【相談募集中】反抗的な児童と敵対関係になり学級が荒れてしまいました
反抗的な児童と敵対関係になってしまい、学級が荒れてしまったという相談が「みん教相談室」に寄せられました。これに回答したのは、みん教の音声番組・ミサエラジオでの愛情深いポジティブトークで人気の佐賀県公立小学校教諭・小倉美佐枝先生。教室を明るくする言葉がけのヒントなど、前向きになれるアドバイスを送りました。その内容を紹介します。
目次
Q. 反抗的な児童と敵対関係になってしまう
教職4年目です。私は、反抗的な児童と敵対関係になってしまいます。毎年、気をつけようと意識しているつもりでしたが、注意が重なり、指導が激しくなると悪化の一途を辿り、敵対関係になります。こうなると、指示が全く通らず、問題行動は増加してしまいます。その子との信頼関係も構築できていないのを感じます。
昨年度は、このような子が3学期に一気に増え、学級が荒れてしまいました。ネットで、学級崩壊をさせる教師の特徴や学級崩壊のチェックリストを見たりすると、よく当てはまり、こんな自分が教師を続けていいのかと考えてしまいます。
今年度の学級でもまた同じことをしてしまうのではないかと、とても不安です。子どもたちとの信頼関係の構築、心を掴むためにはどうしていけばいいのでしょうか。(ふむふむ23先生・20代女性)
A.子供を変えることは「至難の業」。まずはご自身の対応から変えてみては
いただいたご相談内容を読むと、子供とご自身が向き合ったときの状態について、とてもくわしく理解されているなあと感じました。ただ、ひとつだけ気になることがあるのです。
それは、ご自身の対応の変容についてです。
教師へ反抗的な態度や様子が見られる子供に、自分がどのように接しているかに気づき、それが「うまくいっていないのでこのままではいけない」と捉えているものの、その段階にとどまっているように伝わりました。そこまで、ご自身のことを見つめる力があるのに、「こんな自分が教師を続けていいのか」と思うほど、自分を追いつめるのは、正直、もったいないですよ。
子供を変えることは「至難の業」なのです。それよりも、先生ご自身の対応の仕方を変えることがいちばんの近道です。
まずは、「反抗的」という状態を考えてみましょう。自分自身が誰かに対して反抗的な気持ちになる場面はどのようなときでしょうか。
例えば、私は、頑張っているのになかなか認めてもらえないときや、自分にばかり何かを押し付けられるときです。そんなときには、思わず反抗的な言葉や態度を表してしまいます。
注意されれば注意されるほど、ムキになってしまう。そんなことも、私にだってあります。学級のみんなの前で注意される回数が増えるほど、イライラする気持ちのやり場がなくなり、余計に反抗してしまうことだってあります。「ああ、自分が子供のころもそんな気持ちになったことがあるよなあ」と、思い出してみてくださいね。
次に、指導の在り方を変えてみてはどうでしょうか。その瞬間の不適切な対応や態度、言葉が見られたからといって、まわりの子供たちを傷つける状態でなければ、注意は1回にとどめることです。
そして、ぜひ、適切な行動をすかさず認める言葉がけを増やしていきましょう。さらに、「頑張っているね」「よくできたね」という言葉がけだけではなく、「この難しいお話に、3文も感想を書いたんだね!」「手のひらに力を込めてぞうきんがけしたね」など、より具体的に、その子の行動を表現できる言葉がけができるとなお良いですね。
どんなに教室で「うまくいかないこと」や「失敗」、「感情が高ぶること」があったとしても、ほかの場面やほかの瞬間で認め合えるチャンスが増えていくと、教室内の雰囲気が一気に明るくなります。
それでも、どうしてもうまく関われないときは、程よい距離感を保ち、深追いしないことです。「まあ、しかたない」「今はそんな気分なのだろう」と、先生自身が大人になることも大切です。子供も自分自身も追いつめ過ぎず、時間や距離を置いて様子を見てみる。そして、先生自身が冷静になって、深呼吸。まずは、そこから始めてみてくださいね。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。