小5国語「銀色の裏地」京女式板書の技術

今回の教材は、「銀色の裏地」です。この教材の指導内容は、「人物の表情や人物どうしの関わりをとらえ、印象に残ったことを伝え合おう」です。今回は、第2時、教科書の「ふかめよう」の段階で事例と意見の関係を押さえる学習を考えました。物語の第一場面では協働学習を行い、次の場面では学習を生かして自分で学習します。学習の仕方を習得させるような板書の工夫を紹介します。
監修/元京都女子大学教授
同附属小学校校長・吉永幸司
執筆/京都女子大学附属小学校教頭・砂崎美由紀
教材名 「銀色の裏地」(光村図書出版)
目次
単元の計画(全5時間)
1 「銀色の裏地」を読み、場面を3つに分ける。
2 理緒の心情や他の人物との関わりが分かる文を見つける。
3 理緒と他の人物の関係図を書く。
4 理緒から見た高橋さんの人物像を考える。
5 物語を読み、強く印象に残ったことをまとめ、伝え合う。
板書の基本
〇教材「銀色の裏地」の指導内容は、「人物の表情や人物どうしの関わりをとらえ、印象に残ったことを伝え合おう」です。この指導内容を板書と結び付けると次のようになります。
・人間どうしの関係図が理解できるような仕組みを工夫する板書。
・印象に残ったこと、3つの場面に分かれている文章の特性を生かし、物語全体を捉えることができるようにする板書。
〇教材「銀色の裏地」は3、4年生時代に経験している子が多く、物語を通して5年生という時代をどのように生きるかについて示唆することが多い内容です。しかし、内容や事柄に着目させるだけでなく、これからの学習方法について関心をもたせることが国語科の授業では大切であると考えています。その方法の1つとして板書の工夫があります。
板書の工夫の1つとして次のことを考えました。
〇まず、第一場面を協働学習として大切に、そして丁寧に取り扱うことです。大切に、丁寧にということを具体的な学習活動で示すと、音読を通して学習場面の確認を行うことです。
次に、心情や他の人物関係についての大体を理解するという、教材となる文章の細部に着目した読みを指導することです。
このことを第一場面で指導し、そこで習得した力を生かして第二場面、第三場面を自分の力で進めていくという方法です。つまり、第一場面で習得した学習方法を、第二場面、第三場面に生かすこと、活用することを大事にしました。学習の仕方を習得させることを目的にした板書です。