• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

友達や下学年と絆を深める修学旅行

2019/9/28

6年生の子どもたちにとって、一番の思い出になるであろう修学旅行。指導者としてねらいをもち、年間の学習の中に位置づけ、学級活動で子どもたちと一緒にめあてを決めて取り組みましょう。ここでは広島への旅行例をご紹介します。

修学旅行イメージ
撮影/金川秀人

広島への修学旅行を例に考える

修学旅行のねらい
①集団生活に必要なルールやマナーなどを習得する。
②旅行先の自然・文化・歴史などに関して、見聞を広める。
③友達と寝食を共にし、これまで気づかなかった自他のよさに気づき、友情を深める。

【事前の活動】

●昨年度の活動を参考に
昨年度と旅行先やコースが同じ場合、映像や写真を見せましょう。どのような活動をするのか、具体的に説明することで、意欲を高めることができます。しかし、現地で味わえる驚きや感動は、事前の説明では控えておくことも大切です。また、保護者説明会でも活用すると、分かりやすく伝えることができます。

●修学旅行実行委員会
実行委員を中心に、修学旅行の企画や運営を進め、主体的な取り組みができるよう指導していきましょう。
・学年全体のめあての決定
・出発式、入所式、帰校式のあいさつ
・しおりの作成
・歌集の作成
・レクリエーション(バスの中のゲーム、歌、クイズ。夜の集いの室内オリンピックなどの計画と司会進行)

●平和学習
一学期より、総合的な学習の時間や道徳の時間などに学習したことを、一人1冊の平和学習ファイルにまとめていくとよいでしょう。
・調べ学習(広島、原爆、大阪大空襲、平和記念資料館、佐々木禎子さん、佐伯敏子さんなど)
・文学教材学習(「ヒロシマに歳はないんよ」「ヒロシマの歌」など)
・音楽(「青い空は」「ふるさと」など)

●異年齢との交流を
総合的な学習の時間などに、修学旅行先の自然・文化・歴史などについて調べてきたことを、下学年の子どもたちに伝えましょう。そして、学校の最高学年である6年生として、修学旅行に行ってくるのだという自覚を育てましょう。

児童朝会で

平和の集いをします。六年生と一緒に平和について考えましょう。

平和のつどい(各学年ごとに1時間ずつ)

まちんと(松谷みよ子)を読んで、平和学習をするこどもたち

児童朝会で

この前折って貰った鶴で千羽鶴を作りました。皆さんの平和への願いを広島に届けてきます。

●友達との人間関係づくり

・バスの座席
・見学グループ分け
・宿泊先での部屋割りなど
これらのグループ編成は、子どもたちにとって重要な関心事であり、学級づくりに大きな影響があるといっても過言ではありません。子どもたちに任せすぎて大きな混乱が生じないように、細心の注意が必要です。編成の方法を事前に子どもたちと話し合ったり、約束事を決めておいたりするとよいでしょう。

【当日の活動】

●聞き取り学習

宿泊先などで、原爆を体験された方からの聞き取り学習を行います。その恐ろしさや戦争のつらく悲しい思いを聞き、涙する子どもたちもいます。そして、私たちが、そのつらさや悲しさを語りつぐ大切さを感じ取るのです。

●家族への手紙

一日目の振り返りとして、各家庭にあてた絵手紙などを書きます。旅先で学んだことや楽しかったことなどを思い出して振り返ります。親元を離れて、命の大切さを学んだあと、保護者へ送るメッセージもよいでしょう。

【事後の活動】

●全校児童へと報告

児童集会などの時間を用いて、修学旅行報告会を行います。全校児童を代表して、修学旅行に行き、学んできたことを伝えましょう。映像を見せたり、詩の朗読をしたり、歌を歌ったりして報告します。五年生にとっては、次年度の修学旅行への意欲を高めることにつながります。

