小1国語科「しらせたいな、見せたいな」板書例&全時間の指導アイデア

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国語科 令和6年度版 新教材を活用した授業づくりー文部科学省教科調査官監修の実践提案ー
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文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」
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文部科学省教科調査官の監修のもと、令和6年度からの新教材、小1国語科「しらせたいな、見せたいな」(光村図書)の板書例、発問、想定される児童の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した全時間の授業実践例を紹介します。

 小一 国語科 教材名:しらせたいな、見せたいな(光村図書・こくご 一下)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/相模女子大学学芸学部 子ども教育学科専任講師・成家雅史
執筆/東京学芸大学附属大泉小学校・今村 行

1. 単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、「書くこと」 において身に付けたい資質・能力のうち、特に、知らせたいこととして何を選ぶのか、「題材の設定」「情報の収集」「内容の検討」の部分を意識して指導していきます。
急いで題材を決めるのではなく、生活科の学習などとも関連付けながら、「ぜひこれを知らせたい!」というものを見つけ、よくそれを観察し、その上で書く、ということを目指すとよいでしょう。
教科書20ページにあるように、丸や点の使い方、「は」「を」「へ」を正しく使えているのかなど、知識・技能の面で指導すべきこともありますが、まず何よりも「書いて楽しかった!」「もっと書きたいな!」という意欲が児童の中に生まれることを願って単元を進めていくとよいでしょう。

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

本単元は思考力、判断力、表現力等のB「書くこと」の言語活動例ア「身近なことや経験したことを報告したり、観察したことを記録したりするなど、見聞きしたことを書く活動」を扱います。
いくつか留意したいポイントを確認しましょう。

一つは、「1.単元で身に着けたい資質・能力」でも触れましたが、この単元では「題材の設定」「情報の収集」「内容の検討」を大切にしたいということです。児童には、「伝えたい!」と思うものがいくつもあるかもしれません。できれば、生活科の学習と関連させるなど工夫しながら、学校にいる生き物やあるものなど、「伝えたい!」と思えるものをさらに増やし、その中から書く題材を決める、ということができるとよいと考えます。

もう一つは、自分の思いや考えが明確になるように、事柄の順序に沿って簡単な構成を考えることです。書く題材を決めたら、それを観察します。教科書21ページでは、バッタの観察が例に挙げられています。22ページの文例では、まず、バッタが「ぴょん」という名前であることが書かれています。バッタと書き手の関わり方が伝わってきます。1段落目はからだの特徴として「いろ」と「さわったかんじ」を書いています。続いて、「あたま」と「あし」、最後に、「うごき」が書かれいます。
これを、「うごき」から書くと、全体を見て取ることができません。全体から部分、そして動きというような簡単な構成が分かると、「何を」「どのように」書くかということが児童に身に付いていくでしょう。

4. 指導のアイデア

〈主体的な学び〉 自分で題材を決める

本単元では「題材の設定」「情報の収集」「内容の検討」を大切にしていきます。生活科の学習と関連させるなど工夫して、文章の題材にしたい候補をいくつかもち、その中から自分で一つに決めるということができるとよいでしょう。
友達と同じ題材になってしまっても、「なぜその題材にしたのか?」ということを児童が語れるようにして、自分で題材を決めるという習慣を身に付けさせたいと考えます。

〈対話的な学び〉 決まった題材について質問したり答えたりする

主体的な学びにおいて、自分で題材を決めることを大切にしていますが、「なぜその題材にしたのか?」ということを児童が語れる場をつくる必要があります。
友達同士で、「どうして、バッタにしたの?」などと質問をし合うことで、より自分が伝えたいことを明確にしていくことができます。

〈深い学び〉 簡単な構成を考えて書く

1年生にとって、文章の組み立てを考えることは簡単なことではありません。どのような順序で伝えたら分かりやすいかということを考えることも難しいでしょう。
特に本単元では、時間の順序ではなくて事柄の順序にそって組み立てを考えます。ですから、教科書の22ページの文例を基にして、全体から部分、見えているものから見えていないものというように、分かりやすいものから伝えるという簡単な構成について理解して、書くことができるようにするとよいでしょう。

5. 単元の展開(8時間扱い)

※教科書では10時間扱いとなっています。書く時間を伸ばすなど調整することも可能です。

 単元名: くわしく かこう

【主な学習活動】
・第一次(1時2時3時
①「学校にいる生きものや、学校で見つけたものをよく見て、いえのひとにしらせる文しょうをかこう」という学習課題を児童と設定し、知らせたいものを考える。
②③ 知らせたいものの候補の中から、文章に書く題材を決めて観察し、内容を検討する。

・第二次(3時4時5時6時
④⑤ 22ページの文例を参考にして、簡単な構成を考える。考えた順序に従って文章を書く。
⑥ 文章を声に出して読み返す。
  〜書いた文章をお家の人に読んでもらい、感想をもらう〜

・第三次(7時8時
⑦⑧ お家の人に読んでもらった感想をまとめたり、友達の文章を読み合ったりして、自分の文章のよいところを見つける。

全時間の板書例と指導アイデア

【1時間目の板書例 】

1時間目の板書例
「主体的な学び」のために

1時間目は、学校で見つけたものを取り上げてお家の人に伝えるという学習課題を、児童と共につくっていきます。

学習課題の大枠は、教師が導いていく必要があります。
しかし、何を伝えようかという部分では、児童の学習や生活の経験の中から掘り起こすことができるように進めていくことが大切です。
最初から「教科書を開いて」ではなく、一人一人がどんなことに夢中になっているかを聞いていき、児童の言葉から学習課題がつくられたという雰囲気にして、「主体的な学び」へとつなげたいと考えます。

今、みんなが夢中になっているものって何かな?

生活科の時間に捕まえたカマキリ!

ウサギ小屋にいくこと!

鬼ごっこ!

※時間の都合もあるでしょうが、児童全員に答えてもらってもよいでしょう。本単元では、教科書教材にある「ばった」等の昆虫や生き物を対象にして伝えるという想定で進めます。

いろいろありますね。今聞いていると、生活科の時間に捕まえたカマキリとか、見学したウサギ小屋とかに夢中になっている人が多いようですね。他にも鬼ごっことか遊びに夢中の人もいますね。どうでしょうか。みなさん、字を書くのもとても上手になってきたので、「学校にいる生きものや、学校で見つけたものをよく見て、文章に書いて家の人に知らせる」という学習をやってみませんか。

面白そう!

やってみたい!

何を知らせるか迷う。

そうですね。これまでの学習などで見つけたものをお知らせするというのがいいですね。

まだ迷うなぁ……。

まだ迷って大丈夫ですよ。急がず、決めていきましょう。どうしても見つからない人は、先生と一緒に休み時間にもう一度学校を探検しましょう。これを知らせたい! というものは、写真を撮っておきましょう。


【2・3時間目の板書例 】

イラスト/横井智美

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