【相談募集中】生徒の暴言によって心の病を患ってしまいました

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生徒からの暴言で心の病を患い、仕事を続けていく自信がないと、ある男性教諭から「みん教相談室」に寄せられました。これに回答したのは臨床心理士・公認心理師の大多和二郎先生。心の健康を保ちながら教職を続けていくための対応策をアドバイスしました。その内容をこちらでシェアします。

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Q. 男子生徒による暴言に耐えられず、教師を辞めたいと思うように……

クラス替えがきっかけで、ある男子生徒が自分に暴言を吐くようになりました。新しいクラスには、自分の友達がいない、なぜ自分をこのクラスにしたのか、暴言を言うようになったのも、教師のせいだ、という主張をされます。実際には、彼が話せる友人もいるにもかかわらず、です。何度か話し、その場では落ち着くものの、しばらくすると元に戻り、暴言やばかにするような発言が絶えません。

暴言を言われ続け、心の病気にもなりました。このまま耐え続けないといけないのでしょうか。どう対応したらよいかわかりません。教師という仕事は天職だと思ってきましたが、彼によって教師を辞めたいとも思うようになってしまいました。(辛い先生・30代男性)

A.対話する姿勢は必要ですが、暴言には応えないという態度が大切です

私たちはプライベートであっても、仕事であっても、自信満々とは言わないまでも、「自分はそれなりに仕事ができていて、まわりの人からもある程度認められている」という感覚に支えられ生活できています。まわりから疎ましく思われている、嫌われているという中では苦しいし、やっていくことも難しくなります。

ですから、生徒から繰り返される暴言やばかにされる発言を受け続けていると、苦しいし、仕事全般にも支障をきたすことになりかねません。現在は、「耐える」ということで対処しているようですが、何とかしたいですね。では、一つ一つ考えていきましょう。

クラス替えですが、一人の先生がクラスの編成を決めるわけではなく、学年の先生が中心となって複数の教師が関わって決められているのではないでしょうか。生徒もそのことはわかっていると思います。それなのに一人の先生に対して「なぜ」と責め続けるということは、それだけが原因ではないと思います。

その場では落ち着いても、また元に戻るということは、先生に対して感情をぶつけるというパターンが、あるきっかけで始まって続いてしまっていると思われます。人は、自分の言うことに全く耳を貸さない人や、倍返し、3倍返しで自分に感情をぶつけ返してくる人には、言い続けないでしょう。

また、完全に無視する人にも言い続けることはしないでしょう。自分の言うことを無視せずに、その気持ちになんとか応えようとしたり、言われていることに対処しようとしたりする人に言いたくなるのではないでしょうか。おそらく先生が誠意を持って対応しようとしている姿が、生徒からすると、相手にしてもらえている感じがあるのでしょう。

「暴言」「ばかにするような発言」をしても、丁寧に対応してくれるという先生の態度に対して、そのパターンを続けたいという気持ちが働いているのだと思います。自分は無礼な態度をとっても丁寧に対応してくれるということは、「言いたい放題言っても無視されず、相手にしてくれる」という関係が形成されていると思います。

相手に気を使わず言いたい放題言ってもそれが通るということは、現実の世界ではめったにあることではありません。もし、その生徒に何かむしゃくしゃするようなストレスを感じやすい環境だとか、過去の人間関係での何かがあるとすると、言いたい放題言える相手がいることで、もやもやした気持ちを発散できることになります。

その生徒の生活環境や過去の人生はわかりませんし、言い切ることはできないのですが、もしかしたらそういう心理が働いているかもしれないのです。先生は教師を辞めたいと思うようになるくらい苦しんで追い詰められていても、その気持ちはおそらく生徒は気づいていないし、感じていないと思います。

二人の関係で完結していると、これが続きそうです。他の教員にお願いして、一緒に話をする機会を持ってみてはどうでしょう? または、他の教員から「何を言いたいのか、言い続けているのはどのような気持ちからか」を聞き取りしてもらうということもできると思います。

もし、それを生徒が拒否したら生徒は主張があるというよりは先生にかまってもらうことが目的になっていると思います。その場合には、今後、暴言には直接応えずに、しっかりと生徒の目を見つめて「何か話があるなら話そう」と、一言静かに言ってしばらく黙っているというのはどうでしょう。話を聞く気持ちはあるけれど、暴言には応えないという態度を示すのが一つの方法かと思います。 


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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