テストを実施した当日に子供たちに返却する3つの方法

30人以上のテストの採点となると、かなりの時間を要しますよね。テストを実施した後もなかなか返却できず、何週間か経過してからまとめて返す先生もいるようですが、望ましくはありません。子供たちがテストをした後すぐに採点・返却して、「どこに学習の課題があったのか」を把握させ、自己調整力を身に付けさせることが重要です。そこで、テストを実施した当日に子供たちに返却する3つの方法をご紹介したいと思います。

執筆/東京都公立小学校教諭・松原夢人
目次
①1時間目にテストを実施する
ワークテストの採点をするためには、当然ながら時間が必要です。
5時間目や6時間目にワークテストを実施すると採点時間を十分に取れませんから、1時間目などのできるだけ早い時間帯に行いましょう。
テストを実施してから下校までの間で、様々な隙間時間を使うことができます。
授業と授業の合間の5分休憩、子供たちが自主的に取り組んでいる時間など、たとえ短くても「塵も積もれば山となる」です。
少しずつテストの採点を進めていきましょう。
テストを返却して、5時間目や6時間目にテスト直しすることが理想です。
②テストが終わった子供から集めて採点する
私が提案するテストの実施および採点の方法は、次のような流れとなります。
- 全員にテストを配布して実施。
- 見直しが終わった子供からテストを提出。
※ルールとして、1度テストを提出したら戻すことはできないことを伝えてください。 - 提出されたテストを順次採点。
- テストを提出した子供は、読書またはタブレットを使った学習など自分の机でできることを行う。
学級の人数によっては、授業時間内に全員のテストを採点することができない場合もありますが、かなりの数を処理することができます。
最初は1人ずつテストを持ってくるので、そのタイミングに合わせて採点をしましょう。
ある程度の時間が経つとほぼ同じタイミングで子供が提出するため、たくさんのテストを同時に処理することができなくなる事態が起きてしまうこともあります。
そこで、どのように対処するかというと、片面ずつ採点していきます。こうすることで、テストをめくる時間を短縮できます。
表面が終わったら、次は裏をまとめて採点します。
最後は、時間ギリギリまでテストを受けていた子供の分を回収して、採点をします。
これで、ほぼテストの採点は完了になります。
ただし、このテストの採点方法を行う条件は、
- テストの採点中に子供たちが立ち歩かず、静かに自主学習ができること
- テストを早く返却してもらえるメリットを子供たちが感じていること
が前提となります。
先生としても採点の仕事をしっかりと見せることで、「先生はテストを受けなくて羨ましい」という子供たちの考えを消し去ることにもなります。