小6家庭科 「持続可能な社会のために」

今回は、「持続可能な社会のために」の授業実践を紹介します。自分の生活と身近な環境との関わりに気付き、持続可能な社会にするためには、どんなことができるかを考え、主体的に生活を改善できるようにすることを目指します。
執筆/東京都公立小学校副校長・出口芳子
編集委員/東京都公立小学校校長・飯島典子
監修/元文部科学省教科調査官・筒井恭子
目次
年間掲載内容
04月 見直そう生活時間 チャレンジしよう家庭の仕事
06月 すずしい住まい方「家族に提案!快適ルームプランナー」
08月 クリーン大作戦
10月 ソーイングで生活を豊かに~お気に入りのマイバッグを作ろう~
12月 持続可能な社会のために
02月 レッツトライ! 生活の課題と実践
1 題材名
持続可能な社会のために
2 題材について
本題材では、「C消費生活・環境」の(2)「環境に配慮した生活」のア及びイを扱います。環境に配慮した生活についての課題を解決するために、アで身に付けた基礎的・基本的な知識を活用し、「持続可能な社会の構築」などの視点から、自分の生活と身近な環境との関わり及び物の使い方などを考え、工夫することができるようにします。また、持続可能な社会に向けて、これからの生活を改善しようとする態度を育成します。
自分の生活を見直し、資源やエネルギーの使い方、使った後の再利用の仕方について、継続的に取り組むことを考え、「わたしの生活改善宣言」を発表し合います。その際、家庭や地域の取組について調べたことやインタビューした結果をグループで交流し合う活動などを通して、課題を解決するための方法を検討できるようにします。
3 題材の目標
〇自分の生活と身近な環境との関わりや環境に配慮した物の使い方について理解する。
〇環境に配慮した生活について物の使い方などに問題を見いだして課題を設定し、様々な解決方法を考え、実践を評価・改善し、考えたことを表現するなどして課題を解決する力を身に付ける。
〇家族の一員として、生活をよりよくしようと、環境に配慮した生活について、課題の解決に向けて主体的に取り組んだり、振り返って改善したりして、生活を工夫し、実践しようとする。
4 題材の評価規準
●知識・技能
自分の生活と身近な環境との関わりや環境に配慮した物の使い方について理解している。
●思考・判断・表現
環境に配慮した生活について物の使い方などに問題を見いだして課題を設定し、様々な解決方法を考え、実践を評価・改善し、考えたことを表現するなどして課題を解決する力を身に付けている。
●主体的に学習に取り組む態度
家族の一員として、生活をよりよくしようと、環境に配慮した生活について、課題の解決に向けて主体的に取り組んだり、振り返って改善したりして、生活を工夫し、実践しようとしている。
5 指導のアイデア
2学年間の題材配列の工夫
〇環境に配慮した生活について、2学年間を見通して効果的な学習が展開できるようにするために「C消費生活・環境」(2)「環境に配慮した生活」で育成する資質・能力を明確にした上で、他の内容項目や指導事項との相互の関連を図って題材を構成したり、他教科等の学習と関連を図ったりします。
「C消費生活・環境」(2)「環境に配慮した生活」を位置付けた主な題材と他教科等との関連
「持続可能な社会の構築」の視点から課題を設定するための板書の工夫
〇題材を通して、環境に配慮した生活について考えることができるようにするために、課題を設定する過程において、子供の発言や考えを分類したり、話合いの結果を可視化したりして、「持続可能な社会の構築」の視点に気付くようにします。
まず、これまでの学習における実践を振り返る際には、「水やエネルギーを大切に使うこと」「物(資源)を生かすこと」に気付くことができるようにするために、子供の発言を意図的に分類しながら板書します。さらに、「わたしの生活改善」のテーマを設定するに当たり、「なぜ、そうするのか」について、調べたり、話し合ったりした結果をいつでも振り返ることができるようにするために、電子黒板に投影して板書に取り入れます。また、個別の問題を見いだすことができるようにするために、子供の発言を問い返しながら根拠やポイントを整理して板書します。
1人1台端末の活用
〇環境に配慮した生活について物の使い方などに問題を見いだして課題を設定する学習過程において、環境に配慮して生活することの必要性を確かめる際に、情報通信ネットワークを活用して調べ、デジタルシートに記録します。その記録をグループで整理したり、共同編集シートで全体に共有したりできるようにします。
また、持続可能な社会のための「わたしの生活改善宣言」について、課題(テーマ)やその理由、課題解決に向けた調査活動、解決方法をまとめるデジタル学習シートを配付します。必要に応じて、テーマごとに共同閲覧して計画を交流し、実践に向けて改善できるようにします。