修学旅行報告会

皆さんの千羽鶴を届けました

●修学旅行壁新聞

修学旅行で楽しかったこと・感動したこと・友情が深まったことなどを新聞にまとめます。グループや個人などで、思い出して記していくことで、振り返り学習ができます。保護者向けに書くのか、下学年に向けて書くのか、相手意識をしっかりもって書くことが大切です。

●学習参観で

修学旅行で学んだヒロシマについて、学習参観で保護者のみなさんに報告します。6年生全体で行うのもよいでしょう。よびかけ、歌、リコーダー、詩の朗読、作文の発表などで一時間を構成します。また、学習発表会があれば、「はだしのゲン」などをもとに台本化し、劇化して表現するのもよいでしょう。下学年の子どもたちに、ヒロシマをわかりやすく伝えることができます。

学習発表会

お母ちゃん! 早う防災ずきんかぶるんよ!
児童集会で行った、よびかけやリコーダー合奏をするのも良いですね。

<参考>
『ヒロシマに歳はないんよ』佐伯敏子 ヒロシマ・ナガサキを考える会
『ヒロシマの歌』今西祐行 フォア文庫
『まちんと』松谷みよ子 偕成社
「青い空は」作詞/小森香子 作曲/大西進
「ふるさと」作詞/高野辰之 作曲/岡野貞一
『はだしのゲン』中沢啓治 汐文社

執筆/大阪府公立小学校教諭・藤岡愛子 イラスト/北澤良枝

『小六教育技術』2017年8月号増刊より

関連する記事

行事記事一覧

4年3組学級経営物語(17)

4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。子どもたちの熱意を伝え、西華祭の出し物を、禁止されているお化け屋敷の実施を決意し…

学習発表会を成功させよう【小四・水の大切さを考える】

「学習発表会」は、子供たちの自主性・自立心を育てるチャンスです。四年生の 舞台発表実践事例 「わたしたちのくらしと水」の本番までのスケジュールを追って、内容と指…

4年3組学級経営物語(16)

4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。 「豊かな学び」には、学習環境の豊かさ、高い知的好奇心が必要。それを実現できる「…

音楽が苦手な先生のための音楽会の実践アイディア
音楽が苦手な先生のための音楽会の実践アイディア

音楽が専科でなくて苦手な先生や、ピアノが上手に弾けない先生も心配いりません。日常の授業を使ってできそうな音楽会のネタと練習のコツについて、畠山先生からアイディア…

こんな学芸会は嫌だ!&理想の遠足【保護者アンケート】

学習発表会が11月に予定されている学校も多いことでしょう。また気候が安定しているので、校外学習に適した時期でもあります。そこで今回は、学芸会と遠足はこうあるべき…

音楽会まで短い練習時間!ここをおさえればOK

音楽会に向けて、体育館での練習が始まる時期です。教師の気持ちだけが空回りすることのないように、全員で楽しみながら本番を迎えたいものです。では、短い練習時間でどの…

ミニミニ劇の力!~楽しく学び、達成感を味わう~

ミニミニ劇は、歌に合わせて言葉を言ったり、体を動かしたり、五感を通して物語の世界を体感できます。そのため、物語の世界を深く味わうことができます。また、その創作プ…

オリジナル脚本「かにむかし」イメージ
絶対ウケる!学習発表会オリジナル脚本「かにむかし」

昔話のアレンジで、自分たちらしい劇を作ってみましょう。学習発表会などで発表してみましょう。ここでは、「さるかにばなし」をアレンジした多賀先生考案の「かにむかし」…

学習発表会を子供と創る!学芸会の劇指導

芸術の秋です。この時期、学芸会を開く小学校も多いのではないでしょうか。本誌連載「特別活動のすべて」が好評の清水弘美先生が、はじめての学芸会での劇の準備や対策につ…

【セミナー動画】子どもたちが広げる組体操の可能性(埼玉県組体操協会・戸田克)

7月に開催された「全国組体操研究発表会in東京」のセミナーを動画でお届けします。『いまこそ安全!組体操 ~「高さ」から「広がり」へ!新技50~』(小社刊)などの…

もっと見る