小1国語科「ことばをみつけよう」全時間の板書&指導アイデア
文部科学省教科調査官の監修のもと、令和6年度からの新教材、小1国語科「ことばをみつけよう」(光村図書)の全時間の板書例、発問、想定される児童の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。
監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/相模女子大学学芸学部 子ども教育学科専任講師・成家雅史
執筆/東京学芸大学附属竹早小学校・曽根朋之
目次
1. 単元で身に付けたい資質・能力
表に書かれているひらがなから言葉を見つける活動を通して、言葉探しを楽しみながら語彙を広げていく単元です。これまでに一通り習ったひらがなをもとに、活動を楽しみながら身近なことを表す語句の量を増やすことにつなげていきます。
指導する際には、教科書にも記載されている「ていねいに書く」ということも強調することで、慣れてきたひらがなの書き順やとめ・はね・はらいなど基礎的なことも修正できるとよりよいです。
2. 単元の評価規準
3. 言語活動とその特徴
この単元では、「言葉みつけゲームをしたり、作ったりする」という言語活動を設定します。
まずは、教科書のp100にある16個のひらがなが書かれた表をもとに活動の概要をつかみます。
その後少しレベルをあげて、p101の64文字が書かれた表で、よりたくさんの言葉を見つける活動を進めていきます。最後には、自分でも同様の「言葉みつけゲーム」を作る活動を通して、楽しみながら語彙を増やしていきます。
4. 指導のアイデア
〈主体的な学び〉 自分で「言葉みつけゲーム」を作る
まず「言葉みつけゲーム」に取り組み、言葉を見つける活動を楽しみ、語彙を増やしていきます。
その後、自分で「言葉みつけゲーム」を作る活動を通して、これまで習ってきたひらがなを使って、さらに語彙を増やしていきます。
なんとなく表にひらがなを配置するのではなく、できる限り意図的にひらがなを配置しながら表を作るよう促すことで、作った表にはどんな言葉があるかをじっくりと考えながら取り組めるようにします。
〈対話的な学び〉 他者の作った「言葉みつけゲーム」を楽しむ
自分が作った「言葉みつけゲーム」を友達に取り組んでもらうことで、クラスで活動することの喜びが生まれます。このような喜びが、今後の対話的な学びを生む素地となっていきます。
また、この活動の特性上、作る側が気付かなかった新しい言葉を友達が見つけるということが起こります。その発見も、作る側の視野を広げ、他者と対話的に学ぶことの有用感につながっていきます。
〈深い学び〉 自分の語彙を広げられる環境設定(授業から日常につなげる)
身近なことを表す語句を多くもつ子も、あまりもっていない子も、自分の頭だけで思いつく語彙には限界があります。そこで、身の回りにはたくさんの言葉に溢れていることに目を向けさせていきます。
例えば、教室の中には国語や算数などのさまざまな教科書、教室の学級文庫の本や掲示されているポスターなど、たくさんの言葉が書かれているものが数多くあります。身の回りのたくさん言葉が書かれているものに気付かせ、子供たちがすぐ手に取れる環境に設定しておくことが重要です。
5. 1人1台端末活用の位置付けと指導のポイント
自分で作った「言葉みつけゲーム」をクラスで共有する
「言葉みつけゲーム」を作り始めると、作る時間に個人差が出てくることが考えられます。作ったあと、同じ班の人とお互いに作ったものに解き合いますが、時間の関係で他の班の人が作ったものには取り組めない可能性があります。
そこで、早めにできた「言葉みつけゲーム」を写真に撮り、共有アプリなどを活用することで、早く終わった子供同士で他者の「言葉みつけゲーム」を取り組むことができるような状態にしておけるとよいでしょう。
6. 単元の展開(2時間扱い)
単元名: ことばをみつけよう
【主な学習活動】
第1時
① p100~p101 の表を見て、縦、横、斜めに隠れている言葉を見つける。
第2時
② 自分で「言葉みつけゲーム」を作り、友達と問題を解き合う。
全時間の板書例と指導アイデア
イラスト/横井智美