小2国語科「カンジーはかせの大はつめい」全時間の板書&指導アイデア
文部科学省教科調査官の監修のもと、小2国語科「カンジーはかせの大はつめい」(光村図書)の全時間の板書例、発問、想定される児童の発言、ワークシート例、1人1台端末の活用例等を示した授業実践例を紹介します。
監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/埼玉県上尾市教育委員会学校教育部指導課指導主事・𠮷野竜一
執筆/埼玉県春日部市立幸松小学校‧下山園絵
目次
1. 単元で身に付けたい資質・能力
この単元では、漢字の構成と熟語について触れながら、第1学年、第2学年で配当される漢字の定着を図ります。
漢字の構成については、上巻の「同じぶぶんをもつかん字」で、漢字は部分が組み合わさってできていることを既に学習しています。今回の学習も含め、3年生での部首や偏旁冠脚の学習につながっていくものであるため、漢字を構成している「部分」に意識を向けることの大切さに気付けるようにします。
また、熟語作りにおいては、漢字と漢字を組み合わせると言葉ができることを知り、その読み方も併せて確認することで、言葉のもつおもしろさを感じられるようにします。
2. 単元の評価規準
3. 言語活動とその特徴
本単元では、「かん字の天才 ○組クイズ大会」を言語活動として設定します。
漢字と漢字を組み合わせると、漢字や言葉ができることを確認した後、クイズを作り、解き合う活動を行います。その際に、教科書P158の「これまでにならった かん字」やP.161の「この本でならう かん字」を参照することで、正しい漢字を定着できるようにします。
また、特に熟語を扱う際には、漢字の組み合わせだけではなく、熟語の読み方にも触れながら、楽しみながら3年生で学習する音読みや訓読みの素地を養っていけるようにします。
4. 指導のアイデア
2年生の学習もまとめに入るこの時期、児童の中には漢字嫌いの子や、苦手意識をもつ子も増え始めます。そんな中、本単元は児童たちにとって「カンジーはかせ」との初めての出会いとなり、やる気の高まりが予想されます。それをいかし、主体性を大切にした指導を行っていきます。
導入の段階で、カンジー博士の発明した「漢字を合体させる機械」について説明する際、デジタル教科書を活用し、でき上がった漢字が見えないようにして、大型ディスプレイ等に提示します。クイズ形式で提示することで、「もっと解きたい」「自分でもクイズを作ってみたい」という児童の関心を高めてから、学習活動のめあてを確認します。
クイズ大会では、今回は1人1台端末の「資料共有機能」の活用を想定しました。友達と端末を使って問題を出し合うことで、学習内容の定着を図ります。友達が作ったクイズを通して多くの漢字に触れる活動には、今後の漢字学習への素地へとつながるチャンスがたくさんあります。
具体的に言えば、自分が使った漢字を、他の児童が違う漢字と組み合わせているのを見ることで、共通する部首への気付きが生まれたり、熟語の読みを通して訓読み・音読みの学習につながる気付きが生まれたりします。このようにこの活動の中には、3年生以降の学習につながる要素が多くあります。
また、端末を使用することで、児童の取組が記録に残り、既習の漢字についての知識が身に付いているかを評価する一助となります。
クイズの問題を考える際にも、教科書P158「これまでにならった かん字」やP161「この本でならう かん字」をヒントにすることで、普段漢字に苦手意識があり、自信をもって交流に臨むことができない児童も、抵抗感が少なくなるのではないかと考えられます。
国語の学習は、「できた!」という達成感をもちにくい教科であるという声を周囲の先生方から聞くことがあります。ですが、そのような中でも漢字の学習は比較的「書くことができた!」「読むことができた!」と、できた喜びを感じやすいものです。
今回の学習を通し、単元のめあてである既習漢字のさらなる定着はもちろんのこと、「漢字の学習って楽しいな」という前向きな気持ちも育んでいけるようにします。
5. 単元の展開(2時間扱い)
単元名: カンジーはかせの大はつめい~かん字の天才 ○組クイズ大会をしよう~
【主な学習活動】
(第1時)
① 本時のめあてを確認する
② 漢字には部分が組み合わさってできる字があることを確認する。〈 端末活用 〉
③ クイズの作り方を確認する
④ クイズ大会をする。〈 端末活用 〉
(第2時)
① 本時のめあてを確認する
② 二つの漢字を組み合わせて熟語ができることを知る。〈 端末活用 〉
③ クイズの作り方を確認する
④ クイズ大会をする。〈 端末活用 〉
全時間の板書例・ワークシート例・端末活用例と指導アイデア
イラスト/横井智美