学年末によくある保護者との連携やクレーム対応とは
6年生の子供やその保護者たちは卒業を目前にして、中学校進学への期待や不安を抱きながらこの時期をすごしています。また、他の学年で、進級に向けて保護者の学校への関心が強まってきます。終業式・卒業式までの多忙な日々のなか、教師は子どもたちとどのように向き合い、どのように保護者に対応すればよいかを考えてみましょう。
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6年三学期:卒業にかかわる行事で保護者と連携

卒業が間近に迫った6年生の三学期。この時期、いちばんに言えることは、担任としての思いや熱意を伝える絶好のチャンスだということです。卒業に向けてのさまざまな行事をとおして、子ども、保護者、担任が一体となり、悔いのない、満足感でいっぱいの時間をすごしたい卒業を祝う会や謝恩会といった、6年生にかかわる学校行事は、この時期にたいへん多くなります。
それにともなって保護者への対応も、ほかの学年に比べると断然多くなります。卒業対策委員の保護者は、保護者全員の中心となり、卒業にかかわる行事の進行のための仕事に取り組みます。

〈対策委員のおもな仕事〉
○卒業を感謝する会の企画・運営
○卒業生の保護者として、学校の教職員へのプレゼントを何にするか決める
○卒業アルバムのレイアウト
卒業対策委員の保護者との接し方

忙しいなか、会を成功させるために取り組んでくれていることを忘れず、感謝の心を伝えます。
「いつもありがとうございます。よろしくお願いします。」
「ご苦労さまです。感謝しています。」
会の運営に関して相談されたら、どんなに忙しくても相談にのり、よりよい方法で運営されるようにサポートします。卒業対策委員の「このような会にしたい」という意向をできるだけ実現させる方向でサポートしましょう。ただし、全教職員にかかわることや、学校としてできること、できないことを明確にしておく必要があります。

安請け合いをせず、全教職員や学校全体にかかわることは、管理職に事前に報告、相談しましょう。
卒業対策委員からのクレームを未然に防ぐ

「6年生の担任は忙しいからと、卒業を祝う会の相談にあまりのってくれない。保護者はなんとか思い出に残るすばらしい会にしたいのに、この温度差は何?」
こんなふうに感じさせてしまっては、せっかくこれまで築いてきた信頼関係も、残念ながらくずれてしまいます。
6年生の担任は、この時期、学校に提出する書類(○○区立小学校児童指導要録抄本など)の作成など、事務的な仕事がたくさんあります。だからこそ、あらかじめ見通しを立てておかなくてはなりません。保護者とは、会を成功させるために、二学期のなかばごろから綿密な打ち合わせの時間を、計画的、定期的にもつようにします。