生徒の喫煙・飲酒を見つけたらどう指導する?<中高教員の実務>
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喫煙や飲酒などの違法行為には絶対に手を出さないように厳しく指導する必要があります。具体的な指導法を流れに沿って説明します。
編著/小泉博明・宮崎 猛
【特集】中学校・高校教師 実務のすべて#23
校舎の裏に生徒が吸ったとおぼしき吸い殻が……。もし喫煙現場を見かけたら、いったいどう指導すればいいの?
中高生の喫煙や飲酒はまぎれもない「違法行為」であり、悪いことであるという毅然した態度をとります。今やるべきことは何かを話し、目標をもたせ、何かに打ち込むことを一緒に考えていきましょう。
目次
子どもの心の訴えに気づくことが大切
なぜ喫煙・飲酒に走ってしまったのか。その理由だけでなく、問題行動の背景にある原因を把握することが大切です。
●勉強がわからない
●学校がおもしろくない
●叱られることが多く、イライラする
●部活が楽しくない
●友達関係がうまくいかない
●家庭での居場所がない
●進路のことで悩んでいる
●親のプレッシャーから逃れたい

喫煙している生徒への具体的な指導法とは?
1.喫煙の現場を押さえる
「吸っていない」「持っていただけ」といった言い逃れを許さないためにも、喫煙の現場を押さえ、その場で認めさせることが大切です。
2.事実関係を確認する
●いつから吸っているの?
●どこで手に入れたの?
●家の人は知ってるの?
●1日にどのくらい吸うの?
●どこで吸っているの?
●誰と吸っているの?
●なぜ吸ったの?
3.いけないことであることを説明する
●「違法行為」なのでダメ
➡ いかなる理由があっても、中学・高校生がタバコを吸うのは法律違反です。
●健康にとても悪いのでダメ
➡ 成長期の中学・高校生にとっては、特に悪影響です(肺が真っ黒になります)。タバコ1本飲み込んでも、赤ちゃんは死ぬほどです(ニコチン・タールの毒性)。また、長く吸っていると、やめられなくなります(中毒性)。
●他の非行につながるからダメ
➡ 決まりを破ることが平気になり、万引き・バイク・深夜徘徊・覚せい剤などにつながっていきます(タバコを吸うだけで他の非行はしない、という子はまれです)。

4.背景にある原因を把握する
イラスト/タバタノリコ・畠山きょうこ