小4算数「変わり方」指導アイデア
執筆/福岡県公立小学校教諭・岩本幸就
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、福岡教育大学教授・清水紀宏
目次
本時のねらい(本時4/6時)
テーブルの数と座れる人数の関係に着目し、表や式を用いて変化や対応の特徴を考え、説明することができる。
評価規準
テーブルの数と座れる人数の変化や対応のきまりを見いだし、そのきまりを用いて問題を解決することができる。(思考・判断・表現)
問題
下の図のように、1列にテーブルをならべて、そのまわりに人がすわります。
(テーブル1個に4人、テーブル2個に6人座った図について、テーブルの数と座っている人数を子供と確認する。)
(テーブル3個の図を示さずに)テーブルを3個にすると、何人座れると思いますか。
(8人、10人など、思い思いに答えをつぶやかせた後、テーブルが3個の場合の図を示す。)
同じようにテーブルの数がもっと増えても、何人座れるか求められそうですか。
変わり方のきまりを見付ければ、求められます。
今までのように、表を使ったらきまりを見付けられると思います。
では、今日も表を使って変わり方のきまりを見付けて、次の問題を解いてみましょう。(問題文Qを提示する。)
問題文Q
テーブルの数が8このとき、何人の人がすわれますか。
学習のねらい
表を使って変わり方のきまりを見付け、図と結び付けて説明しよう。
自力解決の様子
A つまずいている子
それまでに扱ったテーブルの数が3までの表をかいている。
B 素朴に解いている子
座れる人数が2人ずつ増えていることに気付き、テーブルが8個のときの座れる人数を求めることができるが、2人ずつ増えている理由などを図と結び付けて説明することができない。
C ねらい通り解いている子
二人ずつ増えている理由や18個である理由を、図と結び付けて説明することができる。
学び合いの計画
Aの子供には、テーブルが4個の図をかかせ、3個から4個の場合にも2個増えていることに気付かせ、続きを考えさせましょう。Bの子供には、「『2』って図のどこにあるのかな」と発問するなどして、「2番目の図」と「3番目の図」で、どの2名が増えたかを考えさせましょう。すべての子供が図でこのことを見出すことは難しいので、全体交流で理解させるとよいでしょう。
なお、2+2×8=18という表の縦の対応につながる見方も図で確認し、この式に表せば、椅子の数がいくつでも人数が簡単に求められるというよさを味わわせたいです。
ノート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
Aさんが表をかきました。この表からどのような規則が分かりますか。
座れる人数が2人ずつ増えています。
テーブルの数が1増えると、座れる人数が2増えるというきまりがあります。
椅子が8個のとき、何人座れるでしょう。
座れる人数が2人ずつ増えているので、2ずつたしていくと18人になりました。
表から見付けたきまりを使って求めることができましたね。さっきから2をたすと言っているけど、2は図のどこにありますか。
テーブルの数が1個増えると、座れる人数は、図の●のところが2人増えます。2はこの●のことです。
両端の2人はどれも同じです。残りの人はテーブル1個に向かい合わせで2人座っています。だから、椅子が8個のときに座れる人数は2+2×8=18です。
この考えからも、椅子が1個増えると、座れる人が2人増えることが分かります。
学習のまとめ
表で見付けたきまりと図を結び付けて考えると、答えの解き方がよく分かる。
評価問題
24人すわるには、テーブルがなんこいりますか。
子供に期待する解答の具体例
①(表省略)
テーブルの数が3のとき8人座れる。24-8=16で16人増えている。1つのテーブルに2人座るから、16÷2=8で、テーブルを8個増やせばよい。
3+8=11 11個
②両端の2人を引くと22人。
22人が1つのテーブルに2人ずつ座るから、
22÷2=11 11個
感想例
図と表を結び付けて考えることが大切だと分かった。
『教育技術 小三小四』2021年12/1月号より