一人一人が自信を付けて次の学年へ!~学級活動(3)「もうすぐ○年生」の工夫

執筆/神奈川県公立小学校教諭・江原和宏

今の自分に自信をもち、1年間を終えよう

年度末、多くの子供が次の学年への期待をもつものです。しかし、次の学年への不安を抱える子供もいることを意識しなくてはなりません。

原因としては「友達ができるかな」「勉強についていけるかな」「新しく始まること(委員会やクラブ活動)をうまくやれるかな」といった不安が考えられます。子供の不安をできるだけ解消し、自信をもって進級できるよう、教師が配慮していくことが大切です。

そのためにも今の自分を見つめ、次の学年に向けてがんばることを意思決定して実践をすることが欠かせません。自分が決めたことを最後までやりとげた経験こそが、次の学年のよいスタートにつながります。

「もうすぐ○年生」学級活動(3)の工夫

次の学年への見通しをもつことが、めざしたい姿に近付くうえでとても大切です。4月に向けた期待感や安心感をもてるようにすることも、担任としての役目です。これまでの成長を価値付け、次の学年へステップを踏みだせるように、出口と入り口を意識した学級経営をしていきましょう。

❶疑問や聞いてみたいことを出し合う

学級活動(3)で話合いをする前に、次の学年へのイメージをもてるようにアンケートなどを行います。聞いてみたいことや知りたいことを考えることで、興味をもてるようにします。

❷先生や子供に聞いたことを掲示する

実際に取材を通して分かったことを掲示板に貼ります。疑問や知りたいことを自分から聞くことで、次の学年への関心も高まっていきます。

❸一つ上の学年からの追加メッセージ

できあがった掲示板は、廊下に貼り、1つ上の学年も見ることができるようにします。学校単位での活動になりますが、年度末に励ましのメッセージを下の学年に送る活動を取り入れることで、全校で次の学年への意識が高まります。

❹次の学年に向けて、今から取り組むことを見付ける

次の学年と今の自分のつながりを意識して考えられるようにします。これまでのふり返りや、次の学年への事前アンケートや取材を通して考えたことを出し合い、みんなで話し合って、どのようなことに今取り組んだらよいかを意思決定します。

❺決めたことを実践する

自分に合った具体的な目標や実践方法が決められたら、期間を決めて実践をします。実践途中の段階でも、子供たちができるようになったことや、できるようにがんばっている姿を認めて、実践への意欲を引きだしましょう。

❻ふり返りをする

実践をしたら、必ずふり返りをするようにします。ふり返りの中で、考えを全体で共有し、教師は子供たちが努力したことを認め、温かい言葉をかけることで、一人一人の自己肯定感を高めるようにしましょう。

イラスト/山本郁子

『教育技術 小三小四』2022年2/3月号より

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