一学期の「授業参観・保護者会」成功への3ステップ

学級担任に対する保護者からの評価が下される最初の場となるのが、 一学期の保護者会と授業参観。ここで、よい印象を持ってもらえるか、信頼に値する教師だと感じてもらえるかは、とても大きな問題です。子どもや保護者の心をしっかりとつかめるよう、準備万端で臨みましょう。小一の一学期の授業参観と保護者会についての心得を、静岡県沼津市公立小学校教頭・吉野和美先生にアドバイスいただきました。

イラスト/横井智美

【ステップ1】入学式から安心をアピール!

小一担任にとって、一学期に行われる授業参観は、初めて保護者に自分の授業を見せる場、保護者会は、実質的に初めて保護者と交わる場になります。ここでの成功の可否によって、その後の保護者との関係がスムーズにいくかどうかが決まるとも言えます。

一方、子どもや保護者は、新しい学級や担任に対して期待と不安が入り混じった気持ちでいます。

不安に感じている保護者を安心させ、信頼関係が築けるような保護者会にすることを心がけましょう。

 ぺープサートや「あいうえお作文」で工夫を凝らした自己紹介!     

担任と保護者が初めて出会うのは入学式当日です。「この先生なら大丈夫」と思ってもらうために、まずは自己紹介で子どもや保護者の心をつかみましょう。

例えば、ペープサートやパペット、マペットなどの小道具を使いながら話したり、自分の名前を使った「あいうえお作文」で紹介文を提示したりすると、印象深くなります。

「目指す学級」を可視化してしっかり伝える

担任として大事にしたい学級経営の柱になるようなこと、例えば「あいさつをしっかりします」「友達を大切にします」といったようなテーマを伝えましょう。

言葉だけでなく、短冊やイラストでかいておいて紹介すると確実に伝わります。

【ステップ2】教室掲示・当日の資料……事前準備はしっかり!

子どもの記録を教室や廊下に掲示!

日頃から子どもの様子を写真に撮って、こまめに記録するようにしましょう。例えば、登校後の教室の様子、グループ学習での様子、給食を食べている様子、運動場で遊んでいる姿…。記録をとることで、一人ひとりの子どもへの理解を深めることができます。

そして、これら子どもたちが体験したことや学習の足跡がわかるよう、授業参観前日までに、撮っておいた写真を、教室の廊下や教室背面・サイドに掲示しておくようにします。その際、子どものつぶやきをカードに書いて一緒に掲示すると、伝わりやすくなります。

この場合、子どもの偏りがないように注意しましょう。

イラスト/横井智美

基本的なルールは学年で統一

2学級以上の場合は、事前に学年で基本的なルールの共通理解を図りましょう。また、毎日取り組むことなどは、学年で統一しておき、保護者に伝えるようにしましょう。

宿題の基本、例えば、「音読・漢字・計算は、毎日行う」、「宿題をやり終わったら、必ず保護者に確認してもらう」といったことを決めておきましょう。

イラスト/横井智美

視覚に訴えて興味をもたせる!

保護者会では、どのような方法で保護者に伝えるのかを考えましょう。興味をもって聞いてもらうためには、伝えたいことを視覚化した資料を用意するとよいでしょう。

例えば、伝えたいことのキーワードをスケッチブックに書き、1枚ずつめくりながら伝えると視覚に訴えることができます。

イラスト/横井智美

進行の流れを決めておこう!

保護者会の流れをあらかじめ決めておきましょう。担任の挨拶→保護者同士の交流→学級経営方針や学年の取組→ご家庭にお願いしたいこと、といった流れが一例としてあげられます。

【ステップ3】保護者同士が交流しやすい場になる一工夫!

保護者同士、知ってもらおう!

子どもが通っていた幼稚園や保育園が異なり、保護者同士のつながりが薄い場合があります。そこで、保護者会のはじめに保護者同士が仲良くなる場を設定しましょう。

例えば、自己紹介の際、子ども自慢、入学してビックリしたこと、といったテーマで話してもらうのもよいでしょう。

場が和やかになる座席の配置とは

お互いの表情や提示資料がよく見え、話がしやすい座り方を考えましょう。

例えば、人数が少ない場合、円型にすると、親近感をもって話合いを行うことができます。

保護者会で担任の思いを伝え、保護者同士も交流し和やかな雰囲気で終わることができれば、保護者会は成功です。

保護者会の最後には、「困ったことがあれば、些細なことでもお知らせください」などと伝え、安心感をもってもらうようにしましょう。

『小一教育技術』2018年4月号より

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