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小5国語科「和の文化を受けつぐ―和菓子をさぐる」全時間の板書&指導アイデア

特集
文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」
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大塚健太郎

文部科学省教科調査官の監修のもと、小5国語科「和の文化を受けつぐ―和菓子をさぐる」(東京書籍)の全時間の板書例、教師の発問、想定される子供の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。

小五 国語科 教材名:和の文化を受けつぐ―和菓子をさぐる(東京書籍・新しい国語  五)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/山梨大学大学院教授・茅野政徳
執筆/大阪府大阪市立本田小学校・池上智希

1. 単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、筆者が考える「和の文化を受けつぐ」ということを捉えたうえで、インタビュー記事などの他の情報を重ね合わせ、自分の考えをまとめる力を育てることを目指します。

自分の考えをまとめるためには、まず筆者の考えを捉えることが大切です。そのためには、これまで身に付けてきた文章の構成を捉える力や要旨を捉える力を生かして読むことが必要です。
また、他の資料と関連付けて読むことで、自分の考えを深めたり広げたりすることができるようにします。

この単元での学びは、次の「和の文化を発信しよう」という書くことの単元へとつながります。

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

本単元では、「『文化を受けつぐ』ということについて、自分の考えをまとめよう」という言語活動を設定しました。筆者の考えを捉えたうえで、他の資料と関連付けて読むことで、自分の考えを広げたり深めたりすることができるようにします。

筆者の考えを捉えるためには、まず文章全体の構成を捉えることが大切です。
本教材では、①和菓子の歴史、②和菓子と文化との関わり、③和菓子と支える人との関わり、という三つの観点から、和菓子が長い間受け継がれていることが説明されています。この三つの観点と結論部分とのつながりを丁寧に読むことで、筆者の考えを捉えます。

また、説明文の筆者である中山圭子さんの筆者像を描くことも大切です。筆者がどのような人物で、どのような立場で自分の考えを述べているのかを意識しながら読むことで、より納得しながら筆者の考えを捉えることができます。

その後、資料であるインタビュー記事の内容と、捉えた筆者の考えとを関連付けて読みます。インタビュー記事と本教材の共通点や相違点を考えながら読むことで、「和の文化を受けつぐ」ということについて考えを広げたり深めたりしながら、自分の考えをまとめられるようにします。

4. 指導のアイデア

ゴールイメージを共有し、学習の見通しをもつ

「何のために読むか」「どのような学びを通して、どのような力を身に付けるのか」といったゴールイメージを子供と共有することが大切です。
本単元のはじめには、「『文化を受けつぐ』ということについて、自分の考えをまとめる」という学習のゴールを子供たちと共有します。

ゴールイメージを明確にするために、まず子供たちと「何をどのように読めばよいか」ということを共通理解します。「読むこと」の前単元では、文章の構成や要旨を捉えることを学習しています。そうした学びや4年生までの学習経験を想起することで、筆者の考えを読み取るための見通しをもてるようになります。

また、教科書には資料としてインタビュー記事が掲載されています。そのことを伝えたうえで、資料と関連付けて読むことのよさについて考えます。
子供たちからは「一つの文章からは分からないことが分かる」「本文やインタビュー記事の考えを比べることで、より理解できる」といった意見が出ることが予想されます。こうした気付きを基に、複数の資料と比較しながら読むことで、自分の考えを広げたり深めたりすることができることを意識していきます。

この単元は、次の「書くこと」の単元である「和の文化を発信しよう」につながりがあることを伝えます。それによって、目的をもって読むことができるでしょう。

筆者像を描き、筆者の考えを捉える

第一次では教材文を読んだうえで、「中山さんはどのような人なのか」と問い、筆者である中山圭子さんの筆者像を描きます。
子供たちからは「和菓子が好きな人」「和菓子のことをいろいろな人に伝えたい人」といった意見、また、題名から「和菓子だけではなく和の文化を大事にしている」といった意見も出ることが予想されます。
教材を読み進めていく中で、中山さんの筆者像をより鮮明にしていくことを子供たちと確認します。
筆者がどのような人物なのかを考えながら教材を読むことで、より納得感をもって筆者の考えを読むことができると考えます。

第二次では、筆者の考えを捉えるために文章全体の構成を整理していきます。本教材は①段落が序論、②~⑮段落が本論、⑯⑰段落が結論となる尾括型の構成です。

本論では「和菓子は、どのようにしてその形を確立していったのでしょうか。」「和菓子の文化は、どのような人に支えられ、受けつがれてきたのでしょうか。」という二つの問いが提示されています。
問いの回答として歴史、文化、支える人との関わりが述べられていることから、本論を三つに分けることができます。

結論は二つの段落からなるため、どちらの段落が筆者の最も伝えたいことであるかを考えます。題名や本論の内容と関連付けて読むことで、⑰段落が筆者の最も伝えたいことであり、筆者である中山さん自身もまた「和の文化を受けつぐ人」であることに気付けるようにします。

資料と関連付けて、自分の考えをまとめる

筆者の考えを捉えることができたら、資料であるインタビュー記事を読みます。
この資料は、主教材「和の文化を受けつぐ」の本論の三つ目の観点である「支える人」のうち、⑬段落の「和菓子を作る職人たち」と関係しています。ビル・リオングレローさんの感じてきた苦労や和菓子作りの奥深さ、和菓子への思いなどが書かれているため、「和の文化を受けつぐ」ということをより具体的に捉えることができます。
主教材とどのように関連しているのかを考えながら読むことで、自分の考えをより広げたり深めたりすることが出来ると考えます。

5. 単元の展開(6時間扱い)

 単元名:「文化を受けつぐ」ということについて、自分の考えをまとめよう

【主な学習活動】
・第一次(第1時
① ゴールイメージを共有し、学習の見通しをもつ。
 ・全文を読み、筆者である中山圭子さんはどのような人物なのかを考え交流する。
 ・「『文化を受けつぐ』ということについて、自分の考えをまとめる」ことを伝え、既習事項を基に「何をどのように読むのか」について全体で共通理解する。

・第二次(第2時第3時第4時第5時
②③ 文章の構成を整理する。
 ・文章全体を「序論」「本論」「結論」のまとまりに分ける。
 ・本論に書かれている三つの観点を整理する。
④ 筆者の考えを読み取る。
 ・三つの観点と結論とのつながりから筆者の考えを読み取る。
⑤ 教材文と資料とを関連付ける。
 ・教材文と資料が関係しているところを見つけ、どのようなことが詳しく分かるのかを考える。

・第三次(第6時
⑥「文化を受けつぐ」ということについて、自分の考えをまとめる。〈 端末活用 〉

全時間の板書例と指導アイデア

【1時間目の板書例 】

イラスト/横井智美

令和6年度からの国語科新教材を使った授業アイデア、続々公開中です!

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