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給食指導は学級経営の縮図!感謝の気持ちを育てる時間にしよう【学級経営1年間の見通しと毎月のアイデア#6】

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若手先生の航海図~学級経営1年間の見通しと毎月のアイデア~
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内田仁志

4時間目が終わり、ほっと一息。その瞬間、教室は一気にざわつきます。実は、給食の時間ほど「学級の実力」が出る場面はありません。給食は休憩ではなく、学級経営の縮図です。整うクラスは、給食も整っています。荒れるクラスは、給食で崩れます。給食は休憩時間ではなく、立派な指導の時間ととらえましょう。今回は給食を「指導の時間」にするための具体的なポイントを紹介します。

若手先生の航海図|学級経営1年間の見通しと毎月のアイデア バナー

執筆/環太平洋大学准教授・内田仁志

 給食は4時間目の終わり方で決まる

給食は、4時間目の空気をそのまま引きずります。授業が長引けば長引くほど、給食の準備時間が削られて、荒れの原因となってしまいます。

ここでよくある失敗例を紹介しましょう。

ついつい4時間目の授業に熱が入る

4時間目終了の時間が迫っているのに説明がまだ終わらない。しかも説明が佳境に入っている。教師としては時間が過ぎても説明は終わらせたいものでしょうが、子どもたちはどうでしょう。子どもたちの集中力は「鐘とともに去りぬ」です。
時間が来たらたとえ途中でも教師の話は終えるようにしましょう。

4時間目が体育

4時間目が体育の授業は要注意です。「着替えが終わらない」「汗をかいて落ち着かない」「次の活動への切り替えが遅れる」など、条件が重なると、給食準備は一気に慌ただしくなります。可能であれば、時間割の段階で4時間目に体育を入れない配慮も必要です。難しい場合でも、授業の終わりを意識的に早めに切り上げるなど、給食に向かうための「余白」を確保することが大切です。

給食は、授業の延長線上にあります。4時間目をどう終えるかが、そのまま給食の時間の質につながると考えましょう。

動きはルーティン化する

給食が荒れるクラスには、必ず“あいまいな動き”があります。給食指導を安定させるために欠かせないのが、動きのルーティン化です。

毎日同じ流れで動けるようにすることで、教師の指示を減らし、学級全体を落ち着かせることができます。

給食当番のルーティン

給食当番の動きは、できるだけ単純にします。

4時間目の授業終了後、まず手洗いを済ませ、エプロンを着用します。その後、並んで給食室まで移動します。この移動中は無言を原則とします。目的は統制ではなく、安全と配膳ミスの防止です。

給食室から戻ったら、すぐに配膳に入ります。

当番でない子たちの動き

給食当番でない子たちにも、明確な役割を与えます。

授業が終わったら、簡単に教室を整えます。ゴミが落ちていたら拾う程度で十分です。その後、手洗いを済ませ、自分の席で静かに待ちます。この時間に他の作業はさせません。

当番の子がいない間に教室を整えて待つことも、給食準備の大切な役割です。

配膳開始時の約束

給食当番が戻ったら、配膳を始めます。ここでは次の点を大切にします。

  • 惣菜は、足りなくならないように盛り付けます。少し余るくらいがちょうどよいでしょう。
  • もし、一人当たりの数が決まっている惣菜を落としてしまった場合は、まず教師の分で補充します。
  • 最初は、好き嫌いに関係なく、全員に等分に盛り付けます。

「いただきます」後に気をつけるべきこと

配膳が終わり、給食当番が席に着いたら「いただきます」をして給食を始めます。
給食は単に食事をする時間ではなく、健康・文化・社会性を学ぶ大切な教育の時間でもあります。ぜひみなさんも、給食の意義についてご理解をいただき、子どもたちに伝えてほしいと思います。
給食の教育的な意義とは、以下の3つです。

①健康な身体を作ること
給食の献立は、成長期の子どもが必要とする栄養素をバランスよく、美味しく食べられるよう工夫されています。全部食べられればそれにこしたことはないのですが、食品アレルギーと偏食には配慮してあげたいですね。すでに判明している食品アレルギーを持つ子への配慮はもちろんですが、アレルギー症状はある日突然出ることもありますので、給食後の子どもたちの体調にもアンテナをはっておきましょう。また、子どもによっては、どうしても食べられないおかずがあります。かつては嫌いなものでも無理に食べさせる指導が行われていましたが、それは強制であり教育とは言えません。食べられない場合は量を減らし、「一口味わってみよう」程度の声かけが適切でしょう。
また、給食の献立には食物繊維やデンプンなど、よくかんで食べなければ胃腸に負担をかけたり、十分に消化できなかったりする食材も多く含まれています。早食いせず、よくかんでゆっくり食べることを推奨しましょう。

②食文化を学び継承すること
四季を通しての旬な食材や、ひなまつり、節分、冬至などの行事にちなんだ行事食。給食には、日本の豊かな食文化を感じられる配慮がなされています。また、後述する「いただきます」の習慣や食器を洗う人のことを考えた片付けなど、感謝の気持ちを行動であらわす日本人らしい精神性も、給食を通して学ぶことができます。

③社会性を学ぶ場であること
みんなと同じ料理を取り分け、同じ時間を共有して食べる給食は、人と人のつながりを強く感じられる団らんの場です。かつて黙食が推奨されていた時期もありましたが、友だちと大いに語り合いながら楽しく食べて、社交性を養ってもらいたいものですね。食べ物を単なる消費財ととらえず、一緒に食べる時間をも分かち合っているのだ、という意識が大切です。自分だけ多く盛り付けたり、さっさとおかわりをするようなことは抑制し、おかわりはみんなが食べ終わった後に手を挙げて…などの配慮をしましょう。

「平等」と「公正」を考える ~「合理的配慮」と「形式的配慮」

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