男子児童に暴言を吐かれている担任の先生が心配です

男子児童に暴言を吐かれている担任の先生が心配だと、カウンセリング担当者からの相談が「みん教相談室」に届きました。ここでは、元新潟県公立中学校教諭で、現在は心理カウンセラーとして活躍している堀川真理先生からのアドバイスをお届けします。

目次
Q.男子児童に暴言を吐かれている担任の先生が心配です
小学校のカウンセリング担当です。毎日、担任している小学校5年の男子児童に暴言を吐かれている先生が心配です。
その児童は授業妨害や離席、他の児童を扇動する様子が毎日見られるような子供です。もちろん、言われているのはその先生だけではありませんが、担任なので、毎日、毎時間、ことあるごとに、ゴミくず教師などと言われています。
叱ったり、対話を試みたり、いろいろ試しながら学校全体で指導していますが、効果がまるで見られません。
小さな子を暴力的に脅迫した際に保護者に話をしようとしましたが、なぜそんなことで学校に行かなければいけないのか、と電話ごしに担任を10分以上怒鳴りつけてきたため、呼び出しもかないませんでした。
40代の中堅の男性教員ですが、自分が指導力がないという理由でもよいから、緊急で学級懇談を開きたいと言う位、担任の先生が追い詰められています。
教員に人権はないのでしょうか? 学校で対応できない、対教師暴力はどこに助けを求めたらよいのか教えていただきたいです。
(猫らぶ先生・30代女性)
A.外部機関との連携が不可欠。そのうえで、臨時的に複数担任制にするのが望ましい
まず担任の先生を自分ごとのように心配されていて、それだけでもその先生は救われると思います。そして行動を起こせば、事態は解決へと進むと思います。
一読した感触では、その児童保護者ともに通常の感覚が通じないように思います。人格障害等が潜んでいる可能性があります。
もしそうならば、通常の助言指導では立ちゆきません。愛情と熱意をもっての教育では、歯が立ちません。学校体制と外部機関との連携が不可欠です。
その児童や保護者とつながることのできる職員がいたら、その方を窓口にしてこちらの意向を伝えてもらいます。いないのであれば管理職が当たります。
そのうえで臨時的に複数担任制にするのが望ましいと思います。一人の先生に負担がいかないようにするためです。
担任の先生は病休に入ることをお勧めします。関係がこじれてしまった場合は、しかも愛情の教育では修復不可能な場合は、対応する人を変えることが最も効果的だと考えます。
担任の先生は精神的に追い詰められている状態です。適応障害の状態だと思います。精神科か心療内科を受診すれば、すぐに診断書を書いてもらえるはずです。このままいけばうつ病など重い疾患になってしまう可能性は大です。そうなると復帰や復帰後の予後も心配です。
実際、精神疾患を繰り返す先生は少なくありません。担任の先生は自分の能力を守るために、勇気ある早目の撤退をお勧めします。
猫らぶ先生はカウンセリング担当ということですが、教諭ですか。それともスクールカウンセラーですか。いずれにしろ専門的な知識がおありなのでしょうから、管理職に以上の見立てを、早急にお伝えすることをお勧めします。
担任の先生、猫らぶ先生、学校の全ての先生たちが外部機関と連携をとって守られますように。
「みん教相談室」新規受付停止のお知らせ
長い間、この企画を応援してくださり、ありがとうございます。
今後「みん教相談室」は新規のご相談受付を停止し、現在開発中の新たな取り組みの中に、これまで大切にしてきたコンセプトを活かしていきたいと考えております。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。