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2年生「ひっ算(くり下がりのあるひき算)」【「算数つまずき防止」ここがポイント!#3】

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中野博之
2年生「ひっ算(くり下がりのあるひき算)」【「算数つまずき防止」ここがポイント!#3】

算数は一つつまずくとその後の学習が進みにくくなる教科ですが、どのような授業づくりをすれば、つまずきを防止できるのでしょうか。今回は2年生「筆算(繰り下がりのあるひき算)」の内容を弘前大学教育学部附属小学校・赤垣由希子教諭に伺いました。


弘前大学教育学部附属小学校・赤垣由希子教諭

   監修/弘前大学教授・中野博之


筆算に入る前に押さえて起きたいレディネス2点

2年生の学習内容で、子供たちが最も苦労するのは何かと言えば、「筆算」の中の「繰り下がりのあるひき算」だと思います。この学習の確かな定着を図るために、課題となるポイントと、それに対応するレディネスとして事前に押さえておきたいことが2点あると私は考えています。

まず1点目は、繰り下がりのあるひき算をするとき、算数が苦手な子は、ひく数にたしている場合があるということです。例えば13-8を計算するときに、8から9、10、11、12、13と数えながらたしていって、つまり8から13になるまで、いくつたしていったらよいかを数えて、5と答えを出す子がいます。計算の答えが正しく出せている子のなかにも、実はこんな計算をしている子供がけっこういたりするのです。このままでは、筆算の計算ではとても苦労してしまうので、事前にこうした計算をしている子を見付けて、スムーズに計算できるようにしてあげるというのが1点目です。

2点目は、1年生のときに学習した「さくらんぼ計算」はとても印象が強く、必ずここに戻って考えながら計算をしている子供がいるということです。そのため、筆算で繰り下がりのあるひき算を計算するときにも、16-8を計算するときに、「16を10と6に分けて、10から8をひいて、残りの2を6にたして…」と、いちいち考えながら計算しているのです。こうした子供は、筆算の計算過程で、「ひき算をしていたのに、たしていいんだっけ?」などど混乱して困ってしまうことがあります。ですから、筆算の学習を進めていくためには、繰り下がりのある2桁-1桁の計算の答えが、考えなくてもすぐに出せるくらいにしておきたいものです。

ちなみに、10~19までの数から1桁の数をひいたときに繰り下がりが生じる計算は、全部で35種類あります(19の場合はなし、18は18-9、17は17-9と17-8、16は…)。私は「筆算」の学習を始める前には、この35種類すべてを練習させ、暗算でできるくらいにしておきます(宿題や朝の帯時間などを活用)。

子供たちには教科によって得意不得意がありますから、この2点を事前に押さえておけば、必ずすべての子供が「筆算」で「繰り下がりのあるひき算」をできるようになるわけではありません。しかし、これらができていない状態で「筆算」の学習に入ると、算数が苦手な子供にとっては、苦手なことが何重にもなってしまうため、負荷が大きくかかってしまいます。それを事前に取り払っておくことが必要だということです。

空位の数がある場合など、式と図と言葉の往還で深い意味理解を図る

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