夏休み明け、子供が安心して2学期リスタートするための5つのポイント|新任教師のための学級経営講座 #8


初めて学級担任になった新任教師にとって、「学級経営」は不安なもの。そこで、学級経営の基本が学べる連載をお届けします。毎月の準備や進め方などをその月の学校行事なども絡めながら紹介。鳥取県の公立小学校で、若手教師の育成に尽力してきた友定章子先生が、新任教師でも分かりやすいように解説します。今回は、夏休み明け、子供たちが安心して2学期リスタートするためのポイントについて解説します。
執筆/元鳥取県公立小学校教頭・友定章子
目次
はじめに

夏休み、先生も少しはリフレッシュできましたか?
子供たちが元気に夏休みの作品を抱えて登校してくる2学期。1年間の中で一番長い学校生活です。先生や友達に会うのを楽しみにしていることでしょう。だからと言って、学級全員がそろって始業式を迎えられることは、当たり前のようで当たり前ではないと感じます。
黒板に「2学期もがんばろう」というメッセージを書いて、教室で笑顔で子供たちを迎えましょう。
1.不安な気持ちを否定しないで寄り添う
夏休み明け、登校してくる子供たちは様々な不安を抱えているものです。
「ちゃんと朝起きられるかな?」
「夏休みの宿題が終わっていない、怒られちゃうかも」
「この課題の作品、友達に笑われないかな?」
「また、友達とうまくできるかな」
「みんなと一緒にするのが苦手。夏休みはよかったのに」
一つ一つはどうってことのない小さな不安でも、夏休みが終わりそうになると大きくなってきたり、あれもこれもと不安になったり、自分だけが困っているんじゃないかと思ったりするものです。
そんな時に、担任から「そんなこと、大丈夫だよ」なんて声をかけられても、不安だらけの子供たちにはちっとも響きません。悩んでいることを否定されているように感じてしまいます。
そこで、子供たちには、2学期を迎えるにあたって心配なこと、不安に思っていることをきちんと言葉にすることから始めます。
その不安や心配に対して、どうしたら対処できるかを子供自身で考えることが必要です。その際に、自分の心と折り合いをつけることができるように、焦って結果を求めないよう助言しましょう。
例えば、宿題が間に合わなかったら、まずはできていないことを先生に伝えよう。そして、1週間後には提出できるようにすると決めてやってみる。それでもできなかったら、その時に先生と相談する。
このように、スモールステップで対処し、不安を解消していきます。不安になっている子に特効薬なんてないのです。この時期の子供たちの様子は、いつも以上にしっかりと観察することが大事です。そして、あなたの味方だと伝わることを優先して声をかけましょう。