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通知表所見作成、8割強が時間外に2週間以上【みん教総研アンケート】〈277人の声が集まりました〉

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「みん教総研」で実施した「通知表」にまつわるアンケートでは、回答者の8割を超える方が2週間以上の時間外勤務によって通知表所見欄の作成をおこなっている実態が明らかに。効率化のため、下書きや文字数調整にAIを活用する教員も多く存在していました。教員の過重労働が社会課題になっている中、一人ひとりの子供の伸びを伝える手段も、時代に合った形が求められています。

【調査概要】
■調査期間:2025年11月25日~12月15日
■調査機関:自社調査。Webメディア「みんなの教育技術」でのアンケート調査
■有効回答数:277人

※本アンケートでは、回答者の負担軽減のため設問を任意回答としています。そのため、設問ごとの有効回答数は異なります。

回答者は、現場の担任・特別支援を中心とした教員層

教員歴を教えてください

教員歴は1~3年目の若手から31年以上のベテランまで幅広く分布していますが、11年以上の教員歴を持つ中堅・ベテラン層の回答が比較的多く見られました。現場経験を積んだ教員の実感が多く反映された結果となっています。

現在のお立場は?(兼務の場合は主たる業務)

学級担任からの回答が多い一方で、特別支援学級担任や通級指導教室担当など、特別支援に関わる立場の教員からの回答も多く寄せられました。日常的に個別対応や記録業務を担う教員の声が多く含まれています。

〈その他の回答より〉

・大学教員
・拠点校指導教員
・通級指導教室担当

多くの学校で、通知表と所見を今も継続して運用している

Q.現在の勤務校で、通知表について当てはまるのはどれですか?

通知表の有無について尋ねたところ、「通知表があり、所見欄もある」と回答した教員が大多数を占めました。「所見欄がない」「通知表がない」といった学校は少数にとどまっており、学期末になると先生方は、クラス一人ひとりの学校内での様子を、時間をかけて記述をしていきます。この作業があるかないかだけで、業務負担に大きな違いが出るのではないかと推察されます。

通知表作成は短期間では終わらず、業務負担が集中している

通知表の作成全体にかかる期間は?

「2週間程度」「3週間以上」と回答した教員が多く、通知表作成が短期間で完結する業務ではないことが示されています。学期末の限られた期間に、まとまった作業時間を要している実態がうかがえます。

通知表に関わる作業のうち、最も負担感が大きい(時間を要する)のはどれですか?

最も多く挙げられたのは「所見の記入」でした。成績の集計や入力作業と比べても、文章作成に多くの時間と労力が割かれている状況が読み取れます。

〈その他の回答より〉

・初任者など経験の浅い教員の文章の直し。細かいことは言いたくないが、直さないわけにはいかない文章も多い

通知表作成を勤務時間外で行うことがありますか?

ほとんどの教員が「ある」と回答しており、通知表作成が勤務時間内だけでは完結していない実態が明らかになりました。時間外での作業が常態化していることがうかがえます。

所見作成では、時間だけでなく精神的なプレッシャーも大きい

通知表を書く際、次のようなプレッシャーを感じますか?(複数回答可)

作業量の多さや期日までに書ききれるかという不安に加え、表現の制限、管理職や同僚との評価観の違い、保護者の反応への不安など、複数のプレッシャーを感じている教員が多く見られました。所見作成が精神的な負担にもなっていることがうかがえます。

〈その他の回答より〉

・通知表画面へデータがうまく飛ばないなどシステム間の不備
・教育上の言葉表記便覧との照らし合わせ
・確認作業

効率化への期待が高まる一方、所見不要論も浮かび上がる

通知表づくりを効率化するサービスがあるとしたらどんな機能を期待しますか?(複数回答可)

所見文案の生成や誤字脱字チェック、学習記録の自動集約といった機能への期待が多く挙げられました。一方で、「そもそも所見を書かなくてよい」「所見欄をなくしてほしい」といった意見も見られ、制度そのものへの疑問も浮かび上がっています。

