小2算数「はこの形を調べよう」指導アイデア《はこの作り方を考える》
執筆/神奈川県公立小学校教諭・梅本樹徳
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、島根県立大学教授・齊藤一弥
目次
本時のねらいと評価規準(本時6/6時)
ねらい
直方体の形をした箱を、辺の長さや面の数に着目して、作り方を考察する。
評価規準
直方体の形をした箱を構成する要素や性質に着目して、箱の作り方を考えている。
課題
係活動で使う道具を片づける箱を作って、身の回りを整理しよう。
係活動で使う紙や作品を、上手に片づけられていますか。
引き出しやロッカーに入れておくと、くしゃくしゃになることがあります。
片づける場所や箱があるといいのにな。
どれくらいの大きさの箱があると便利でしょうか。
お道具箱くらいの大きさです。
お道具箱がもう1つあると整理できそうですか。作ってみますか。
できそう。作ってみたいです。
これまで箱の形の勉強をしてきましたが、使えそうなことはありますか。
面は6つあるから、それを組み合わせるとできます。
お道具箱を写し取るのは、大きくて大変そうだな。
辺の長さを調べて面をかけないかな。
確かに。今までの学習が使えるかもしれない。
学習のねらい
今まで学しゅうしたことをつかって、はこの作り方を考えよう。
見通し
辺の長さを調べて長方形をかこう。
ペアになる長方形は3組あったよ。
自力解決の様子
A つまずいている子
すべての辺の長さを調べながら面をかこうとしている。
B 素朴に解いている子
向かい合う関係にある3組の長方形の辺の長さを調べ、面をかこうとしている。
C ねらい通りに解いている子
3つの辺の長さで直方体の形が決まることに着目し、3つの辺の長さを調べて面をかこうとしている。
学び合いの計画
本単元では、立方体や直方体の形をした箱が、正方形や長方形の学習と同じように、頂点・辺・面といった図形を構成する要素でできていることを見いだすことが大切です。
そのために、箱を分解したり、面の組み合わせ方を考えたりして、立体図形が平面図形によって構成されていることに気付いたり、竹ひごを用いて立方体や直方体の頂点や辺の数や長さなどを見いだしたりしていきます。
こうして得た学びを活用することで、より確かなものにしていくことが大切です。どのような形かを知るために、直方体や立方体を調べることで学びを閉じず、調べて明らかになったことをどのように使えるかという視点で、授業づくりを行うようにしましょう。
本時では、学習のまとめとして、これまで学んできた立方体や直方体を構成する要素や、性質を活用して箱を作る活動を通し、その理解を確かなものにしていきます。
ノート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
まず、何から始めますか。
3つの辺の長さを調べて長方形をかきます。
すべての辺の長さを測らなくていいのかな。
だって、面が長方形の箱は、3つの辺の長さでできていたから。

3つの辺とは、お道具箱のどこの長さのことかな。
頂点から出ている3つの辺の長さです。1つの頂点を決めると分かるよ。
粘土と竹ひごで箱を作ったときに勉強したよね。
長さが分かったら、長方形がかけるね。
いくつ長方形をかくのかな。
6つです。だけど、3種類だけで大丈夫。
向かい合う長方形は、同じ形だったね。

あとは、組み立てれば完成だよ。
6つも長方形があると、間違えてつないでしまわないかな。
辺の長さが等しいところをつなげばいいから、大丈夫。
同じ形は隣り合わないよ。

最後にふたですね。
ふたになる面は、どの辺とつなげるかによって、開き方が変わりそうだよ。
ふたになる面を変えると、箱を置く向きも変わるよ。縦長の箱もできるね。
ふたをなくすと、かごみたいになるよ。

本時のまとめ
評価問題
さいころの形をしたはこを作るとしたら、へんの長さをいくつしらべるとよいですか。何しゅるいのめんの形がひつようになりますか。
子供に期待する解答の具体例
すべての辺の長さが等しいので、1本だけ調べるとよいです。面の形は、同じ大きさの正方形が1つだけです。
本時の評価規準を達成した子供の具体の姿
立方体を作るときに必要な面の大きさや形を、立方体を構成する要素に着目して説明している(発言・ノートの記述)。
感想例
- 3つの辺だけ調べれば、箱の大きさが決まるので、簡単に箱を作れるようになりました。
- 長方形のある箱が、どのような形だったかを思い出しながら、箱を作ることができました。
- ふたをどの辺につなげるかで、ふたの開き方や箱の向きも変わるので、よく考えてつなげることが大切です。
イラスト/横井智美
『教育技術 小一小二』2022年2/3月号より