よくわかる教育委員会〜指導主事の仕事を中心に|第3回「指導主事の身だしなみと電話応対の基本」
教育委員会の職員になると、実に様々な人たちと業務で面会することになります。学校管理職や県教委関係者などの学校関係者はもちろんのこと、一般市民、議員、企業関係者、報道関係者などなど。とにかく外部と応対することが多くなります。でも、ただ応対すればよいというものではありません。外部の方は、対応した職員を「教育委員会の顔」として見ます。恐ろしいことに、教育委員会という組織を評価・判断(品定め)するきっかけにもなり得るのです。今回は、教育委員会職員としてふさわしい、身だしなみと電話応対の基本についてお話しします。


西村健吾(にしむら・けんご)
1973年鳥取県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業後、鳥取県の公立小学校および教育委員会で勤務。「マメで、四角く、やわらかく、面白い…豆腐のような教師になろう!」を生涯のテーマにしている。学校教育に関わる書籍を多数執筆。近著は『学校リーダーの人材育成術』(明治図書)。現在、米子市立福生東小学校長。本コラムは、10年間の教育委員会事務局勤務の経験を元に執筆している。
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※動画は生成AIを利用した「NoLang」にて作成しました。
目次
教師時代以上の心配りが求められる
よく「人を見た目で判断するな」と言われます。しかし、様々な心理学実験によって、人は見た目の第一印象でその人となりを判断してしまうことが知られています。見た目で教育委員会という組織の印象を損なわないように、服装・靴・鞄・装飾品(眼鏡・時計・アクセサリーなど)・髪型に至るまで、身だしなみには細心の注意を払わなければなりません。
また、同様の趣旨で電話応対も重要です。顔や姿が見えないだけに、その言葉づかいは学校に勤務しているとき以上に慎重さが求められます。
指導主事は公共の福祉のために働く公務員として、また数多の教職員の手本となるべき立場の人間として、正しい身だしなみと電話応対を身につけなければなりません。
身だしなみの基本(男性の場合)
身だしなみの考え方
身だしなみを考える上で最も大切なポイントは、なんといっても相手に不快感や違和感を与えないことです。男性の場合、一般的にはスーツまたはジャケットを着用するのがよいでしょう。必要以上にフォーマルであったり、過度におしゃれな服装はいけません。
ただ、この「一般的」というあいまいな概念は、時代や地域によって変わるものです。昭和の時代、ブレザーではカジュアルすぎると言われましたし、夏でも上着の着用が求められました。しかし現代は違います。クールビズやウォームビズに代表されるように、環境政策の一環として導入された新たな取組が今や「一般的」となっています。沖縄などでは「かりゆし」と呼ばれる開襟シャツでの勤務が標準となっていることも周知の通りです。
しかし、時代がいかに変わろうとも、大事なポイントは、やはり相手に不快感や違和感を与えないことです。様々な世代の方がおいでになる以上、「教育委員会の顔」とも言える指導主事には、一般公務員以上に無難な身だしなみが求められることを肝に銘じなければなりません。例えば夏に、他の一般公務員がクールビズでポロシャツを着ていようとも、指導主事は、昔ながらの「半袖Yシャツ」が好ましい服装であると言えます。