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小5国語科「ひみつの言葉を引き出そう」全時間の板書例&指導アイデア

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国語科 令和6年度版 新教材を活用した授業づくりー文部科学省教科調査官監修の実践提案ー
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文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」
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大塚健太郎

文部科学省教科調査官の監修のもと、令和6年度版からの新教材、小5国語科「ひみつの言葉を引き出そう」(光村図書)の全時間の板書例、教師の発問、想定される子供の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。

小五 国語科 教材名:ひみつの言葉を引き出そう(光村図書・国語 五)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/東京都西東京市立けやき小学校校長・前田 元
執筆/東京都板橋区立北野小学校・髙桑美幸

1. 単元で身に付けたい資質・能力

本単元は、言葉には相手とのつながりをつくる働きがあることに気付き、相手の意図を汲みながら話をしたり聞いたりする力を養うことを目指しています。
ここでは、グループでの会話を通じて相手から特定の言葉(ひみつの言葉)を引き出すゲーム形式の学習を行うことで、楽しみながら「話す・聞く」の力を高めていくことをねらっています。
言葉を使ったコミュニケーションを楽しんだり、児童の実態に応じてルールを工夫したりすることを通して、1年間の国語科の学習への意欲が高まる姿も期待したいところです。

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

本単元では、グループの中の一人が「ひみつの言葉」の書かれたカードをもち、他のメンバーが会話を通じてその言葉を相手に言わせるという、ゲーム形式の言語活動を設定しました。
この活動は、単なる言葉遊びにとどまらず、言葉には「相手とのつながりをつくる働き」があることに気付き、話し手の目的や自分の意図に応じて会話を調整する力を養うことを目的としています。4月、高学年の入り口に立つ児童が言葉を介して相手の心に働きかける面白さを実感できるような、即興性の高い活動であるといえます。

この活動において重要なのは、どのような言葉を「ひみつの言葉」に選ぶかということと、会話の内容の工夫です。児童は「ひみつの言葉」として気持ちや様子を表す言葉をカードに書き込みますが、ここでは「うれしい」「びっくりした」といった、日常会話に現れやすく、かつ話し手の感情を引き出すような言葉を選ぶよう促します。カードをもたないメンバーは、闇雲に会話を続けるのではなく、「どうすれば相手がその言葉を口にしたくなるか」という明確な意図をもって会話に臨む必要があります。
相手の生活の中の最近の出来事を聞き出したり、自分のエピソードを先に話して共感を誘ったりするなど、目的を達成するための戦略的な思考が求められます。

また、2分間という限られた時間の中で、相手の表情や反応を読み取りながら、話題を広げたり深めたりする柔軟なやり取りも必要です。一方的に問い詰めるのではなく、適切なあいづちを打ったり、相手の発言を肯定的に受け止めたりすることで、相手が安心して話すことのできる場を構築することが不可欠です。この過程を通して、児童は「相手を尊重する聞き方」が、結果として自分の意図した方向へ会話を導く鍵になるという、言葉の互恵的な側面に気付くこともできます。

この言語活動の最大の目的は、生きた会話の中で言葉の働きとコミュニケーションの楽しさを体感することです。あえてゲーム性を意識した設定にすることで、児童が夢中になって話し、聞くことができ、無意識に相手との距離を測ったり、言葉を選び取ったりする経験を積ませることを目指しています。
また、活動後の振り返りにおいて、成功した工夫や相手に言われてうれしかった言葉を共有することで、自分の話し方や聞き方の特徴を客観的に捉え直すこともできます。
この活動を通して得た、相手の反応に応じながら意図をもって会話をつなぐ力が、今後の学級生活や他教科における話合いの場をより豊かなものにすることを願って、この言語活動を設定しています。

4. 指導のアイデア

児童の実態によっては、意図をもって会話を調整することに難しさを感じる場合も考えられます。そこで、まずは教師によるモデルを見せることが大切です。教師同士、あるいは児童と協力して、「強引に聞き出そうとして失敗する例」と「相手の反応を見ながら自然に引き出す例」を紹介することで、児童は望ましい話し方やあいづちの打ち方の具体的なイメージをつかむことができます。これにより、学習のゴールイメージをもち、活動への意欲を高めることをねらいます。

また、本活動を円滑に行うためには、適切な語彙の提示が重要となります。カードに書く「ひみつの言葉」が思い浮かばない児童のために、あらかじめ「うれしい」「くやしい」といった感情を表す言葉や、「どんどん」「きらきら」といった様子を表す言葉のリストを用意しておくとよいでしょう。
教科書巻末の「言葉のたから箱」を活用することも考えられます。本単元においては1学年~2学年下あたりのものを提示するとよいでしょう。

さらに、ICT機器を活用する場面を用意しておくことも考えられます。タブレットの録音・録画機能を使って自分たちの会話を記録し、後から見直すことで、「どのタイミングでひみつの言葉が出たのか」「相手が話しやすそうにしていたか」等の観点から活動を振り返ることができます。
また、全体での振り返りの場面でうまくいったグループの動画を共有することで、効果的な質問のしかたをクラス全体で学び合うことができ、支援の必要な児童にとっても具体的な手だてを理解する助けとなります。

活動が終わった後にも学びが継続するよう、会話の中で発見した「相手を笑顔にする言葉」や「話が弾むあいづち」といった言葉を、教室内に掲示することも効果的です。その場だけのゲームで終わるのではなく、日常の休み時間や学級会など、他者と関わるあらゆる場面において、本活動で学んだ、「相手を思いやりながら、意図をもって会話をつなぐ力」を活用できるよう工夫するとよいでしょう。

5. 単元の展開(1時間扱い)

 単元名: ひみつの言葉を引き出そう

【主な学習活動】
第1時 
① 教科書18ページと19ページを読み、活動のしかたを確かめる。
②「ひみつの言葉」を決め、会話をする。
③ 活動を振り返り、感じたことを交流する。〈 端末利用(1)〉

6. 全時間の板書例・端末活用例と指導アイデア

【 1時間目の板書例 】

イラスト/横井智美

令和6年度からの国語科新教材を使った授業アイデア、続々公開中です!

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