〈その他の回答より〉

・そもそも所見を書かない
・所見欄をもっと短くするあるいは削減する
・廃止の支援

すでに通知表業務の効率化に役立つと感じたツール・仕組みがあれば具体的に教えてください

・GoogleのGeminiを用いて誤字脱字や表現のおかしい箇所がないか添削してもらう。どうしても指定字数の文に直せないときに、書きたいことを羅列し、文章を生成してもらい、参考にする
・てんまる(得点集計・個人別診断ソフト)に入っている教科ごと、活動ごとの所見文例
・AI機能を使って所見を書いている。その子の成長を箇条書きで記入し、条件をつければ80%くらいの完成度で文章を作ってくれる。あとは直すだけ
・AIで誤字脱字や文章の不自然さ、校内の表記ルールチェックを行う
・自作のエクセルで、文字数をカウントしたり、規定の文字数に到達したら色が変わったりするものを用意しています

ChatGPTなどの生成AIを活用しているという回答が多く見られました。文案作成や誤字脱字のチェックなど、補助的な用途でAIを取り入れている教員が増えていることが分かります。

工夫を重ねながらも、通知表のあり方を問い直す声が多く寄せられた

通知表作成について、あなた自身(または勤務校)で工夫・改善していることは?

・算数科では、思考力を問う学習の場合、よい考え方をした児童を書き留めておく。 国語科の物語教材では、吹き出しに人物の気持ちを書かせる。 学校としては、善い行いをした児童を全職員で見取り、そのことをパソコンで入力し、担任に知らせている
・所見の字数が足りない、余るときにチャットGPTを使って、調整している。 総合的な学習の時間のまとめなどをオクリンクプラス(協働学習アプリ)やGoogleアプリを使っているので、PC上で児童の作品や感想などを確認できるようにしている
・日々の授業で素敵だと思ったことを名簿にメモしているので、成績作成期間が打ち込み作業だけで済んでいる
・本年度からTe-Comp@ssを使用しての作成になりました。作業に慣れ、効率化できるかはこれから検討に入ります。現在は、前年度との違いが大きく戸惑いの声が多いですが、作業や日々の記録方法の見直しができれば、効率化できるのではないかと考えています
・できるだけ児童に振り返りを書かせて記録している。その中から成長が見られる記述や、特筆すべき記述を都度マークしておき、所見や面談に活用できるようにしている

学校単位では、「事務処理日を設ける」「懇談の内容を所見に替える」など、個人単位では、業務効率化の視点からの工夫として「AIによる下書き作成や文字数調整」「日頃からメモを蓄積」「児童の振り返りを活用」「とにかく早く着手」「要録と通知表の内容を合わせる」などの声があがる一方、一部には「児童の自己肯定感が上がるように書く」「手紙を書くように時間をかける」という声もありました。

その他、ご意見・ご要望があれば自由にご記入ください

・通知表作成は、学校のPCでしか作成できないため、休日出勤しての作業になる。 平日は、ほかの仕事で時間がほとんどとれない。 とても負担に思う。特に、道徳や総合的な学習の時間の所見は必要性を感じないのでなくしたいと強く思っている
・学校によって制約が大きく違い戸惑う。今年異動した学校では、表現で「しっかりと」「丁寧に」「素晴らしい」ほか数々の表現がNGとされ、どの通知表も大きくバッテンをつけられて返された。人格まで否定された気分になり、機械的なスタンプ表現通知表がよしとされているので、一気にどうにでもなれと投げやりな気持ちになった。子どもの良さを生き生きと保護者や本人に伝えてこそと思っていたのに、何ともやりきれない
・通知表の作成には莫大な時間と労力がかかること。それに対して親の通知表への思いは薄く、軽く扱われる。作業量が見合っていない。早急な改善を望んでいます。このままでは現場の教員は疲弊を増していきます
・年2回の個人懇談があるので、通知表に所見は必要ないと思っています
・通知表の作成に時間をかける時間を授業準備の時間に充てたい

所見や通知表の簡素化・廃止を求める声や、国や自治体による明確な指針を求める意見が多く寄せられました。通知表のあり方そのものを見直す必要性を感じている教員が少なくないことが読み取れます。


いかがでしたか。通知表所見についてはさまざまな考えがありますが、子ども一人一人に学習の過程や成長を伝えるという役割が、通知表所見の形でなくては果たせないものなのかは議論の余地がありそうです。学校全体の最重要課題を見直し、そこから逆算した手段を考えてゆけるとよいかもしれません。ぜひ、新年度に向けて話題にしていただけたらと思います。

今後も「みん教総研」のアンケートを通じて、教員の働き方や教育現場の課題に向き合い、教員のQOL向上につながるヒントを多角的に探っていきたいと考えています。

文/みんなの教育技術編集部

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