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「理想の教師には誰もなれない、でも理想の教師になろうとすることは誰にでもできる」と教わった【「授業準備が間に合わない!」ピンチから学んだ授業づくり/先輩教師の体験談#3】

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「授業準備が間に合わない!」ピンチから学んだ授業づくり【先輩教師の体験談】
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授業準備が間に合わない!

体調不良や様々な校務・雑務などにより「授業準備の時間を確保できない……」という状況に直面したことのある先生も多いはず。本連載は、そんなときにベテランの先生方はどのように対処してきたのか、成功例そして失敗例を赤裸々に語っていただく体験談集。今回は神奈川県横浜市立大豆戸小学校主幹教諭・松永裕司先生の体験談の後編を紹介します。

松永裕司先生の体験談(前編)「1年生の補欠授業を当日に依頼されました!」はこちら

体験談③ 子供からの提案で急遽「話合い」を実施。合意形成にヒヤヒヤ…

教室で飼っていた亀が死んでしまい、「話し合いたい」と提案された

4年生の担任だったとき。ある朝学校へ行くと教室で飼育をしていた亀が死んでしまっていました。子供たちは日ごろからその亀を「こうらくん」と呼び、とてもかわいがっていたので、「どうするか話し合いたい」と言い出しました。

ちょうど特別活動に力を入れていたこともあり、何かクラスで問題が起きた時には、「話合い」を行う風土ができていたこともあります。だた、いつも話合いをするときには、もっとその活動がよりよくなるために、題材の選び方を含めもう少し時間をかけて準備をして臨んでいました。しかし、その日は子供たち自身が今すぐ解決しなくてはいけない問題だと考えていたようだったので、私もチャレンジしてみようと思いました。

そうはいっても、あまりにも急なことだったので、子供たちには「とても大切なことだから、生き物係はどうしたいのか考える時間をとったら?」と伝えました。そして、明日話合いを行う時間をつくることを提案し、子供たちも了承してくれました。

横浜市の特活のやり方に沿って、話合いのベースとなる「原案」を作成

その日の放課後、私も入りながら、提案してくれた子供たちと話合いの基となる「原案」を作成しました。横浜市では、特別活動で話合い活動を行う際には、事前に「原案(企画書)」を作成・提示し、それをベースに学級全員で話し合い、合意形成を行う「原案方式」を取り入れていました。

原案には次のことを盛り込みました。

提案したいことは、みんなで「こうらくん」にさようならをする
やり方は生き物係に任せる
みんなで考えたいことは、「新しい亀を飼うかどうか」
生き物係としては、「こうらくん」に変わる亀はいないから、一旦生き物は飼わない(当時は中庭にたくさんの亀がいて、教室ならそれらを飼ってもよいことになっていました)。

この原案を基に、司会や副司会、板書などの役割の子供たちを交え、提案理由やめあても決めて事前に意見を集約、横浜市の特活のやり方を大切にしながら話合いの準備をしました。

次の日の話合いでは、生き物係の意見に賛成が多かった一方で、なかには新しい亀を飼いたいという子供たちもいました。

最終的に「こうらくん」という亀がみんな好きだったという話になり、生き物係が「こうらくん」を画用紙等で作り、それを大事にしたり、思い出したりすることにする、という合意形成に落ち着きました。

構成/出浦文絵
イラスト/藤井昌子
企画/小学館インクリオ

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