夏休みにやるべき教頭タスク! ~教頭のおしごと歳時記 夏休み編【がんばれ教頭クラブ #5】

連載
GKC(がんばれ教頭クラブ)

元山形県公立学校教頭

山田隆弘

長い夏休み、児童はいろいろな思い出をつくる時期。保護者の皆さんは、児童とともに過ごすので、嬉しい反面、児童のお世話や家庭の行事で疲れる日々。教職員の皆さんは、研修や研究も大事ですが、しっかり休養をとって、英気を養ってもらいたいものです。
しかし教頭は、夏休みといえども気が抜けません。長期休みには長期休みなりの仕事があるからです。せっかくの休みを少しでもエンジョイするために、夏の仕事を効率よくこなしていきましょう!

1 学校プール閉鎖の仕事あれこれ

ここ数年、年を追うごとに夏の猛暑は勢いを増しているようです。その熱中症予防の観点から、1学期あるいは7月いっぱいで学校のプールを閉鎖するところが、かなり増えてきたのではないでしょうか。学校プールを閉鎖するにあたって、次のようなことに気を配る必要があります。

○水回り確認
トイレ、洗面所、シャワーなどの閉め忘れ事故はたまにあります。そうなると法外な水道料を請求されることになります。寒冷地では元栓を閉め、水道管の中に水が残っていない状態にすることも必要です。

○機械の電源OFF・薬剤管理・施錠の確認
機材の電源は確実に落とされて、長期保管状態になっているか。薬剤は正しく保管されているか。しっかり確認しましょう。設備の施錠確認は当たり前ですが、たまに錠がうまくかみ合わない、建付けが悪いなどの障害が見られることもあります。業者への依頼も含めて修繕対応をし、自分の目で現場確認しましょう。

○窓や扉の施錠確認
施錠確認は当たり前ですが、たまに錠がうまくかみ合わない故障の場合があります。そのままにはしておけませんので、修繕するか業者に依頼するか対応が必要です。きちんと施錠して次のシーズンを待ちたいものです。

これらのことを担当者や業者任せにしてはいけません。必ず現場確認をしていきたいです。

2 水道の出し水

長時間水栓が閉まってしまうと、水道管の中の水は、そのまま留まります。夏休み明けに水栓をひねると、1か月以上前からそこにあった水が出てきてしまうわけです。
児童にこういった水を飲ませるわけにはいきません!  始業前日、あるいは前々日にきちんと校内の各水道から水を出し、「捨て水」「出し水」をしたいものです。
夏以外の連休時にも、この作業をすればなお万全です。

3 私事旅行届提出の徹底

<○○に行ってきました>と包装紙に書かれたお菓子、旅行のお土産では定番ですね。
ある連休明けに、そんなお土産が職員室にありました。
「ラッキー! コーヒーブレイクにいただこう!」
「○○せんせい、楽しかった?」などと話しているものの内心、『あれ、私事旅行届が出てなかったよね!』と思っていました。
災害が起きた、児童に事故があったとなると、教員は休み中でも対応しなければなりません。管理職から呼び出しがあれば、すぐ急行しなければならないからです。
しかし、私事旅行届を出しておけば、よほどのことがない限り呼び出しはありません。教員は自分の身を守るためにも、きちんと申請をして気持ちよく遠出をしたいものです。
長い休みに入る前や、旅行の予定を立てていそうな人がいる場合には、ぜひとも確認をしておきましょう。
申請に関しては、

県外なら必要
5日以上なら必要
連絡体制を確立しておけば不要

など、自治体によってルールが異なるようですので、チェックしておきましょう。

4 気になる児童への配慮

明らかな問題にはなっていないものの、気になる児童がいる場合があると思います。常日頃から教頭として、こうした児童のことをリストアップしておき、長期休み中にコンタクトをとって、必要とあれば対策をしましょう。

朝食をとってこない児童
集金が滞りがちな児童
DVされるまでにはいたっていないようだが、態度が不自然な児童
洗濯されていない服をいつも着ていたり、満足に入浴していない児童
両親の動態が不安定な児童
休みがちな児童

上記のような児童は、家庭環境に重大な問題を抱えている可能性があります。担任と連携しながら、ぜひ具体的に気にかけてあげましょう。

5 暑中見舞いの返信 

学校には暑中見舞いや年賀状などの葉書がたくさん届きます。学校に関わる業者さんへの返信は不要ですが、転校していった児童、教育実習生、県外に転勤していった教職員など、関わりの深い人から届くこともあります。これらは担任などにうまく振り分けることが大切ですが、中には地域住民の方からのものなど、学校としての返信が必要な場合もあります。葉書を出していただいたことに感謝する返事を、抜かりなく教頭(副校長)がしておきたいものです。

