小1生活「がっこうたんけんたい」指導アイデア
執者/神奈川県公立小学校指導教諭・荒木昭人
編集委員/文部科学省教科調査官・渋谷一典、神奈川県公立小学校校長・二宮昭夫
目次
期待する子どもの姿
【知識及び技能の基礎】
学校での生活はさまざまな人や施設と関わっていることに気付く。
【思考力、判断力、表現力等の基礎】
学校の施設の様子や学校生活を支えている人々や友達、通学路の様子やその安全を守っている人々などについて、自分との関わりを考える。
【学びに向かう力・人間性等】
学校の施設の様子や学校生活を支えている人々や友達、通学路の様子やその安全を守っている人々などに関心をもち、楽しく安心して遊びや生活をしたり、安全な登下校をしたりしよ うとする。

子どもの意識と指導の流れ
こんな声や姿を学習につなげたいですね。

○がっこうには だれが いるかな? なにが あるかな?
●学校探検に行くという目的意識をもつ。


目指したい子どもの姿・気付き

○がっこうたんけんを して、がっこうと なかよくなろう。
●学校探検に行く。

目指したい子供の姿・気付き

○たんけんたい さくせんかいぎを しよう。
●次に探検したいところや会いたい人について話し合う

目指したい子供の姿・気付き

○がっこうの そとも たんけんしてみよう。
●通学路探検に行く。

目指したい子供の姿・気付き

○たんけんほうこくかいを ひらこう。
●学校探検で見付けたことを 友達に伝える。

目指したい子供の姿・気付き

活動のポイント1
人との関わりを通して、学校生活に対する安心感をもたせる
スタートカリキュラムの中で、少しずつ学校に慣れてきた子どもたちですが、学校生活への不安がまだ残っている子どももいるでしょう。学校探検で多くの人たちと関わることを通して、安心感をもたせましょう。
○ 全教職員間で学校探検についての目的の共通理解を図り、活動のねらいを達成できるようにする

○ 多様な関わり方を通して、安心できる関係を創り出す
司書の先生の読み聞かせ

保健室の先生へのインタビュー

作業員さんや事務の先生と握手

活動のポイント2 気付きの質を高める
生活科は、身近な環境と直接関わる活動や体験の中で生まれる気付きを大切にします。学校探検を行う中で、気付きが生まれ、その質が高まるような多様な活動を行ったり、手立てを講じたりすることが大切です。
○多様な活動を通して気付きを促す
見付ける
▷教師の発問

▷子どもの反応例
- 音楽室でお姉ちゃんたちが勉強していたよ。いろいろな楽器があったよ。触ってみたいな。
- 事務室の先生に会ったよ。画用紙やテープが足りなくなったら来てね、って言ってくれたよ。
比べる
▷教師の発問

▷子どもの反応例
- 校庭がものすごく大きくて、びっくりしたよ。
- 校長先生と園長先生のお仕事は似ているよね!
例える
▷教師の発問

▷子どもの反応例
- 桜の花が雨みたいだなって思ったよ。
- 下に落ちている桜の花がじゅうたんみたいに見えて、きれいだったよ。
○ 「なりきる」 活動を通して気付きを促す
•探検隊グッズを活用する。
双眼鏡・虫眼鏡

探検隊秘密マップ

探検バッジ

自作のものでもいいですね。
•活動にも「探検隊」 であるということを反映させる。
探検隊作戦会議

探検報告カードをかこう

活動のポイント3
他教科・他単元等と関連させながら学びを深める
スタートカリキュラムで行った合科的・関連的な指導を、意図的に行っていきましょう。他教科等との関 連的な指導は、資質・能力の育成に大変有効です。低学年の子どもが人・もの・ことを一体的に捉えるという実態にあることや、幼児期における教育で、遊びを通した総合的な学びをしていることがその理由です。
○各教科等の学習との関連を図り、学びを深める
国語

算数

道徳

イラスト/熊アート
『教育技術 小一小二』2019年5月号より