小6国語「カレーライス」指導アイデア
教材名:「カレーライス」(光村図書)
指導事項:読むこと エ、オ
執筆/新潟県公立小学校教諭・嵐直人
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、新潟県公立小学校教諭・井上幸信
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
本単元では、物語を読む観点の一つとして題名を大切に扱います。「カレーライス」は、題名が物語の象徴となる事物でもあるので、カレーライスに対する登場人物の認識の変容を読むことをねらいます。
また、六年生になって初めて読む物語です。登場人物の心情を自分に重ね、自分と対比させることで、物語を読むおもしろさを感じられるようにします。
②言語活動とその特徴
題名に副題を付けることを、言語活動として位置付けます。単元開始時と終末時の副題の変化や副題に込めた思いの深化に、授業での読みが生きるようにします(副題の言葉は変わらなくても、読みの変容を自覚できるようにします)。
副題を付ける言語活動は、物語なら主題や粗筋を、説明文ならば要旨を捉える力を育成します。短い言葉で、文章全体をまとめる力が育ちます。
単元の展開(6時間扱い)
主な学習活動
第一次(1~2時)
①題名が、物語の象徴であることをおさえる。
・カレーライスが物語を通して重要な存在(象徴)であることを確認する。
・副題について知り、現段階で考える「カレーライス」の副題と、そう考える理由をまとめる。
→アイデア1
【学習課題】「カレーライス」に、副題を付けよう。
②物語の設定・構造を確認する(併せて、前学年までの既習の読み方や学習用語の確認もする)。
・カレーライスを中心に、人物関係図(家族の関係図)
第二次(3~5時)
③④「ぼく」と「お父さん」のカレーライスについて考える。
・なぜ、お父さんは甘口のカレーライスを作るのか。
・なぜ、ぼくは中辛を食べていることをお父さんに言わないのか。
⑤特製カレーライスについて考える。
・なぜ、最後の場面は、ぼくたち「の」特製カレーなのか。
→アイディア2
第三次(6時)
⑥読みの変容を自覚する。
・再度、副題を考える。
・友達と交流する。
→アイディア3
アイデア1 「副題を付ける」というゴールを知る
他の学習同様、物語の学習も系統的に行う必要があります。前年度までにどのような「読み方」を学んでいるかの確認も、この単元の重要なポイントです。
本単元では、「題名」「象徴」という学習用語を教えます。既習なら確認を、未習ならば最初に意味を確認します。ここでは、「象徴」は物語の中で「登場人物以外で重要な役割をもつもの」と、説明します。
イラスト/畠山きょうこ 横井智美
『教育技術 小五小六』2019年4月号より