6 誰もいないからこそできること

夏休みは、職員の出勤が少なくなり、校舎が全体的に静かになります。こんなときこそ、気づくことやできることがあります。教頭(副校長)として、以下のこともやってみてはいかがでしょうか。

①攻める廃棄!
夏休みは、気兼ねなくコピーやシュレッダーなどを使うことができます。廃棄文書を整理するのに絶好の機会です。とにかく捨てましょう!  公文書でも保存期間が過ぎたものなどは、シュレッダーにかけたり、がっちり縛って焼却処分にしたりどんどん進めていきたいです。すっきりしますし、大切なものと不要なものの区別もしっかりつくようになりますよ!

②不審者目線で校舎のセキュリティを見直す!
心に余裕のある今だからこそ、例えば自分が不審者で、学校に侵入を試みるなら、どうするかを考えてみるのもいいですね。
セキュリティの甘いところがないか、校舎の外から見直してみます。
そして脆弱な箇所に気づいたら、どう対策をすればよいか考えてみましょう。
この窓は低いので、常時開けないようにしよう。
ここに「監視カメラ稼働中」の貼り紙をして目立たせるのがいいな。
この場所は職員室からかなり遠いな。電話機を増設したほうがいいようだ。
このような観点で、校内を見回ってみましょう。

③学校年表などを整備する!
来客の目に触れるところに、学校の歴史、歴代校長、歴代PTA会長の名前などが書かれた年表を掲示している学校があります。こういうところに気が回っていると、来客から「しっかりした学校だ」という印象をもってもらえます。ゆとりのある夏休みはこういった掲示を更新するのに適した時期です。来客の動線を考えて、展示物、掲示物を見直してみましょう。

④ラベルライターで視認性をアップする!
わたしが現役の頃によくやっていたのが、ラベルライターでテープを作り、要所要所に貼ることです。
スイッチ <例:換気扇・南西電灯…>
体育館 <例:バスケットボールのゴールはゆっくり上げ下げしましょう>
理科準備室 <例:施錠中>
職員室机に名札 <例:(教員の名前)>
文房具に記名 <例:事務室用・職員室用>
窓 <例:この窓は開けないようにします>

といったものです。ラベル貼付によって、何度も指導を繰り返す必要がなくなったり、物品の管理がしやすくなったりします。また、職員室の机に教員の氏名シールを貼っておくと、不在時の資料配付に役立ちますよ。

⑤電気関連のチェック
火災予防のために、電気関係をチェックすることは重要です。
長い間さしっぱなしのコンセントにホコリがたまり、そこに湿気が加わると、放電が起こって火災につながることがあります。いわゆる「トラッキング現象」というものです。目の前での発火を見たことがあります。通電の必要のないものは抜いておくことがいいのですが、さしっぱなしにしなくてはならないところでは、ホコリがたまっていないかを点検する必要があります。ゆっくり校内巡視をしながら、通常期よりもこういった箇所に気を配るといいですね。特に職員室のデスク下や、器物の裏にあるコンセントは要注意です。

さらに、新学期の数日前から、2学期がうまくスタートできるかどうか、いろいろな視点からシミュレーションをしておきましょう。教職員の健康状態、始業式の運営、学期はじめの学級開き、給食の実施、児童の動態などですね! 万全の心構えで、新学期の良いスタートを切りましょう!

イラスト/坂齊諒一


山田隆弘(ようだたかひろ)
1960年生まれ。姓は、珍しい読み方で「ようだ」と読みます。この呼び名は人名辞典などにもきちんと載っています。名前だけで目立ってしまいます。
公立小学校で37年間教職につき、管理職なども務め退職した後、再任用教職員として、教科指導、教育相談、初任者指導などにあたっています。
現職教員時代は、民間教育サークルでたくさんの人と出会い、様々な分野を学びました。
また、現職研修で大学院で教育経営学を学び、学級経営論や校内研究論などをまとめたり、教育月刊誌などで授業実践を発表したりしてきました。
『楽しく教員を続けていく』ということをライフワークにしています。
ここ数年ボランティアで、教員採用試験や管理職選考試験に挑む人たちを支援しています。興味のあるものが多岐にわたり、様々な資格にも挑戦しているところです。


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