小一算数 ペアワークで「子どもが教える」ことで定着する
アメリカ国立訓練研究所が発表している「ラーニングピラミッド」という学習定着率を表すものがあります。その中で、「他の人に教える」ことが一番学習の定着率があるとされています。ここでは、算数の授業において、友達に伝える、友達に説明するというペアワークを紹介します。
執筆/授業力&学級づくり研究会
目次
ペアワークを取り入れよう!
10~11月は、一年生の算数で難しい単元と言われる「くりあがりのたし算・くりさがりのひき算」の学習の時期です。より学習を定着させるために、「他の人に教える」といった機会をつくってみましょう。
「どうして?」と問い返す
「どうして?」と聞かれると、人は「だって・・・」と説明したくなるものです。そこで、「どうして○○になるの?」と子どもたちに問いかけ、ペアで説明し合う場面をつくります。先行学習の子たちもアクティブに取り組みます。このとき、「どうして樋口くんは○○と考えたのかな?」とお友達の名前を入れることで、子どもたちはより親近感が湧き、考えるようになります。また、「先生よくわからないから、説明してくれる?」と、先生がその問題や解き方をわからないふり、知らないふりをして、子どもたちに投げかけることもとても盛り上がります。
しかし、この「どうして?」は要注意です。「どうして?」を連発すると、「先生またか・・・」と子どもたちはしらけるようになります。「どうして?」は一番考えさせたいところ、理解させたいところで使うことが有効です。
他にも次のようなことを行うと効果的です。
自分の考えを相手に伝える
相手に自分の考えを説明する場面をつくります。そして、自分の考えが伝わったかどうかを相手に◎、○、△で評価してもらいます。その時、なぜその評価なのか、理由も言ってもらいます
友達の考えを再現し、説明する
相手の考えを聞き、相手の考えを再現してみます。そして相手(友達)の考えを言えたかどうかを◎、○、△で判断してもらいます。
『小一教育技術』2017年11月号より