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学級通信をどう活用する?①<中高教員の実務>

連載
中高教員の実務

創価大学大学院教職研究科教授

宮崎 猛

文京学院大学名誉教授

小泉博明

学級通信は担任として、自分の思いを伝えるうえでとても有効です。特に中学・高校では生徒と触れ合う機会が少なくなるため、通信で自己開示をしていきましょう。

編著/小泉博明・宮崎 猛

【特集】中学校・高校教師 実務のすべて#15

隣のクラスの先生は力の入った学級通信を作っているようだけど、自分はなかなか時間がなくて……。学級通信って出さなきゃいけないもの?

新任教師にとって自分の思いを伝えるツールとして、学級通信は有効に使えます。生徒のため、保護者のため、そして、自分のため(教師力向上)に上手に活用したいものです。まずは月に一度でもよいので、発行してみましょう。

なぜ学級通信を出すのか

教師という仕事は多忙でゆとりがありません。生徒たちとの触れ合いの機会を多くもちたくても、会議やデスクワークが多く、年々責任ある仕事も増えていくため、日々の膨大な仕事を消化していくのが精いっぱいになってしまいます。勤務年数が長くなると、地域における活動も増え、責任ある立場になり、忙しさが増します。

また、中学・高校は教科担任制であるため、必ずしも自分のクラスの授業を受け持つとは限りません。クラスの生徒たちと触れ合う時間が少ない中、 HR担任としての考えを生徒たちに伝えましょう。自己開示していくには、学級通信が有効といえます。学級通信は自分のクラスに配付されるだけでなく、学年でも共有されます。

また、近年の学級通信は紙ベースの配付だけでなく、データ化してタブレット上で送信している教師も増えてきています。

学級通信のアイデア

教員になってから、毎週欠かさず通信を書き続けた人がいます。 HR担任をしているときは学級通信を、そして担任していないときは教科通信を書き続けました。1年間に50号の通信を発行し、それを16 年間続け、トータルで800号を書き続けたことになります。

学級通信は毎週月曜日に発行。朝のSHR時に配付し、必要なところは読んで話をしていたそうです「継続は力なり」という言葉のとおり、くり返し文章を書いていくと、次第に書く力や表現力が身に付くものです。

学級通信が果たす役割

HR担任としての思いを伝える手段

話をするのが得意でない人にとって、文章で自分の思いを伝えるというのは有効な手段であり、言葉でのコミュニケーションの不足を補ってくれます。生徒たちに言いたいことがあっても、感情的にならずに指導ができるという面もあります。

また、文章だけでなく、写真や図、イラストなどを駆使することで、多彩な情報を伝達することができるのも学級通信のよさのひとつです。

イラスト/タバタノリコ・畠山きょうこ

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