研究テーマが決まったら、研究の道すじを考えよう─中・高等学校の【課題研究】はこう進めよう④


中学・高等学校の課題研究では、「研究テーマは決まったけれど、どう進めていいのか分からない」と戸惑う生徒をよく見かけます。自由度が高い分、「何から始めたらよいのか分からず、なかなか手がつけられない」と立ち止まってしまうのも無理はありません。こうしたつまずきの背景には、研究全体の見通しを持たないまま活動に入ろうとしていることがあります。そのような場合、やみくもに活動を開始するのではなく、あらかじめ「ゴール」やそこに至る「道すじ」を整理しておくことが、生徒にとって大きな助けになります。「ゴール」はともかく、そこに至る「道すじ」は、将来的・継続的な見直しを前提としたとりあえずのもので構わず、むしろ、研究を進めるなかで見直し・方向修正することは自然なことでしょう。大切なのは、現段階で「どこを目指して」「どんな方法で進めるか」の全体像を俯瞰し、今後の動きを冷静に検討することです。
【連載】探究のすすめ方 ~方法論編~ <中学校・高等学校>④
※前回までの記事はこちら※
>中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう①~考えを整理して、テーマを決める~
>課題研究の実現可能性をチェックしよう! 中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう②
>先行研究をチェックして、研究テーマにストーリーをもたせよう! 中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう③
目次
最終ゴールの設定
まずは、「この研究はどこを目指すのか?」といった、いわば最終ゴールの明確化が重要となります。これは、研究の “完成のかたち” を先に描く作業であり、その後のすべての判断基準になります。生徒には、「○○ができれば、自分の研究は完成」と思える具体的なゴールを言語化させることがポイントです。
個別実験・調査の項目洗い出しと個別ゴールの設定
最終ゴールを決めたら、そこにたどりつくために何をする必要があるかを考えていきます。これは、「やることリストの整理」と考えるとわかりやすいかもしれません。ここでは、「調べるべきこと」や「やっておくとよい実験」などをできるかぎり書き出させて、精査させましょう。「最終ゴールにたどり着くためには、どんな実験や調査(個別実験・調査)をすべきか」、そして「それぞれの個別実験・調査では、どこまでできればよいか(個別ゴール)」をセットで整理しておきます。それぞれの項目について、「何を明らかにしたいか」「どんな結果が出ればOKなのか」という目安を持たせると、途中で迷いにくくなります。
