小４算数「およその数（計算の見つもり）」指導アイデア《概数で表すよさについて考える》

特集: 1人1台端末時代の｢教科指導のヒントとアイデア｣

2023.11.01

単元の展開

第１時（本時）概数について理解し、概数で表すよさについて考える。
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第２時　四捨五入の方法と、その意味について理解する。
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第３時　四捨五入して、□の位までの概数にするときの表現や四捨五入の仕方を理解する。
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第４時　四捨五入して、上から○桁の概数にするときの表現や四捨五入の仕方を理解する。
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第５時　｢以上」｢以下」について知り、四捨五入して概数にする場合の範囲について考える。
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第６時　人口を棒グラフに表すなど、大きな数を概数で表すことについて考え、｢未満」について理解する。
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第７時　目的に応じた和や差の見積もりについて考える。
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第８時　目的に応じた積や商の見積もりについて考える。
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第９時　学習内容の定着を確認し、理解を確実にする。

本時のねらい

概数で表してもよい場面や、概数で表してはいけない場面を考えることを通して、概数で表すことのよさや、概数で表すべき場面について説明できるようにする。

評価規準

概数が用いられる場面について知り、概数を用いることのよさについて説明することができる。

本時の展開

がい数で表してもよい場面について考えよう。

仲間分けするとどうなりますか。

お金と時間と人数の３つに分けられます。

ほかにも仲間分けはできますか。

しっかりした数とそうじゃない数に分けられます。

本当だ。確かに。

しっかりした数とそうじゃない数というのはどういうことですか。

①は代金が1500円だからピッタリ1500円だけど、②は1500円ぐらいだから1500円より少ないかもしれないし、多いかもしれない。

ピッタリで正確な数と、大体の数で仲間分けができます。

数はいつでもピッタリで正確じゃないとダメですよね。

そんなことはないです。

算数の答えは正確じゃないとダメだけど、大体でいいときもあると思います。

大体でもいいときはどんなときでしょう。

概数で表してもよい場面について考え、その理由を説明しよう。

見通し

ピッタリ正確な数で表してないと困るのは、どんなときだろう。（方法の見通し）

およその数で表したほうが便利なときはあるのかなぁ。（方法の見通し）

いつでも正確な数で表す必要はないんだね。およその数で表すきまりはあるのかな。（結果の見通し）

自力解決の様子

A　つまずいている子

正確な数と概数の違いが分からずに困っている。（例：どちらも同じ20だと考えている）

Ｂ　素朴に解いている子

正確な数で表さなければならない場面について考え、概数で表してもよい場面と比べながら考えている。

Ｃ　ねらい通り解いている子

目的や場面によっては、概数を用いたほうがよいことを見いだし、その理由について考えている。

学び合いの計画

ただ概数についての表し方を教えるのではなく、概数で表すことのよさについて考えることを大切にします。よさを共有することで、数を手際よく捉えたり、処理したりすることができるようになります。

また、概数で表してもよい場面や、概数で表すことが相応しくない場面に着目させることで、場面や目的に応じて概数を用いることができるようにしましょう。

概数のよさを捉えることができれば、切り捨てや切り上げ、四捨五入といった知識・技能を身に付ける必要性を子供自身が感じることになります。

また、それぞれの知識・技能を目的や場面に応じて使い分ける思考力・判断力を育むことに繋げることもできます。

それぞれが学んだことを伝え合うことを通して、概数を用いることで、計算ミスを防ぐことができたり、余計な労力を削減することができたり、先の予測ができるようになったりすることに気付かせていきます。

概数を学ぶ価値を子供自身が明らかにしていくような学び合いを描いていきましょう。

ノート例

A　つまずいている子

B　素朴に解いている子

全体発表とそれぞれの考えの関連付け

※Ｃ１、Ｃ２、Ｃ３のそれぞれが発表をする。

Ｃ１
日本の人口や世界の人口はおよその数で表したほうがよいと思う。人口は生まれたら増えるから、毎日計算しなくちゃいけなくなっちゃう。

Ｃ２
学校のみんなに配るプリントがあったり、運動会の記念品を配ったりするときは、正確な人数を知る必要があるね。

Ｃ３　
買い物のときも一緒。レジですごく高かったら困るから、大体いくらぐらいかが分かっていればよいときもある。

３つを見比べて、気付いたことや考えたことはありますか。

Ｃ３の考えを聞いて、私も買い物のときに大体の金額を計算しながら、買い物したことがあったのを思い出しました。

うん。レジで足りなかったらなんか恥ずかしいもんね。

Ｃ１の考えを聞いたら「確かに」って思った。

日本や世界の人口の人数を毎日計算するのは大変そう。

いつもピッタリ正確な数を把握するのが難しい場合は、およその数で把握しておいたほうがいい場合もあるということですね。

そうです。計算する手間と時間も省けます。

人口を表す場合はおよその数がいいという話になっていますが、例えばクラスや学校の人数を表す場合もおよその数がいいということですか。

それは違います。Ｃ２のように正確な数が分かっていないと、配るときに足りなくなったり、余りすぎたりしてしまう。

この間おばあちゃんに学校には何人ぐらいいるのって聞かれたことがあったんだけど、そういうときはおよその数でいいと思う。

おばあちゃんも正確に知りたいわけじゃないもんね。

なるほど。正確に人数が分かっていなければいけないときと、大体の人数を把握できていればいいときがあって、場面に応じて使い分けることが大切なんですね。

そうです。場面によって使い分ける必要があると思います。

先ほど、おばあちゃんに全校の人数を質問されたと話していましたね。○○小学校は、全校で583人の児童が通っています。およその数で表すとすると、何人通っていると言えそうですか。

600人。

580人。

590人でも合ってると思う。

580人でも590人でも600人でも合っているということでいいですか。

合っているとは思うけど、およその数で表すときのきまりがありそうな気がする。

買い物や人口以外でもおよその数を使ったほうがいい場面がほかにもありそうだから探してみたいな。

およその数で表すときのきまりについても調べてみたい。

ピッタリ正確な数で表したほうがよいときと、日本の人口や買い物のときなどのように、概数で表したほうが便利なときがあることを知りました。

評価問題

がい数を用いて表すよさはどんなところにあると思いますか。具体的な場面と、がい数を使う理由を書きましょう。

子供に期待する解答の具体例

概数を使えば、12時におばあちゃんの家に着くようにするには、自分の家を何時に出ればよいかを予想することができます。バス停まで歩いてだいたい10分です。バスに15分ぐらい乗ります。そこから歩いて20分ぐらいでおばあちゃんの家に着きます。全部合わせると45分です。少し遅れたりするかもしれないから、11時10分には家を出たほうがよいことが分かります。こんなときに概数を使って考えれば便利だと思います。

感想例

今まで数を正確に求めたり、表したりすることが多かったから、概数で表してもよい場合があることにおどろきました。日本の人口や世界の人口のように、大きな数で、しかも毎日数が増えたり減ったりする場合は、概数で表したほうが便利だと思いました、買い物の場面など、目的によって概数を使うかを決めるのも大切だと思います。ほかにも概数で表したほうがよい場面を探してみたいです。あと、概数で表すときのきまりについても知りたいです。

ワークシート（ダウンロード可）

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