子どもの思考をぐんと深める「発問」 のコツ
二学期です! 教室で子どもたちは生き生きと活動しているでしょうか? 教師の発問に対して黙ってしまう場面はありませんか? 今回は「主体的、対話的で深い学び」につながる発問(主発問・補助発問)について考えてみましょう。
目次
発問を見直してみよう

以前教えていただいたことを参考に教材研究をして授業に臨んでいるのですが、授業に活気がありません。子どもたちが黙ってしまう場面が多くて ……。どこに原因があるのでしょうか?
うーん、発問を見直す必要があるみたいだね。先生の発問ひとつで、授業は大きく変わるはずだよ。
先生が発問した内容が子どもたちにうまく伝わらず、聞き方を変えて何度も問い直したという経験はありませんか? また、なかなか発問の内容が伝わらず、授業の大半が先生の説明になってしまった…… などという経験もあるかもしれません。
発問には、主発問と補助発問があります。主発問とは、本時の目標にかかわる中心的な発問で、その主発問を補ったり、詳しくしたりするものが補助発問です(文部科学省のホームページには、主発問とゆさぶる発問とが記されています)。主発問は、児童の思考に働きかけるものでなければなりません。一問一答になるような質問は、避けたいですね。
主発問で子どもの思考をゆさぶる
例えば、国語「ごんぎつね」の最後の場面、ごんが兵十に撃たれた場面の主発問を考えてみましょう。
A 「撃たれたときのごんの気持ちを考えてみましょう」
B 「撃たれたごんは、なぜうなずいたのでしょうか」
国語科物語文の学習では、主人公の気持ちに迫りながら読み深めていくことが多いですね。一見、Aの発問は主人公の気持ちに迫るための発問のように思われますが、子どもは、ごんが兵十に撃たれたという事象に着目し、そこから「嫌だった」「悲しかった」などと考えることが予想されます。これでは、本文を手掛かりにして考えているとは言えませんし、主人公の気持ちに迫る発問にはなっていません。
一方Bの発問では、なぜうなずいたかを問うているため、その理由や根拠を本文から探したり考えたりして読むことが予想されます。また、これまでの主人公の気持ちの変化にも着目するでしょう。友達の意見を聞いて「本当だ! ○ページで、ごんはこんなことを言っていたんだね」「○○さんは、3場面のごんの気持ちから想像したんだね」など、本文をもとにした話合いに発展することができます。

このように同じ場面でも、発問ひとつで授業は大きく変わります。子どもたちの思考に働きかけ、子どもたちの心を揺さぶる主発問を吟味する必要がありますね。
また、発問をしたら、考えさせるための時間をしっかりととるようにしましょう。先生は発言を減らし、時には沈黙することによって考えさせることも大切です。
これからは教材研究をする時に、主発問を書きだすだけでなく、本当にこれでよいのか、もう一度考えるようにします。
次は補助発問について考えていこう。補助発問を工夫すれば、授業が変わるよ。