、指導観をしっかりと書くことで、授業の質を高め、授業力を向上することができるのですから。
しかし、指導案が苦痛だからと、研究授業を避けようとする教師たちもたくさんいるのが実態です。
さらに、今の現場は中堅教師が少なく、若手ばかりの年齢構成となっています。半分以上が30代前半までという学校も珍しくありません。それではOJTが成り立たず、若手に学習指導案を指導できません。
一部の学校では、教材観や児童観などを簡略化した指導案を使い始めています。しかし、その内容をよく見ると、五年生でこれまでに学んできた教材を羅列したり、指導書からそのままコピペしたりしたようなものが見かけられます。それでは、子ども理解や教材への解釈を深めたりすることなど、到底及びもつかないのです。
簡略にしても意味のある指導案を
様式は簡略化していても、その作成を通して子ども理解が深まり、教材の見方も広がるような指導案の書き方があればよいのではないでしょうか。そうすれば、現場の研究授業へのハードルも下がり、小さなステップではあっても、研究授業をする意味が高まるだろうと考えて、雛型を作ってみました。
練り込んだ学習指導案がよいことは間違いありません。
しかし、現状から考えて、負担が少なくて実のあがる指導案を模索するという考え方もあってよいのではないでしょうか。
ここでは、国語の学習指導案を例にして、児童観、教材観、指導観が少しステップアップできる、簡略指導案というものを提言したいと思います。